学校事務の志望動機の書き方|未経験・経験者用の例文を紹介
学校事務は、事務職に従事したい人だけでなく、教育に関心のある人からも人気があるため、その競争倍率は他の職種と比べても少し高めです。
そのため、内定を勝ち取るためには、しっかりとした志望動機を用意しておく必要があります。
そこで本記事では、学校事務を目指す場合の志望動機の書き方について、例文も挙げてご紹介いたします。少しでも参考になれば幸いです。
学校事務の仕事内容とは?
学校事務は、小学校や中学校、高等学校などの各種学校において、組織を運営するのに必要となるさまざまな事務や備品などの管理を担う仕事です。
ここに挙げた学校以外にも、大学や専門学校、予備校などで働くケースもあります。
その仕事の内容は実に多種多様で、イメージしやすいものとしては、学校の施設や備品の管理、電話や来客への応対、生徒についての手続きへの対応といったものがありますが、その他にも経費清算手続きや職員の給与の計算、郵便物の管理なども学校事務の大事な役割です。
事務職というと、デスクワークが中心だと思われがちですが、学校事務に関しては、備品や施設をチェックするために学内をあちこち見て回ったりしなければならないため、必ずしもデスクに座りっぱなしというわけではありません。
このように学校事務の仕事の内容は非常に多岐にわたるため、それに従事する人にはさまざまなスキルが求められます。
まず、何といっても重要なのは事務処理能力です。学校事務といっても事務職である点に変わりはないため、書類の作成や各所との連絡・調整などを行う機会が少なくありません。
複数の業務を同時にこなす場面も多々ありますので、与えられたタスクを効率よくこなせる事務処理のスキルは必要不可欠であるといえるでしょう。
加えて、意外と忘れられがちですが、コミュニケーション能力も大切です。
仕事をするうえで、学生や教職員の要望を聞いて対応するといった業務もありますので、彼らを円滑にやり取りできるスキルは欠かせません。
なお、私立の学校で学校事務として働く場合には、その法人の職員というステータスですが、公立の学校で働く場合には、地方公務員として扱われます。
その場合、福利厚生制度などは公務員向けのものを利用することが可能です。
ちなみに、学校事務の平均年収ややりがいなど、もっと詳しい情報を知りたいという方は下記の記事にまとめてありますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
1日のスケジュール例
学校事務の仕事内容は、勤務先の学校によって少しずつ異なります。ここでは、公立中学校に勤務する人の1日を例にとって、具体的にその仕事の内容を見ていきます。
朝は始業前の8時過ぎに出勤します。出勤時には出勤簿に打刻して、前日の退社後に届いた郵便物やメールの処理を行います。
学校には大量の郵便物が届くのですが、その中には不要なものも少なくないため、一つずつ中身を確認しているものといらないものに選別しなければなりません。重要そうなものがあれば、それを担当している教職員に配って回ります。
それが終わると、9時から職員とのミーティングをこなし、10時からは学校宛てに届いている請求書の支払い処理です。
経費で購入したさまざまな物品の請求書が学内から回されてくるため、伝票と照らし合わせて、確かに購入したものであることを確認した上で、支払手続きを行います。
その後、11時から学内を回ってコピー機の印刷用紙やトナーなどの消耗品が不足していないかを確認した後は、12時過ぎから13時までランチの時間です。
午後は13時から教職員に支給する給与の明細の確認を行います。金額に間違いがあると大変ですので、入念なチェックが欠かせません。
それが終わると14時半に業者に注文していた備品が納品されたので、それを受け取り担当の教員に引き渡します。
15時からは当月の学校の予算の執行状況や各種支払いについての情報をパソコンを使って財務システムに入力します。
その途中で、約束していた来客がやってきたので、作業を一時中断してその応対にあたり、その後、再び入力作業を続け、定時の17時15分に帰宅の途につきます。
知っておくべき学校事務のリスク
教育に携わることができ、その業務の多様さから広い視野を養うことができる学校事務の仕事ですが、目指す際には知っておくべきリスクがあります。ここでは代表的な3つのリスクをご紹介いたしましょう。
受験倍率が高い
まず、学校事務の仕事は人気が高く受験倍率が高いという事実を知っておきましょう。
キャリアガーデン「学校事務の求人状況・就職先選びのポイント」によれば、下記のように受験倍率の高さが明らかとなっています。
・大阪府 高校卒業程度 15.1倍(平成27年度)
・愛知県 市町村立小中学校職員採用試験 10.0(平成27年度)
・福岡県 Ⅰ類・大学卒業程度 8.7倍 (平成26年度)
受験する都道府県によって受験資格や試験内容が異なるため、一概に難易度を図ることは難しいですが、人気な職種だからこそ受験倍率が高く、就職や転職へのハードルが高いことがわかります。
倍率が高いからこそ短期間で就職や転職が叶う保証がないため、できるだけ早く次の仕事に就きたいと考えている方にとっては大きなリスクとなり得ます。
年齢制限があるケースもある
