三交代制はどのような働き方?三交代制が多い仕事と特徴を解説
求人票などで三交代制という表記を見たことがある方は多いのではないでしょうか。
三交代制は交代制勤務の働き方の一つで、様々な職場で導入されています。
一方で、「日勤夜勤の二交代制なら知っているけど、三交代制はよく分からない」という方もいるでしょう。そこで、本記事では三交代制の働き方やメリット・デメリット、三交代制が多い仕事などについて解説していきます。
三交代制とは
三交代制とはシフト勤務の一種で、1日24時間を8時間ずつに区切り、3つのシフトで交代して働く勤務形態のことを指します。
3つのシフトは時間帯によって日勤・準夜勤・夜勤、あるいは早番・中番・遅番と呼ばれます。
基本的に三交代制の職場では、1週間ごとにシフトをローテーションすることが多いです。ただし、中には日勤のシフトに入らず、夜勤のシフトのみに入る夜勤専従で働く人もいます。
二交代制もシフト勤務の一種ですが、シフトの区切り方が異なります。二交代制は、24時間を日勤と夜勤の2つのシフトに分けて分業する働き方です。
労働基準法では原則として1日の法定労働時間は8時間までとなっているため、残業などで対応しない限り、二交代制では空白の時間が発生します。
一方で、三交代制なら24時間を8時間ずつ3つのシフトでカバーできるため、空白時間が発生しにくいです。そのため、24時間稼働している商業施設や医療現場などで導入される傾向にあります。
三交代制がある仕事
三交代制を採用している仕事には「24時間稼働する必要がある」など、三交代制を取らなければいけない事情があります。
それでは、三交代制がある仕事は具体的にどのような仕事なのでしょうか。代表的な仕事を幾つかご紹介していきます。
コンビニ
コンビニは三交代制を導入している職場が多い仕事です。コンビニは24時間年中無休で営業している店が多いため、深夜や早朝でもお客さまへの対応が途切れないようにする必要があります。
そのため、24時間スタッフを配置できる三交代制を導入している職場が多いです。もちろん、全てのコンビニが三交代制を導入している訳ではありません。
コンビニの多くは、オーナー個人が本部のコンビニチェーンとフランチャイズ契約を結び、運営しています。
しかし、オーナー側の判断で時短営業ができる契約形態もあるため、24時間営業ではないコンビニも存在します。24時間営業ではないコンビニの場合は、三交代制を導入していないでしょう。
医療関係の仕事
三交代制がある仕事の一つとして、医療関係も挙げられます。医療関係の中でも三交代制が多い傾向にあるのが、入院患者を受け入れている病院や夜間救急外来のある病院などです。
こうした施設は24時間体制で患者への対応が必要となるため、三交代制を導入しています。また、入居型や宿泊型の介護施設でも24時間体制で利用者への介助が必要となるため、三交代制を取り入れるケースが見られます。
ちなみに、日本医療労働組合連合会の「2019年度夜勤実態調査」で、24時間交替制勤務の医療施設を対象に勤務形態の調査を行いました。
これによると、三交代制の施設が42.8%、二交代制の施設が20.9%、三交代制と二交代制の混合型が36.3%となっています。つまり、24時間体制の医療施設では三交代制が主流と言えるでしょう。
マンガ喫茶
マンガ喫茶も三交代制が多い仕事の一つです。マンガ喫茶には名前通りマンガを多数揃えた喫茶店もありますが、軽食や個人用ブース、仮眠スペースやシャワーなどを備えた店もあります。
仮眠スペースやシャワーなどがある店は、簡易的な宿泊所として終電に乗り遅れた人などが始発を待つ間の仮眠に利用する場合もあります。
このような深夜から早朝の利用者に対応するため、マンガ喫茶は24時間営業の店が多く、三交代制を導入している店も多くなっています。また、インターネットカフェにも個人用ブースや仮眠スペースがある施設が多いため、24時間営業で三交代制の店が多い傾向にあります。
システムエンジニア
