異動先の挨拶はどうするのがベスト?実際に使えるメール例文など紹介
企業に勤めていると、社内で別の部署に配属される「異動」を経験する人も多いです。異動の際は今の職場や異動先に挨拶するのが通例となっています。
しかし初めての異動で勝手が分からず戸惑ってしまうというケースも珍しくありません。異動の挨拶は周りに与える第一印象に直結するため、スマートにこなしたいところです。
そこで本記事では異動の挨拶について基本マナーを押さえつつ、メールやスピーチに使える例文もご紹介します。
異動するときの挨拶マナーと注意点
社内に対してのことであるとは言え、異動においてもビジネスマナーをしっかりわきまえておくことが社会人として重要です。
しかし異動は人生においてそう頻繁に経験するイベントではないため、正しい振る舞い方を知らないという人も多いでしょう。まずは自身の異動における基本的な挨拶のマナーや注意点についてお伝えしていきます。
挨拶は正式な辞令が出てからする
どのタイミングで挨拶すべきか迷ってしまいがちな異動ですが、ビジネスマナーにおいて異動の挨拶は「正式に辞令が出てから行う」のが原則とされています。
まず始めに、企業が従業員に異動の指示を出す場合は「内示」と「辞令」という2つのステップがあることを覚えておきましょう。
内示とは異動を正式に公表する前段階で、異動する当人だけにその事実を伝えることです。異動はオフィス内で勤務する場所が変わる他、担当する業務内容も大きく変わります。
したがって当人が業務を整理したり、心の準備を整えたりするための準備期間を確保するために内示を行うのです。異動以外では役職が変更になる際にも内示が行われるケースがあるので留意しておきましょう。
正式な辞令が出るまで挨拶すべきでない理由には、「引き継ぎのタイミング」が挙げられます。通常、異動によって自分が抜けた部署・部門には後任者が割り当てられるのが一般的です。
新しく人員が配属されることもあれば、同じ部署の人間が業務を引き継いでくれるケースもあります。後任者には適切なタイミングで自分が担当していた業務を引き継いで、仕事にタイムロスを生み出さないことが大切です。
辞令が正式に公表される前に挨拶を済ませてしまうと、その段階で業務の引き継ぎに向けて部署が動き出してしまう可能性があります。
内示から実際の異動まではある程度期間が空いているため、引き継ぎを始めるには早過ぎるのです。社内の混乱を避けるためにも、挨拶は正式に辞令が出てからにしておきましょう。
また、内示の段階で通達された異動の内容はあくまで仮決定であるという意識も持っておきましょう。社内全体で大掛かりな人事異動を行う場合、稀に内示の後で細かい調整が入るというケースもあります。
特に異動対象者と人事担当者が相談しながら話を進める場合は、早とちりをして口外してしまうと余計な混乱を招き兼ねません。人事に関する情報は機密事項にあたるので、慎重に扱うよう心がけてください。
挨拶すべき相手や内容が変わってくる可能性もあるため、辞令として確定するまで挨拶は控えておくのが無難です。
内示を受けた時点で人事担当者に「いつ周りに伝えるべきか」「正式な辞令発表はいつか」などを確認しておくと安心と言えるでしょう。
メールの一斉送信はなるべく避ける
異動の挨拶は口頭で直接行う他にも、対面で伝えることが難しい人にはメールを送信する場合があります。この時、基本的に挨拶のメールはまとめて一斉送信するのではなく個別に送るようにしましょう。
ビジネスでは自分の部署内や社内の他部署、外部の取引先など様々な人と関わり合いながら仕事を進めていくのが一般的です。
自分と相手との関係性にも様々な形があるため、お世話になった内容もそれぞれ異なります。一斉メールで送信してしまうと個々の相手に自分の誠意や気持ちが伝わりにくいのです。
しかし現実問題として、仕事で関わった人の数が多過ぎて全員に個別送信するのが難しいというケースもあるでしょう。特に社内の調整役や取引先との橋渡し役となる営業・広報などではその傾向が顕著です。
個別の挨拶メールを作成しきれない場合は、優先順位を設けて一斉送信と個別送信を使い分けても問題ありません。
直接面識がない・関わった回数の少ない・遠方で会うのが難しいといった相手については、一斉送信で対応しましょう。
テンプレートをそのまま流用したような文面よりも、定型分を参考にしつつも自分なりの言葉でアレンジするのがおすすめです。また、一斉送信の宛先はBCCを用いて隠すのがマナーとなっています。
BCCは「ブラインドカーボンコピー」の頭文字を取ったものであり、メールを受け取った人に他の受診者の情報が見えない機能です。
挨拶の目的をわかりやすく
異動の挨拶を行う際は「目的」と「対象者」を自分の中で分かりやすく整理しておきましょう。
たくさんの人に異動の挨拶が必要となる場合、頭の中が混乱して誰に何を伝えれば良いのかが分からなくなってしまいがちです。
異動が決まっても今の仕事が止まる訳ではないため、忙しい合間を縫って挨拶の内容を考えることになります。
ケアレスミスで相手と関係のない話題を挨拶に盛り込んでしまうと失礼にあたるため、準備段階から挨拶の目的と相手を分かりやすく結び付けておきましょう。
ちなみに、異動の挨拶をしておく相手は大きく分けて「今の所属部署の人」「次の配属先の人」「取引先」の3パターンになります。