学校事務として公立の学校に勤める場合には公務員扱いとなるため、公務員試験にパスする必要があります。
しかし、公務員試験を受験するには年齢制限が存在します。都道府県によって制限内容は変わりますが、もし年齢制限を満たしていない場合には私立の学校事務を狙うことになるでしょう。
ただし、私立の場合には先ほどお伝えした受験倍率が公立よりも高い傾向があるため、そのリスクはぬぐえません。
「2050年問題」に見る経営危機の可能性
皆さんは「2050年問題」をご存知でしょうか?これは特に大学について言われていることですが、少子化の時代に突入したことにより今後経営危機に陥る可能性のある学校が増えています。
PRESIDENT Online「「18歳人口」を奪い合う大学は見苦しい」によれば、現時点ですでに私立大学の半分が定員割れしていると述べられています。
大学入学者のほとんどを占める18歳人口は、1992年時点で205万人いたにもかかわらず、2050年にはそのおよそ3/1となる73万人にまで減少すると予想されています。
この状況下で大学を存続させるには、2050年時点で大学進学率85%以上を実現させなければならないことになります。しかし、到底現実的な数字には思えませんよね。
新しく仕事を始める時には、その業界の今後の動向を予測したうえで、もっと活性化すると考えられる仕事を選ぶ必要があります。
少子化は大学だけでなく、小学校から専門学校まであらゆる学校の経営に影響を及ぼします。教育機関に携わるには、そのリスクを負う必要があるのです。
加えて先ほどご紹介したような受験倍率の高さや、公立の学校事務を目指す場合には年齢制限のリスクもあります。学校事務の仕事を目指す際には、このようなリスクがあることを念頭に置いておきましょう。
また、学校事務を目指す際には「どうして学校で働きたいのか」を明確にしておくようにしましょう。
もちろん、志望動機を考えるにあたっても「学校で働きたい理由」や「教育に携わりたい理由」を明確にする必要がありますが、理由はそれだけではありません。
先ほどお伝えしたような学校事務ならではのリスクがあったとしても学校事務の仕事をしたい、という明確な理由がなければ、そのリスクに直面した時に後悔することになりかねないのです。
事務職はどの業界でも必ず必要となるものです。もし、どうしても教育機関で働かなければならない理由がないのであれば、学校以外の職場の事務職も検討することをおすすめします。
しかし、特に就職や転職に不慣れな方の中には、何から始めればいいのかわからず不安だという方も多いかもしれません。そこでぜひ知っておいていただきたいのが就・転職エージェントの存在です。
就・転職エージェントとは、提携している企業の求人を紹介してくれる民間の就・転職支援サポートです。
専属のキャリアアドバイザーに企業や求人の細かい情報を教えてもらえる他、気になる求人があれば企業ごとに合わせた履歴書・面接対策も受けることができます。
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同じ事務職の求人でも、自分に合った業界や職場を吟味することが大切です。一人での就職や転職が不安だという方は、ぜひ一度プロの私たちにお話をお聞かせください。
学校事務の志望動機の書き方
ここからは、学校事務の志望動機を作成する際に、押さえておくべき点について説明します。
学校事務の志望理由
さまざまな事務職がある中で、なぜ学校事務を希望するのかという理由を記載する必要があります。単に事務の仕事がしたいというだけでは不十分で、学校の運営に携わりたいという点を示さなければなりません。
できれば、教育業界に対する関心の高さや、生徒の成長を支援したいという強い気持ちが盛り込めればさらにベターです。
学校は生徒を育てる場ですので、自分の成長につながるからといった自分本位の志望動機にすることは、なるべく避けた方がよいでしょう。
その学校の志望理由
色々な学校がある中で、どうしてその学校に就職したいと思ったかという理由を明確に記載するのも重要です。
自分が通っていた学校であれば、自らの経験を通じて教育理念や教育方針に賛同している点を伝えれば、良い印象を持ってもらえるでしょう。
そうでない場合でも、同様の点を示せればよいのですが、そのためにはしっかりとした学校研究を行わなければなりません。
学校ごとに教育理念などは異なりますので、自分がどういった点に共感を覚えたのかを明確に書くのが大切です。
自らのアピールポイント
そこで働きたいという強い意志に加えて、自分がどのように学校に貢献できるのかを伝えるのも重要です。
そのためには、学校事務に必要な事務処理能力やコミュニケーション能力を有しているということを積極的にアピールするのがおすすめです。
説得力を持たせるために、具体的な過去の経験談などを交えて説明するとよいでしょう。
ちなみに、志望動機の書き方の基本を確認したいという方には下記の動画にて例文つきで志望動機の基礎をご紹介しておりますので、ぜひこちらも参考にしてください。
【例文】学校事務の志望動機の書き方
では次に、学校事務の志望動機の例文を紹介します。そのままコピーするのではなく、あくまで内容や構成をする上での参考として見てください。
同業界・同職種からの転職の場合