システムエンジニアは、システム設計や開発を行う職種です。そして、システムエンジニアにも三交代制で働いている人がいます。
まず、システムエンジニアにはシステム開発の一連の作業を担当するアプリケーションエンジニア、データベースの構築・維持管理・運用を担うデータベースエンジニアなど様々な種類があります。
中でも、三交代制が多い傾向にあるのがインフラ系エンジニアと呼ばれるエンジニアです。インフラ系エンジニアは、サーバやネットワークなどの情報システムの基盤となるITインフラの開発や運用、保守などを担う職種です。
そのため、インフラ系エンジニアはサーバやネットワークにトラブルが発生した時でもすぐに対応できるように、24時間体制で備えています。その結果、三交代制での勤務が多い傾向にあります。
警察官・消防士
警察官や消防士も三交代制がある仕事の一つです。警察官は事件や事故が起きた場合、すぐに現場に向かう必要があります。事件や事故はいつ起きるか分からないため、2三交代制で備えている場合が多いです。
また、消防士は火災の際に消火活動を行ったり、災害・事故現場から怪我人を救出します。警察官と同様に火災や事故・災害時はいつ起きるかわからず、また緊急時にすぐに現場に駆けつけるために、消防士も三交代制で備えています。
工場勤務
ご紹介した5つの仕事以外で、三交代制がある仕事として工場が挙げられます。製造業などでは多くの工場が生産ラインを常時稼働させています。
24時間の生産体制を維持するために、工場でも三交代制が採用されていることがほとんどです。また、電気やガス、水道・道路などのインフラ関係の企業も三交代制を採用している場合があります。
インフラ関係の企業は、地震や台風などで緊急事態が発生した際にすぐにインフラ設備の点検や修理ができるように、24時間体制を敷いていることが多いです。そのため、三交代制を採用する職場が多くなっています。
三交代制のメリット
三交代制は24時間体制を維持したい企業側だけでなく、働く従業員にもメリットがあります。そこで、ここでは三交代制のメリットについてご紹介していきます。
平日昼間に自由な時間を作れる
三交代制のメリットの1つとして、平日昼間に自由な時間を作れる点が挙げられます。三交代制のシフトは日勤・準夜勤・夜勤の3つがあり、日勤は主に朝から夕方にかけて働き、準夜勤は主に夕方から深夜にかけて働き、夜勤は主に深夜から朝にかけて働くことになります。
つまり、準夜勤か夜勤のシフトに入れば、平日でも昼間に自由な時間を作ることが可能です。銀行・役所などは土日や祝日は休みの場合が多く、平日でも窓口業務は夕方には閉まってしまいます。
三交代制なら平日昼間に自由な時間を作れるため、有給を使わずに銀行や役所を利用できます。休日だと混雑している観光地や商業施設でも平日なら人が少ない場合が多いため、混雑のストレスを感じずに楽しめるでしょう。
残業が発生しにくい
残業が発生しにくい点もメリットとして挙げられます。なぜなら、三交代制は各シフト担当者の勤務時間がきっちりと決められている勤務形態だからです。
例えば、24時間営業しているコンビニで8時間勤務の人が三交代で働いている場合、特にトラブルが起きなければきっちり8時間で仕事が終わります。
もちろん引き継ぎの時間が遅れたり、長引いたりすると残業が発生する可能性はありますが、シフトの引き継ぎは勤務時間が終わる30分ほど前から行われる場合が多いです。
そのため、基本的にはスムーズに次のシフト担当者へ作業の内容や進捗状況などが引き継がれます。このように三交代制は残業が発生しにくい仕組みですので、プライベートを充実させたい方やダブルワーク(2つの仕事を掛け持ちして働くこと)したい方などにおすすめです。
手当で給与が高くなりやすい
三交代制は手当で給与が高くなりやすい傾向にあります。なぜなら、三交代制で準夜勤や夜勤のシフトを担当すると、深夜割増賃金が加算されるからです。
