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オーバーワークの対処法12選|原因と次第に現れる深刻な症状とは?

従業員は企業のために献身的に働くことが美徳とされてきたため、日本の企業は欧米と比較してオーバーワークが多いとされています。

しかし、オーバーワークは仕事の効率を下げるほか、心身のバランスを崩し健康や精神を病んでしまうこともあるのです。

ここでは、オーバーワークの原因や症状、対策方法について詳しく解説します。

オーバーワークとは

オーバーワークとは、その名の通り過剰(オーバー)に働く(ワーク)ことです。仕事量に対して従業員の数が少なく、一人あたりが受け持つ仕事量が多すぎるとオーバーワークになります。

休日出勤や残業など、勤務時間以外に仕事をこなさねばならないという状態が慢性的に続いている状態のことです。

オーバーワークの明確な定義はありませんが、厚生労働省によって定められた過労死ガイドラインが一つの目安となります。

過労死ラインは1ヶ月の残業時間が80時間以上となっており、完全週休二日制の場合は1日4時間以上の残業が毎日続けば過労死のリスクを伴うオーバーワークと考えられるでしょう。

しかし、過労死ラインは目安であるため、1ヶ月の残業が80時間以上でなければオーバーワークと認められないわけではありません。

仕事に追われてプライベートの時間がほとんど取れない場合は、1ヶ月の残業時間が80時間以下でもオーバーワークとなります。

オーバーワークの症状

オーバーワークの代表的な症状としては、慢性的な疲労感やパフォーマンスの低下、精神の不安定などがあげられます。

慢性的な疲労感

オーバーワークが続くと、十分な睡眠がとれずに慢性的な疲労感を感じるようになります。オーバーワークによるストレスのせいで不眠になり、睡眠の質も下がり疲れが取れなくなってしまうこともあります。

常に疲労感を感じたまま仕事をすると、体だけでなく心への負担も大きくなります。疲労感だけでなく、頭痛や腹痛が伴うこともあります。

パフォーマンスの低下

オーバーワークによる睡眠不足やストレスは、仕事のパフォーマンスの低下にもつながります。

集中力が続かなくなるため仕事の効率も下がり、休日出勤や残業をしてさらに疲労感が募る負の連鎖が起こってしまいます。ミスも多くなり、仕事へのモチベーションも低下します。

精神の不安定

オーバーワークが続くと精神的に余裕がなくなり、気分も不安定になります。ちょっとしたことでイライラしたり、とげとげしい言葉遣いになったりなど、職場の雰囲気を悪くすることもあります。心身のバランスが崩れ、うつ病を発症することもあります。

オーバーワークの原因

オーバーワークになる原因は、環境的なものと個人的なものの2種類があります。ここでは、代表的なオーバーワークの原因について詳しく解説します。

一人当たりの仕事量が多すぎる

オーバーワークの原因としては、一人当たりの仕事量が多すぎることがあげられます。割り当てられた仕事量が多すぎると、勤務時間内に仕事をこなすことができずオーバーワークになってしまいます。

企業にとって仕事がたくさんあることは喜ばしいことですが、従業員の人数が少ないと一人当たりの仕事量が増えオーバーワークとして負担を与えることになります。

慢性的な人手不足に悩まされている企業の場合、繁忙時期だけオーバーワークになるのではなく、通常時もオーバーワークを強いられることになってしまいます。残業や休日出勤をして仕事を消化しなければなりません。

オーバーワークの多い職場は離職率も高く、従業員が辞める度に一人当たりの仕事量が増えるという悪循環が生じます。

これは自分の力ではどうにかするのが難しい環境的なもので、根本的な人手不足を解消しない限りオーバーワークを改善することはできないでしょう。

手に負える以上の業務量を請け負っている

自分のキャパシティ以上の業務量を請け負うことも、オーバーワークの原因となります。断るのが苦手な人や責任感が強い人は、人に迷惑をかけたくないという一心で振られた仕事を何でも請け負ってしまいがちです。

職場によっては、一人当たりの仕事量に大きな差が生じているところもあるでしょう。頼まれた仕事を全て断る必要はありませんが、手に負えないと思ったら断る勇気を持つことも必要です。

自分にこなせる仕事量を的確に見極める能力も大事です。また、スケジュール管理ができていない場合も、効率的に仕事がこなせずオーバーワークの原因になります。

どの業務を先に行い、どの業務を後回しにできるのか的確に判断し、効率的な仕事のスケジュールを組むことが大切です。

仕事の効率化ができていない

オーバーワークの原因としては、仕事の効率化ができていないこともあげられます。新入社員や転職したての人は、初めての業務のコツがつかめず非効率な作業でオーバーワークになってしまいがちです。