「私は、貴校が学生のキャリア開発に積極的に取り組まれている点に共感し、この度応募させていただきました。
具体的には、学生が卒業後に希望するキャリアを築いていけるよう、在学中からさまざまな職業についてのセミナーを設けたり、企業訪問の機会を用意している点に魅力を感じます。
これまでも、学校事務としてキャリアセンターで学生のサポートに従事し、就職率の向上に取り組んできましたので、この経験を活かして、貴校に貢献できればと考えております。」
応募先の学校が行っている具体的な取り組みを挙げて、それに共感している点を伝えることで、しっかりと学校研究を行っているというのが分かります。
また、前職での経験と併せて、学生のキャリアサポートに対する熱意が示されていますので、採用すれば即戦力として貢献くれる人材であると採用担当者に認識してもらえるでしょう。
同業界・異職種からの転職の場合
「私はこれまで中学校の用務員として働いてきました。用務員の仕事は、学生が学校施設や備品類をスムーズに使用できるように環境整備を行うというやりがいのあるものです。
前職では、業務効率化に努め、無駄な手続きなどを廃止した結果、私を含む用務員の作業負荷の大幅な低減に成功し、それによって生まれた余力を使って施設のさらなる改善に取り組むことができました。
今後は、より学校全体の管理などを担う学校事務として、この経験を活かして行ければと考えております。
自然との触れ合いを通じて学生の成長を促すという貴校の理念は、私の考える教育像とも一致するものですので、ぜひとも貴校で働きたく応募いたしました。」
同じ教育業界において用務員として仕事をしてきた経験を活かして、学校事務という新たな仕事に取り組みたいという強い熱意が伝わってくる志望動機です。
用務員として業務効率化に成功した実績を紹介することで、自分の持つ能力もしっかりとアピールできています。
異業界・異職種からの就・転職の場合
「貴校の掲げる「自分で考えられる人材を育成する」という教育理念や、学校事務という仕事を通じて、学生の成長をサポートできるという点に魅力を感じ、この度応募させていただきました。
前職では、人事部において社員研修を担当しており、自分で考えられる人材の重要さは身にしみて感じております。
少しでも、考える力を伸ばそうとさまざまなセミナーなどを企画し、社員から高い評価を得たこともありますので、そういった経験は貴校で仕事をする上でも活かせるものと考えます。」
応募先の学校の教育理念を理解した上で、それが自分の考えと一致している点を具体的な経験談を交えてしっかりと伝えられています。
前職でも教育関係の業務に携わっていたということから、早々に戦力として活躍してもらえるのではないかという期待を抱かせる志望動機であるといえるでしょう。
ちなみに、「志望動機の基本的な考え方を確認しておきたい」という方は、下記の記事に基礎的な部分から細かくご紹介しておりますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
学校事務のNG志望動機・例文
「学生時代より教育現場に携わりたいという目標を掲げていたことが、今回学校事務を志望した理由です。
前職では、人材教育部において主に新入社員向けのセミナーや講義動画の作成を行っておりましたので、教育現場での業務に活かせると考えております。
一日でも早く貴校に貢献できるよう努めて参ります。」
この例文ではまず、冒頭で「学校事務の仕事を志望した理由」について述べられていますが、そもそもなぜ教育現場に携わりたいと考えたのかの具体的な理由が明確になっていません。
これでは学校事務の仕事に対してどれくらいの熱量を持っているのかが不透明なため、簡単にエピソードを付け加えるとより信憑性が高まるでしょう。
また、前職での業務内容を具体的に説明できている部分は問題ありませんが、その業務内容がどうして教育現場での仕事で活かせるのか、特に学校事務の仕事でどう活きてくるのかが明確に記載されていません。
ここも不明瞭なままでは信憑性を欠いた志望動機になってしまうため、学校事務の仕事内容をより具体的に調べたうえで、前職との共通項を見つけ、活かせることを明記するとよいでしょう。
志望動機で困ったら・・・
学校事務の志望動機を書こうとしても自分ならではのアピールポイントが見つからなくて書けないという人もいるでしょう。
「本当にこれでいいのかなぁ・・・」と不安を抱いたまま応募するのは、内定の可能性を狭めてしまうようで気が引けますよね。
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大学事務は企業の事務職と変わらない
中には大学事務を目指している方もいらっしゃるかもしれませんが、大学事務の仕事内容は一般企業の事務職ととても似ています。
先ほどご紹介したようなリスクが原因で後悔してしまうことを防ぐためにも、「本当に大学でなければ自分のやりたいことができないのか」を今一度考えてみましょう。
教育機関で働くことに対する強い志があるという方であれば問題ありませんが、そうでない場合には一般企業の事務職を目指すことをおすすめします。
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