深夜割増賃金とは、22時~5時までの時間帯の労働に対する割増賃金を指します。深夜割増賃金は労働基準法で定められている賃金ですので、不払いは労働基準法違反です。
具体的な金額も法律で定められており、基礎賃金の25%以上を割増賃金として払う必要があります。例えば、時給1,000円の職場で22時~5時の時間帯に働いた場合、1,000円×1.25で1,250円が深夜割増賃金を上乗せした時給となります。
深夜割増賃金は法律によって支払うことを義務付けられた手当ですが、職場によっては深夜割増賃金に加えて夜勤手当や交代勤務手当が加算されることもあります。このように、三交代制では様々な手当が加算される可能性があるため、給与が高くなりやすいです。
三交代制のデメリット
三交代制には様々なメリットがある一方、デメリットも存在します。三交代制の職場で働くことを希望しているのであれば、デメリットについても理解しておきましょう。
生活リズムが乱れる
三交代制のデメリットとして、生活リズムが乱れやすい点が挙げられます。三交代制を導入している職場の多くは、日勤・準夜勤・夜勤のシフトを一定期間でローテーションします。
週によって起床時間や就寝時間、食事のタイミングなどが異なるため、生活リズムが乱れやすいです。生活リズムが乱れると眠気を感じやすくなったり、疲れが取りにくくなる恐れがあります。
それによってストレスが溜まり、体だけでなく精神にも負担がかかる場合もあるでしょう。
変則的な生活のリズムに慣れてしまえば、ストレスを感じずに働けるかもしれませんが、働き始めた直後は慣れるのが大変です。そのため、三交代制で働く場合は休めるときにしっかり休む、ストレスを溜めないようにするなどの対策が重要です。
家族や友人と時間を合わせるのが難しい
家族や友人と時間を合わせるのが難しい点もデメリットの1つです。三交代制は基本的に毎週異なるシフトで働くことになるため、シフトが決まるまでは予定が立てづらく、家族や友人と時間を合わせるのも難しくなります。
特に準夜勤・夜勤のシフトを担当する週は、日勤で働いている家族や友人とのスケジュール調整が難しいでしょう。
1人で過ごすのが好きな方にとってはデメリットにならないかもしれませんが、家族や友人との時間を大切にしたい方にとっては大きなデメリットになる可能性があります。
土日・祝日も働く場合がある
土日・祝日も働く場合がある点もデメリットとして挙げられます。三交代制を導入している職場は工場や警察、病院など24時間年中無休で稼働している場所が多いです。
そのため、シフトによっては、土日・祝日も働く場合があります。土日・祝日も働くとなると、家族や友人と過ごす時間が取れない恐れがあります。
また、ライブなどのイベントは土日・祝日に開催される傾向にありますので、仕事の影響でイベントに参加できない可能性も考えられます。
そのため、色々なイベントに参加したい、アクティブな人にとってはデメリットになるでしょう。一方、平日でも休みが取れるため、平日開催のイベントなら参加しやすくなる可能性があります。
三交代制で働く上でのポイント3選
ここからは、三交代制で働く上でのポイントを3つご紹介していきます。
睡眠の質を意識する
三交代制は睡眠の質が低下しやすいため、睡眠の質を意識することが重要です。なぜ睡眠の質が低下しやすいのかというと、まず三交代制で働いていると睡眠時間がバラバラになり、不規則になってしまいます。
不規則な生活では体内時計が狂いやすく、体内時計が狂うとメラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌量が減ると言われています。その結果、睡眠の質が低下しやすいです。
特に睡眠の質が低下しやすいのが日中です。基本的に就寝時に音や光などの外部からの刺激を受けると睡眠は浅くなり、眠りの質が下がる傾向にあります。
日中は日光や周りの生活音で刺激が多いため、睡眠の質が低下しやすいのです。加えて、三交代制は勤務体系によっては日中に長時間の睡眠を取る必要があります。