目的という意味では、挨拶の際に「ネガティブな要素を含めない」という点も重要です。異動の挨拶は自分が担当を外れてしまうことを惜しむためのものではありません。
あくまでも異動の事実と、今までの感謝の念を伝えて良好な関係性を維持することが基本的な目的です。ネガティブな挨拶は相手に不快な思いをさせてしまう可能性がある上、自分や自社のイメージを損なうリスクもあります。
もしも異動の内容に不平不満を抱いていたとしても、「残念ですが」「不本意ではありますが」といったワードは挨拶に盛り込まないようにしましょう。
お礼と後任者は必ず伝える
今までお世話になった部署や取引先に向けた異動の挨拶で必ず伝えておきたいのは、「お礼」と「後任者」の2点です。
仕事は自分一人の力ではなく、社内外の人間との協力関係で成り立っています。時には同僚や上司にサポートしてもらったり、取引先に気を遣ってもらったりといったこともあるでしょう。
今まで自分が仕事を全う出来たのは、周囲の存在や環境があってこそのものだという謙虚な姿勢を忘れないことも大切です。
異動して自分と相手の間に直接的な関係がなくなったとしても、何らかの形で接点が残っているというケースは珍しくありません。
また、取引先については会社同士の付き合いとなるため、自分の振る舞いが自社のイメージに直結するという意識を持っておきましょう。異動に際してしっかりとお礼の意を伝えておくことで、今後も良好な関係性を保てるようになるのです。
後任者を簡単に紹介しておくことも、今後の仕事をスムーズに進めていくために重要なことです。
例えば社内で連携を取っている他部署の担当者に後任を紹介しておけば、引き継ぎ後の連絡に困る心配がありません、お世話になっていた取引先に後任者を伝えておくことも忘れないようにしましょう。
取引先へは後任者が後々直接挨拶するのが通例となっていますが、自分が前もって簡単な紹介を済ませておけば後任者が取引先との関係を構築しやすくなります。
取引先からしてもどんな人が後任になるのかが早い段階で分かるため、不安が小さくなると言えるでしょう。自分が担当から外れた後のことまでしっかり考慮しておくのも、異動時のマナーです。
【ケース別】挨拶メール例文
異動の挨拶をメールで行う場合は、文面をよく内容を確認してから送信するようにしましょう。メールには表情や声のトーンが存在しないため、感謝の気持ちを正確に伝えるためには文章に工夫を凝らすことが重要です。
文面の構成要素としては「件名」「挨拶」「用件」「詳細説明」「結び」「書名」の6つが挙げられます。以下にケース別のメール例文を紹介するので、アレンジの参考にしてみてください。
異動先の部署に向けて
異動先に向けての挨拶では、「自分がどのような人間で」「いつから一緒に働くのか」「新天地での意気込み」の3つを押さえておくことが大切です。
新しいスタッフが配属される部署としても、その異動によって今までとは環境が変化することになります。そういった不安を取り除いて自分を受け入れてもらうためにも、異動の挨拶で緊張をほぐしておきましょう。
件名:着任のご挨拶
〇〇部各位
お疲れ様です。この度の異動により、〇〇月〇〇日付で△△部から〇〇部に配属となります〇〇と申します。よろしくお願いいたします。
前職の△△部では△△の業務を担当しておりました。これまでの経験を活かし、いち早く皆様のお役に立てるよう〇〇部での仕事での業務に邁進する所存です。不慣れで至らない点もあるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
以下は緊急の連絡先となりますので、着任前のご用件などはこちらまでご連絡ください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
【部署・氏名】
【電話番号】
【メールアドレス】
現在の部署に向けて
異動前の所属部署では「今までのお礼」「印象的なエピソード」「後任の担当者」の3つが重要な要素となります。
感謝の気持ちと共に具体的なエピソードを盛り込んでおくと、これまでの仕事に対して真剣な姿勢で取り組んだことをアピール出来るでしょう。後任者の氏名を記載して部署内の業務連絡をフォローしておくことも大切です。
同じ部署内であれば直接挨拶するケースも多いので、メールで挨拶を済ませる場合はその旨について一言お詫びを入れておくようにしましょう。
件名:異動のご挨拶
△△部の皆様
お疲れ様です。〇〇です。
私事で恐縮ですが、この度〇〇月〇〇日付で〇〇部へ異動することになりました。
△△部在職中には〇〇プロジェクトを担当し、貴重な経験をさせていただきましたことをここにお礼申し上げます。△△部で学んだことを糧に、〇〇部でもお役に立てるよう精進していく所存です。
なお、異動後の業務は後任の〇〇(氏名)へ引き継ぎますので、今後は〇〇までご連絡いただければ幸いです。
【〇〇連絡先:電話番号・メールアドレス】
本来であれば直接ご挨拶に伺うところ、メールでのご連絡になることお詫びいたします。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
【部署・氏名】
【電話番号】
【メールアドレス】
お世話になった取引先に向けて
