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ゼネコンとは?仕事内容、働く魅力、必要な資格|スーパーゼネコンやサブコンも解説

ゼネコンという言葉を聞いたことがあるという方は多いと思いますが、建設関係の仕事くらいの認識で、ゼネコンの定義や具体的な仕事内容はよく知らないという方も多いのではないでしょうか?

ゼネコンの仕事内容や魅力が分からないと、ゼネコンの仕事が自分に向いているかどうかの判断ができません。

そこで本記事ではゼネコンとはいったいどんな会社なのか、仕事内容や魅力などについてご紹介いたします。仕事選びなどのお役に立てれば幸いです。

ゼネコンとは?

ゼネコンとは「General Constructor(ゼネラル コンストラクター)」の略で、総合建設業者もしくは総合工事業者を意味します。

ゼネコンという言葉に確立された定義はありません。

ただし、一般的な認識としては設計・施工・研究の3部門を自社で行い、売上も比較的高い会社がゼネコンに分類されると言われています。

そんなゼネコンにはスーパーゼネコンやマリコンなど様々な種類があるので、それぞれ解説していきます。

ゼネコン企業ランキング 売上高TOP5

まずはゼネコン企業の売上高TOP5を見ていきましょう。以下に紹介するのが、売上高TOP5の会社です(2020年3月決算ベース)。

1位が清水建設、2位が大林組、3位が大成建設、4位が鹿島建設、5位が竹中工務店で5社全て売上高は一兆円を超えています。

1位の清水建設は江戸時代の1804年に創業され、土木・建築だけでなくエンジニアリング事業、コンサルティング業務なども手がける企業です。

また建築に関する独自の技術を多く抱えている他、東大寺や軍艦島など文化遺産の建築にも関わっています。

2位の大林組は明治時代の1892年に創業された企業で、大阪城などの歴史的建造物や東京スカイツリーなどの建設に関わっています。

また環境に配慮した社会づくりを目標にしており、建設などの事業活動において環境負荷低減に向けた取り組みを進めています。

3位の大成建設は明治時代の1873年に創業され、都市再開発事業に強みを持っている企業です。

新宿三丁目東地区など全国の法定再開発案件の約2割に関わっており、再開発事業に関しては大手ゼネコンの中でもトップクラスの実績があります。

4位の鹿島建設は江戸時代の1840年創業で、困難な課題に果敢に挑戦する「進取の精神」を掲げている企業です。

この理念が示すように日本で最初に鉄道工事を請け負ったり、日本で初めて高層ビルを建設したりと難しい事業に積極的に取り組んでいます。

5位の竹中工務店は江戸時代の1610年に創業され、売上高TOP5のゼネコンの中で、唯一の非上場企業です。

建設事業は主に建築と土木に分類されますが、竹中工務店は建築専業を掲げ、売上高の大半が建築事業で占められています。

大手・中堅ゼネコンとは?

大手ゼネコンは売上高TOP5のゼネコンに次ぐ規模の企業で、中堅ゼネコンは大手ゼネコンに次ぐ規模の企業のことです。

大手・中堅ゼネコンに明確な定義はありませんが一般的に売上高が3000億円以上を大手ゼネコン、売上高1000億円以上3000億円未満が中堅ゼネコンと言われています。

また売上高が4000億円以上を大手ゼネコン、3000億円以上を準大手ゼネコンと分類する場合もあります。

スーパーゼネコンとは?

スーパーゼネコンは数多く存在するゼネコンの中でも特に売上が大きい企業を指します。

スーパーゼネコンに明確な定義はありませんが、目安としては単独で売上高が1兆円を超える企業が該当します。

具体的には売上高TOP5で紹介した清水建設、大林組、大成建設、鹿島建設、竹中工務店の5社のことです。

サブコンとは?

サブコンとは「subcontractor(サブコントラクター)」の略で、ゼネコンから工事を下請けする業者を指します。

一般的にゼネコンだけで建設工事の全工程を進めることは少なく、設備工事など一定の技術や専門性が必要とされる工事は、専門の工事会社に外注されるのです。

このような専門の工事会社がサブコンであり、設備工事業者の他に左官工事業者や塗装工事業者などが該当します。

マリコンとは?

