庶務は総務・事務とどう違う?必要なスキルや仕事内容、向いている人は?転職するには?
「コツコツ作業をしたい!」という方に人気のお仕事、「庶務」。
人によって抱くイメージは様々かもしれませんが、実際にどういった業務が任せられるのか、やりがいは何か…実態を詳しく知らないという方もいるでしょう。
本記事ではそうした「庶務」のお仕事について、業務内容や庶務に向いている人、庶務の仕事に役立つスキルをご紹介します。
庶務の仕事って?
庶務とは、営業など他職種の社員が使う資料を整理したり、電話を取り次いだり、あるいは来客対応をしたりといった補助的な役割をこなすのが主な業務です。
雑用が仕事であるかのように捉える人もいますが、他職種のサポートが業務に含まれているだけであり「何でもやる」事が仕事ではありません。
データ収集や発注管理、時には商品のご提案など、企業の方針や本人の適性によっては他分野に踏み込んだ仕事を任されている事があります。
庶務と事務との違い
求人情報を見ていると、「庶務」と「事務」の業務内容には大差がない事に気がつくかもしれません。
ここで「えっ、庶務と事務はどう違うの?」と疑問に感じるかもしれませんが、実質的に「庶務」と「事務」とは呼称が違うだけの同じ仕事です。
ただし、庶務と同様の業務内容をこなしているのは事務職の中でも「一般事務」となり、営業活動のサポートをする営業事務などとはイコールではないと言えるでしょう。
「庶務」で探してあまりピンとくる求人がなかった…という場合は、「一般事務」で検索してみると選択肢を増やす事ができるかもしれません。
庶務と総務の違い
一般事務と庶務の仕事内容には違いがありませんが、もう一つ混同されがちな仕事として挙げられるのが「総務」です。
庶務も幅広い業務をこなすのが特徴の職種ですが、大きな違いがいくつか存在します。
まず、庶務は各部署に配属され、その部署内での業務をこなすのが主となります。
一方で、総務は「総務部」という独立した部署に所属している事が普通です。
仕事内容も異なり、総務は社員旅行の手配やオフィス清掃・移転に際しての業者とのやり取り、会社行事の準備など「会社全体で行う事」の補助を行う事が多いといえるでしょう。
庶務にはどんな人が向いている?
どんな仕事にも向き・不向きがあると言われていますが、庶務に適性があるのはどういった人でしょうか。
本項目では、「庶務に向いている人」について、4つの特徴を挙げて解説します。
人の助けになりたい人
庶務の仕事は、主に同じ部署に所属する社員のサポートとなります。
大きく目立つ、どこかに名前が出る仕事をする事はほとんどないポジションですが、身近な人の役に立っているという実感を得ながら働きたいという人にはぴったりの仕事でしょう。
コツコツ取り組むのが好きな人
営業とは違い、自発的に仕事を増やすという事が少ない庶務は「目に見える量の仕事」をこなす事が基本となります。
資料整理や電話応対、郵便物の仕分けなど業務は多岐にわたりますが、どれも一つ一つ取り組んでいけば着実に片づけられるものです。
「今日できる事は全部やった!」という感覚が日々得られる仕事のため、達成感をお求めの方にもおすすめできます。
人と話すのが好きな人
庶務はコツコツこなす仕事ではありますが、同時に人とのコミュニケーションが不可欠な仕事でもあります。
まず、預かった仕事について確認しなければならない事項がある場合は、しっかりと意思の疎通がとれる事が重要です。
場合によっては他部署とのやり取りが必要な事もありますので、部署問わず顔と名前をしっかりと一致させていく姿勢が望ましいといえます。
そして、頻度は環境にもよりますが、電話応対を1日10件~ほどはこなす事となるでしょう。
社内・社外問わず電話にはしっかりと対応し、適切な社員へスムーズに繋げる(もしくは、自分がわかる事であれば回答する)ように心がけたいところです。
上記2つの理由から、コミュニケーションが好き・得意な人も重宝される職種であると言えるでしょう。
ワークライフバランスを重視したい人
また、残業が多い・多忙すぎる環境に置かれづらいのが庶務の特徴です。
2019年のdodaの調査によると1ヶ月の平均残業時間は15.6時間となっており、残業の多い職種1位の施工管理職と比較すると26時間もの開きがある事がわかります。
これは標準の労働時間を8時間であるとすると、実に1ヶ月に3日分の差がある計算です。
もちろん残業が多ければそれだけ給与も多くなる傾向にありますが、「それほどでもなくていいから、仕事の前後の時間をしっかり確保したい」と考えている人には狙い目の職種といえるでしょう。
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庶務に必要なスキルって?