これは個人的な原因でオーバーワークとなっているため、仕事に慣れたり、知識や経験、スキルを身につけたりすることで解消することができます。

また、個人的に仕事を効率化することを心掛けるだけでなく、仕事の関係者との連携を効率化することも重要になります。

期日ギリギリになって依頼されたり、情報がきちんと共有できていなかったりすると、効率的に仕事がこなせずオーバーワークになってしまうので注意が必要です。

残業前提の職場に勤めている

オーバーワークの原因としては、残業前提の職場に勤めていることもあげられます。残業するのが当たり前という社風の場合、残業して仕事をこなすことを前提にした業務の割り振りが行われています。

そのため、通常の勤務時間で仕事を終えることは難しく、慢性的なオーバーワークとなってしまいます。みなし残業として給料に残業代が含まれているタイプの求人は、オーバーワークが慢性化した職場である可能性が高いでしょう。

その他

長い朝礼や不必要な書類の作成、収穫のない会議など、ルーティーン化している不毛な業務もオーバーワークの原因となります。

形だけの朝礼や会議、書類の作成など、簡略化できるものは極力省いた職場環境に改善することができれば、その時間を仕事に当てることができオーバーワークを減らすことが可能です。

しかし、これらは環境的な原因であるため、自分だけの力で改善するのは難しくなります。

オーバーワークの対処法

心身のバランスを壊さないためには、できるだけ早くオーバーワークに対処することが大切になります。ここでは、オーバーワークにならないためにどのような対処法があるのかご紹介しましょう。

自分のスケジュールと業務量を把握する

オーバーワークにならないためには、自分にこなせる業務量を把握することがポイントになります。振り当てられた業務をスケジュールに組み込み、納期までに終えることができるのかを認識することが必要です。

キャパシティ以上の仕事を抱え込み納期までに終えるのが難しい場合は、同僚に助けてもらったり、上司に相談したりするなど何らかの対処をしなければなりません。

常に自分のキャパシティに合った業務量だけを引き受けることで、オーバーワークを避けることができます。

日頃から与えられた仕事のスケジュールを綿密に立て、引き受けることが可能な仕事量を把握しておくことが大事です。

自分にできる仕事だけを引き受けるようにすれば、オーバーワークにならず高パフォーマンスで仕事をこなすことができ、長期的に見ると高評価に繋がるはずです。

個人的な業務の効率化を徹底する

オーバーワークをしないためには、個人的な業務の効率化を徹底することが打開策となります。具体的な方法としては、次の5つがあげられます。

メールやチャットはチェックする回数を決めておく

業務の連絡はメールやチャットで行うことが多いため、1日に何十通ものメールやチャットに対応している人がほとんどでしょう。

しかし、着信の度に手を止めて対応していると、業務の効率が下がってしまいます。作業を中断したことで集中力が途切れ、ミスを犯してしまうこともあります。

そのため、業務の効率化のためにはメールやチャットは回数や時間を決めてまとめて対応するのがベターです。

出勤してすぐ、ランチ前、中休み、退社前など、1日に3回から4回と時間を決めて行うと作業も効率化できるうえに、メールやチャットにもきちんと対応できます。

資料やメールの文面のテンプレートを作成しておく

取引先へのメールや資料は、いつも同じような文面で書くことが多いでしょう。細かい内容は異なっても、元となるビジネス文書はほとんど変わりません。

頻繁に使用する文面や資料のテンプレートを作っておくと、入力する時間を短縮でき、効率的に業務が行えます。

取引先や担当者の名前、数字などを変えればすぐに送れるようなテンプレートを作り、保管しておくと良いでしょう。短いメールや資料であっても、繰り返し入力時間を簡略化することでトータルするとかなりの業務の効率化が図れます。

悩む時間のリミットを決める

解決策の見つからない案件を抱えている場合など、悩む時間のリミットを決めておくのも業務の効率化を図るために必要です。

考えが煮詰まると良い案は出てこないので、15分から30分ほど悩んでも何も思い浮かばないなら同僚や上司に相談するなど自分で決めておくと良いでしょう。

相談する時にはどのように悩んでいるのか、また自分が絞り出した案を伝えることで、より効果的なアドバイスを得られる可能性が高まります。

業務の最後に必ずダブルチェックをする

個人的な業務の効率化を徹底するには、最後に必ずダブルチェックをすることも忘れてはなりません。

面倒な作業ではありますが、ダブルチェックをせずに提出してミスが見つかった場合、もっと面倒な修正業務をすることになります。

取引先などに渡してしまった後なら、謝罪に行かなければならないこともあります。業務から早く解放されたいと思っても、最後のダブルチェックは欠かさないようにしましょう。