マリコンとは「marine constructor(マリンコンストラクター)」の略で、ゼネコンの中でも港湾・護岸工事、海底トンネル工事などの海洋土木工事に特化した建設業者を指します。

大手のマリコン企業としては五洋建設、東亜建設工業、東洋建設などが有名です。

ゼネコンの仕事内容とは?

総合建設業者であるゼネコンにはさまざまな部門が存在するため、事務や営業はもちろん、設計・施工・研究など幅広い役割を担っています。

この段落ではさまざまな部門の中でも、設計・施工・研究の業務内容について解説していきます。

設計部門の業務内容

設計部門の業務は、クライアントが抱く漠然とした完成イメージを具体的な形にするため、図面に起こしたり模型を作成したりすることです。

ただクライアントの要望を聞くのではなく安全性や利便性を考慮して設計する必要があります。

そんな設計部門は意匠設計・構造設計・設備設計の3部門に分かれている場合が多いです。

意匠設計は主に建築の外観や内部のデザインを担当し、構造設計は建築基準法などの諸条件から要求される安全性を確保できるように建物の土台と骨組みを設計するのが主な業務です。

そして設備設計は電気や水道、空調やインターネットなどの建築物のインフラを設計するのが主な業務となります。

施工部門の業務内容

施工部門は設計部門が作った設計図を元に建物を作るのが仕事です。そんな施工部門の主な業務は工程管理と原価管理、品質管理と安全管理の4つとなります。

工程管理の業務は施工計画通りに工事を進められるように全体のスケジュールを把握し、スケジュール通りに工事が進んでいるか進捗管理を行います。

原価管理の業務は、予算内で工事を進められるように資材費や人件費などの原価を管理することです。

そして品質管理の業務は、設計図や仕様書で定められた品質(デザインや強度、材質など)を満たしているかチェックし、安全管理は現場の作業員が安全に働けるように建築現場の安全確保や労働時間の管理などを行います。

研究部門の業務内容

研究部門の主な業務はコストを抑えつつ品質の高い建物を造るために、新しい資材や建築工法などの研究開発を行うことです。

例えば耐震性の高いコンクリートの研究開発、工事の生産性向上のためAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を活用した建築工法の研究などが行われています。

ゼネコンと入札の関係

ゼネコンに関するニュースなどを見た際に、「入札」「談合」という言葉を目にした経験のある方も多いのではないでしょうか。

入札とは公共工事などを発注するゼネコンを決める際に、発注者が複数の業者から提示された価格などの条件を見て、どの業者に工事を発注するかを決める形式のことです。

入札方法にも一般競争入札や指名競争入札など様々な種類がありますが、最も一般的な方法が一般競争入札です。

一般競争入札は入札資格さえあれば基本的には誰でも参加できます。また入札では基本的に工事金額を競いますが、単に安ければ契約を勝ち取れる訳ではありません。

金額に加えて工事期間や事業の安全性、周辺環境への配慮なども総合的に評価されます。そんな入札に関連する言葉が「談合」です。

談合とはゼネコンと発注業者が事前に入札価格と落札価格を話し合いで決める行為や、ゼネコン同士が事前に話し合って入札価格を決める行為のことです。

そして入札の際に談合を行うのは基本的に禁止されています。

なぜなら入札は業者同士で厳正な競争が行われることが目的の1つであり、事前に価格を決める談合では公正な競争が働かなくなるからです。

そのため独占禁止法などでも談合は違反とされています。

ゼネコンの魅力

ここではゼネコンで働いた際に得られるメリットや魅力について解説していきます。

大きなプロジェクトを統括できる

ゼネコンは都市再開発事業、大型商業施設やランドマークの建設など大きなプロジェクトに関わる事が多いです。

大きなプロジェクトでは下請けの専門工事業者を含めて、数千人が関わる場合もあります。

数千人が関わるプロジェクトを統括し、建設計画を成功に導くのは大きなやりがいとなるでしょう。

社会に大きく貢献できる

ゼネコンは学校やマンションなどの施設、ダムや鉄道といったインフラ設備のような人々の生活に欠かせないものを建設することが多いです。

また災害対策事業や復興支援計画、歴史的建造物の修復・復元などの文化財保護に関わることもあります。

このようにゼネコンの仕事には人々の生活の便利さ、文化的価値を支えるものが多いため、社会に大きく貢献できます。

仕事が形に残る

ゼネコンに限らず建設の仕事は、仕事の結果が建築物という成果物として、その後長く残り続けます。

東京スカイツリーのようなランドマーク的な建築物に関われば、自身の仕事が地図や歴史に残る可能性もあるのです。このように仕事が形に残る点もゼネコンで働く魅力の1つです。