どのような時にモチベーションを感じられる人が向いているのか…は前段落でお話しましたが、庶務として働くにあたり実際に求められるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。
本項目では、庶務を目指すにあたり身に付けておきたい能力について紹介します。
基本的なパソコンスキル
庶務ではデータ入力や、会議で使用する資料を人数分作成するなどパソコンの使用がほぼ必須となる仕事を任される機会が多くあります。
そのため、パソコンスキルがある場合は即戦力として期待される事もあるでしょう。
庶務の業務において主に使用するのは、Excel、WordなどのMicroSoft Officeに分類されるソフトウェアです。
「基本的なパソコン操作ができればOK!」といった募集を出している企業も多々ありますが、「Office系ソフトのスキルが身についている」というアピールができれば、庶務を目指す上でごく有利に働くでしょう。
何らかの資格がある場合はわかりやすく技術を伝える事ができますが、実務経験のみの場合はどういった業務でどのソフトを用いていたかを明確にしておきましょう。
実務でOfficeを使った事がないので不安…という場合は、「MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)」などの資格に挑戦する事もおすすめです。
ソフトや難易度によって試験内容は違いますが、一般的に独学で取得しやすい資格と言われているため転職活動を始める前から取得に向けて動いておいてもよいでしょう。
ビジネスマナー
庶務は電話応対や来客対応を行う事も多く、社外とのやり取りを行う機会の多いポジションです。
そのため、しっかりとしたビジネスマナーを基に行動できる人が求められやすい傾向にあるといえるでしょう。
ビジネスマナーを問う資格として有名なものには「秘書検定」などが挙げられます。
必須の資格ではありませんが、1級は20%強ほどの合格率となっており、アピールの一つとして有用ではあるでしょう。
また、(庶務に限った話ではありませんが)応募の際には送る履歴書の形式・送付方法にも気を配り、面接の前から「マナーが身についている」という印象を与える事が大切です。
フォントに凝りすぎて文章が読みづらい、華やかに見せようと加工した写真を貼っている…といった履歴書を送付する事はNGです。
履歴書を作成する際のマナーがいまいち分かっていない…という方は、こちらもチェックしてみてください。
作業の正確さ
「他職種の補助を行う」庶務の業務は多岐にわたり、その多くが「資料整理」や「データ入力」など正確な作業を求められる仕事です。
時には郵便物の発送を任される場合もあり、宛先を間違えてしまうと社内外に多大な迷惑をかけてしまう事になりかねません。
こうした理由があるため、正確な作業を心がけられる人材を企業側も求めます。
しかしながら、ミスをしてしまう事は誰にでもあり、企業側も当然それは承知しているでしょう。
ここで大切になってくるのは「ミスのないように心がける姿勢」と「自分のミスに対応した時、いかに誠実かつ的確に取り組めたか」のアピールです。
選考中、「ミスをしてしまった時、どうやってリカバリーに努めたか」を伝えられる機会があれば逃さずに伝えていきたいところです。
庶務は未経験からでも挑戦しやすい!プロのサポートで着実に狙おう
庶務の仕事に就くために、有利となる資格や経験はあっても必須ではない事がほとんど。
実際に求人の募集要項を確認しても、多くは「未経験可」との記載があります。
ここで「だったら、誰でも受かるのでは?」と感じてしまうかもしれませんが、その認識は正確ではありません。
営業であれば専門知識など「入ってから覚える」事が多いものですが、採用担当者は業務を円滑に進めるために、庶務の採用こそ基礎的な能力からしっかりと吟味しているはずです。
ですので、庶務を目指す際にはしっかりと対策をしておくべきでしょう。
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