パソコン内を常に整頓しておく

業務を効率化するためには、資料やデータをすぐに取り出せる状態にしておくことが大切です。色々なデータを単に保存しているだけでは、取り出したい情報を探すのに手間がかかってしまい時間のロスです。

業務を効率化するには、常にパソコン内を整頓しておく必要があります。完了した案件のデータはゴミ箱に移したり、プロジェクトごとにフォルダを作りデータを管理したりなど、使いやすいようにカスタマイズしておくことが重要です。

周りに仕事を振る

オーバーワークにならないためには、周りの力を借りることも必要です。責任感が強い人は、自分に振られた仕事は自分の力だけで完了しようとしてしまいがちです。

また、自分の仕事を周りの人に振るのは申し訳ないと思うかもしれません。しかし、仕事を振られた人は信頼されて任されたことに喜びを感じることもあるうえに、協力して仕事を行うことで仲間意識も生まれます。

自分のキャパシティを超える仕事を周りに振ることに、罪悪感を覚える必要はありません。ただし、周りとの関係を悪化させないために、納期ギリギリにお願いするのではなく、時間的に余裕があるうちに振るのが最低限のマナーとなります。

定期的に休憩時間を設ける

定期的に休憩時間を設けることも、オーバーワークを避けるために効果のある対処法です。2時間や3時間ぶっ続けで仕事をすると、集中力が途切れ仕事の効率が下がります。

効率が下がるとダラダラと作業時間だけが長くなり、時間内に仕事を終えることができません。集中力を持続させるためには、3時間に1回長い休憩を取るよりも30分から1時間に1回の頻度で5分程度の短い休憩を挟むのが良いとされています。

そのため、こまめな休憩を意識的にスケジュールに組み込むことが必要です。また、5分間の休憩の間に伸びをしたり、屈伸したりなど体を軽く動かすと、気分をリフレッシュすることができ仕事の効率も上がります。

難しい場合には断る

オーバーワークの対処法としては、自分のキャパシティを超える仕事を振られた時に断ることもポイントとなります。

無理をして請け負ったものの期日までに終えられなかったり、重責のストレスからミスをしてしまったりすると、オーバーワークするだけでなく周りに迷惑をかけることになります。

それなら最初から難しい仕事は断り、余裕のある人に振るほうが得策です。

断るのが苦手な場合は、〇月〇日以降なら着手できますが、それでよければ対応させていただきますと伝えると、ほとんどの場合は他の人に仕事が振られることになります。

難しい仕事をこなすために休日返上で働いたり、毎日残業したりすると、ストレスがたまり心身のバランスを崩す恐れがあります。無理して引き受けないようにしましょう。

決まった時間には必ず退勤し、睡眠をしっかりとる

仕事が終わらないからといって定時を過ぎても仕事をしていると、疲れやストレスがたまり仕事の効率が下がります。

オーバーワークをしないためには、定時になるときちんと退勤し、次の日にしっかり働けるように十分な睡眠をとることが大事です。

睡眠不足は疲労感やストレスの原因となり、作業効率を下げオーバーワークを加速させてしまいます。定時に帰って休息を取り、心身ともにリフレッシュすることで高いパフォーマンスで働くことができます。

また、十分な睡眠をとり心身ともに充電すると精神状態も安定するので、精力的に仕事に打ち込めるようになるでしょう。

睡眠をしっかりとるためには、睡眠環境を整えることも大事です。カフェインの摂取を避けたり、スマホやパソコンを触らないようにしたりなど、就寝前に神経が高ぶらないように注意する必要があります。

ゆったりと湯船に浸かったり、リラックスできる音楽を聞いたりすると、気持ちよく入眠でき睡眠の質も上がります。

その他

そのほかには、友達や家族に仕事の不満を聞いてもらうのも間接的にオーバーワークを回避することに繋がります。

不満や愚痴を聞いてもらうことで直接的にオーバーワークを改善することはできませんが、心に溜まった鬱憤を吐き出すことでストレス解消になります。

ストレスがないと精神状態も安定するため、オーバーワークの様々な症状が現れるリスクが少なくなります。

また、不満や愚痴を口に出すことで本当の自分の気持ちがわかり、身の振り方についてしっかり考えるきっかけにもなるでしょう。

転職する

オーバーワークの原因が自分に起因している場合は努力次第で改善することが可能ですが、労働環境に起因している場合はどれだけ自分が努力をしてもオーバーワークに対処することは難しくなります。

どうしてもオーバーワークを改善できそうにないなら、転職することを視野に入れるのもありです。

転職先を探すのが面倒と感じるかもしれませんが、転職エージェントを利用すれば自分に合う働きやすい職場を紹介してもらえるので安心です。

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