中堅ゼネコンでは学歴が重視されにくい

スーパーゼネコンや大手ゼネコンは正社員採用試験で学歴条件が課されていることが多いですが、中堅ゼネコンでは学歴が重視されにくい傾向があります。

中堅ゼネコンは経験やスキルで評価される場合も多いので、現場での実務経験やスキルが十分にあればキャリアアップすることも可能です。

学歴に自信がない方にとっては大きな魅力となるでしょう。

平均年収が高め

ゼネコンは全体的に平均年収が高い傾向にあります。特にスーパーゼネコンは年収が高く、平均年収が1000万を超える企業も存在します。

例えば大林組の2020年3月期の有価証券報告書によると、平均年収は1057.7万円となっています。高年収の企業で働きたいという方にとっては大きな魅力でしょう。

大手は労働環境改善に積極的

また大手のゼネコンには労働環境の改善に積極的な企業が多いため、残業時間を少しでも減らしたい方や休みをしっかり取りたい方にもおすすめです。

ゼネコンで必要になる資格

仕事や入札の際に有利に働く場合があるため、ゼネコンなどの建設業界では資格が重視される傾向にあります。そこでここでは、ゼネコンで重宝される資格を紹介していきます。

一級建築士

一級建築士は、大規模な建築物の設計および工事監理を行う際に必須の資格です。建築士には一級建築士、二級建築士、土木建築士という種類があります。

二級建築士は建物の構造・素材によっては設計できない建物も存在しますが、一級建築士は設計できる建築物には制限がありません。

ゼネコンでは一級建築士の資格が求められるような大規模な建築物に関わることも多いので、一級建築士の資格があると重宝されます。

合格率は例年10%前後と国家試験の中でも難易度は高めですが、一級建築士の資格があるだけでクライアントからの信頼性も増すので、チャレンジする価値はあるでしょう。

一級建築施工管理技士

1級建築施工管理技士は、建築部門で施工管理に携わる場合に必要となる資格です。

また1級建築施工管理技士は建築現場の監理技術者になることが認められた資格でもあります(講習の受講は必要)。

建築工事を施工する際は現場の管理者として、主任技術者(工事の規模が小さい現場)か監理技術者(工事の規模の大きい現場)を置く必要があるので、現場監督を目指している方は取得したいところです。

ちなみに1級建築施工管理技士試験の合格率は約40%と一級建築士に比べれば難易度は低めとなっています。

一級土木施工管理技士

1級土木施工管理技士は、土木部門で施工管理などに携わる場合に必要となる資格です。

また1級土木施工管理技士は土木工事現場の監理技術者になることが認められた資格でもあります。土木工事の現場監督を目指している方は、取得した方が良いでしょう。

建設業経理士

建設業経理士とは、建設業界の財務や経理に関する民間資格で、一般財団法人建設業振興基金が認定しています。

ゼネコンの中でも経理部門で働きたい方におすすめの資格です。建設業経理士の資格には1~4級がありますが、就職・転職、キャリアアップで有利に働くのは2級以上と言われています。

衛生管理者

衛生管理者は労働安全衛生法という法律により定められた国家資格で、労働者の健康障害や労働災害を防止するのが主な役割です。

建設工事現場では安全衛生管理が重要ですし、常時50人以上の労働者が働く職場では必ず1人以上の衛生管理者を置く必要があるので、衛生管理者の資格があれば重宝されるでしょう。

仕事選びで悩んでいるならプロへの相談が便利

本記事ではゼネコンの定義や仕事内容、働く魅力について解説してきましたが、仕事選びの参考になったでしょうか?

ゼネコンの仕事は自分に合いそうと感じた方もいれば、ゼネコン以外の仕事も知りたいという方もいるでしょう。

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