社外の取引先に対しては、失礼のないように文面をまとめることを強く意識しておきましょう。重要となる部分は「今までのお礼」「後任者の紹介」「直接挨拶出来ないことへのお詫び」など、現職の部署内へメールする場合とあまり変わりません。
個人的なエピソードを盛り込むよりも、簡潔に要点をまとめる方が先方も分かりやすいのでおすすめです。取引先への連絡は先方の担当者に送信するのが一般的なため、担当者名も忘れず記載するように気を付けましょう。
また、引き続き自社と良い関係を続けてもらえるような結びにしておくと印象が良くなります。
件名:異動のご挨拶
株式会社□□
□□様
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇でございます。
私事で恐縮ですが、〇〇月〇〇日付で〇〇部へ異動となりました。
弊社の〇〇が後任を担当させていただきます。万全を期して引き継ぎをいたしますので、何卒よろしくお願いいたします。
【〇〇連絡先:電話番号・メールアドレス】
本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところを、メールにてご挨拶とさせていただくことをお詫び申し上げます。
□□様には格別のお取り計らいをいただき、私にとって貴重な体験となりました。誠にありがとうございます。今後とも弊社に変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
【部署・氏名】
【電話番号】
【メールアドレス】
異動初日のスピーチはどう話すのが正解?
口頭での挨拶はお世話になった人たちへ個別に行う他、現職・異動先の各部署でスピーチをするケースもあります。事前に準備をしておかないと、当日いきなりスピーチを考えることになるため注意が必要です。
異動先でのスピーチのポイントは主に下記の2点になります。
話は長すぎず1~2分以内で
異動の挨拶でスピーチを行う場合、話を詰め込み過ぎないように気を付けましょう。スピーチは異動初日の朝礼で行われるケースが多く、長引くと始業にも影響が出てしまいます。
時間にゆとりがあったとしても、初対面から話が長い人というのはあまり印象が良くありません。自分が絶対に伝えておきたいことは、1つか2つに絞りましょう。
スピーチの時間は1~2分、文字数にすると300文字前後でまとめるのがおすすめです。準備段階で原稿をメモ帳に書き出し、実際に話す時間を計ってみてください。
趣味や好きなことを交えて親近感を
異動先でのスピーチでは、趣味や好きなことについて軽く触れておくと親近感を持ってもらいやすくなります。
趣味嗜好には人となりが表れやすく、異動先のスタッフに自分という人間を紹介するのにうってつけです。
新しく配属された人に対してはきっかけがないと中々話しかけにくく、部署内で上手くコミュニケーションを取れるようになるまで時間がかかるというケースも少なくありません。
第一印象からとっつきやすいイメージを持ってもらえれば、今後のやり取りがスムーズになる可能性が高まるでしょう。
参考までに、下記へスピーチ例を掲載いたしますのでぜひご活用ください。
現職部署に向けてのスピーチ例
皆様おはようございます、〇〇です。この度、〇〇月〇〇日付で〇〇部署へ異動する運びになりましたのでご報告させていただきます。
ここ△△部で、皆様と共に働いた数々の経験が私を成長させてくれました。担当業務では多くの方々にサポートをいただき、感謝の言葉もありません。
今までの経験を活かし、新天地でも精進していく所存です。今後とも会議などで関わりがあるかと思いますが、またご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。
異動先部署でのスピーチ例
皆様初めまして、本日付けで〇〇部配属になりました○○と申します。前職△△部では△△を担当しておりましたが、こちらの部署へは〇〇担当として配属になりました。
大学を卒業後、この会社へ入社して〇〇年になります。趣味は休日にジムへ通うことです。
これまでの経験を活かし、いち早く皆様のお力になれるよう精進してまいります。不慣れな点があるかもしれませんが、どうぞご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
今後のステップで転職を考えるのもアリ?
異動は自分にとって経験値を積み上げる絶好の機会であり、今後のキャリアプランの幅が広がるイベントともいえます。今までお世話になった人たちへの感謝を忘れず、新天地で一層の活躍を目指しましょう。
そのためには、異動に際しての挨拶もしっかりとこなして周囲との円満な関係を維持していくことも大切です。
また、異動によって培ったノウハウを活かして今後の転職を検討してみるのも良いでしょう。転職によってキャリアアップや年収アップを実現する人は少なくありません。
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おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
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