そのため、三交代制で働く際は日中に質の良い睡眠が取れるかどうかが体調管理を行う上でも重要と言えます。
具体的な対策としておすすめなのが、アイマスクや耳栓などで音や光を遮断して眠ることです。外部からの刺激が多い日中でも、アイマスクや耳栓などで外部からの刺激を少なくすれば、眠りの質は上がる可能性があります。
アイマスクや耳栓に加え、遮光性や防音性の高いカーテンを利用すれば更に効果的です。この他の対策として、就寝前に覚醒作用のあるカフェインの摂取を避ける、寝る前にストレッチなどで身体を適度に動かすなどが挙げられます。
家族や友人と過ごす時間を確保する
家族や友人と過ごす時間を取れず、仕事以外の会話がなくなるとストレスに感じる方もいます。ストレスを溜め込まないためにも、家族や友人と過ごす時間を確保することが大切です。
三交代制は準夜勤や夜勤があったり土日・祝日の出勤があるため、家族や友人とのスケジュール調整が難しいのは事実ですが、シフトの相談という形である程度の希望は聞いてもらえる可能性があります。
どうしても家族や友人との予定を優先したい場合は、シフト変更などを希望して他者と関わる時間を確保するようにしましょう。
ストレス発散方法を見つける
三交代制は生活が不規則になったり、人と会う時間が減るためストレスも溜まりやすくなります。ストレスを溜め込まないように誰かに相談したり、家族や友人に愚痴をこぼしたりできれば良いですが、三交代制はどうしても仕事以外は一人の時間が多くなりやすいです。
そのため、自分1人でできるストレス発散方法を見つけることも仕事を続ける上での重要なポイントとなります。例えば、映画鑑賞や読書、釣りなど1人でできる趣味があるなら、趣味に没頭する時間を作ることでストレス解消に繋がるでしょう。
また、美味しいものを食べるのも効果的です。おいしいものを食べたときなどはβ-エンドルフィンと呼ばれる神経伝達物質の一種が分泌されると言われています。
β-エンドルフィンには不安や緊張を和らげ、幸福感をもたらす効果が期待できると言われているため、ストレス解消に繋がる可能性があります。
ウォーキングやジョギングなどもストレス発散に効果的です。ウォーキングやジョギングのような一定の動きを繰り返すリズミカルな運動をすると、心に安らぎをもたらす効果が期待できる神経伝達物質のセロトニンが分泌されると言われています。
日光を浴びることでもセロトニンが増えると言われていますので、太陽の光を浴びながらウォーキングするのもおすすめです。
まとめ
三交代制がどういう働き方か理解できたでしょうか。三交代制は空白時間が発生しにくいため、24時間体制の仕事で多く採用されています。
また、働く側にも残業が発生しにくい、手当で給与が高くなりやすいなどのメリットがありますが一方で、生活リズムが乱れるなどのデメリットもありますので注意が必要です。
三交代制の仕事に就くなら、こうしたメリット・デメリットを踏まえた上で働くことが重要です。
もし、メリット・デメリットを理解した上で三交代制の仕事に興味があるなら、転職エージェントの活用をおすすめします。
転職エージェントではアドバイザーに給与やシフト体制などの希望条件を伝えれば、その条件に合った求人を紹介してもらえるため、自分にあった求人に出会うことが可能です。
私たち第二新卒エージェントneoでも、第二新卒をはじめとした20代の方向けに就職・転職のサポートを行っています。シフト体制などの細かい条件にも対応可能ですので、自分に合った求人を見つけたいという方はお気軽にご相談ください。
おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。
しかしどうしても自分の良いところや強みがわからないときにはぜひ、私たち第二新卒エージェントneoに頼ってください。これまで多数の内定者を輩出した確かな実力を持ってあなたの性格を分析、そして安心して働ける求人をご紹介致します。共に楽しい仕事探しを成功させましょう!