寿退社のメリットとデメリットとは?結婚で退職する場合に知っておきたい流れやポイント
結婚を理由として仕事を辞めることを一般に寿退社と言いますが、それにはメリットとデメリットがあります。そのため、寿退社をするかどうかを決めるにあたっては両者をしっかりと比較検討しなければなりません。
そこで以下では主なメリットとデメリットを紹介した上で、結婚によって退職する場合に押さえておきたい流れやポイントについても見ていきますので、将来的に寿退社も視野に入れているという方はぜひ参考にしてください。
寿退社のメリット・デメリット
まずはじめに、寿退社のメリットとデメリットとして考えられるものをいくつかピックアップして見ていくことにします。
一見するとメリットばかりが目立つ寿退社ですが、意外に大きなデメリットも隠れているので、仕事を辞めてから後悔しないためにもどういったものがあるかを把握しておくようにしましょう。
寿退社のメリット
家事などに専念できる
寿退社のメリットとしてまず挙げることができるのは、仕事をしなくて良くなるので、空いた時間を使って家事や育児などに専念できるようになるという点です。
仕事をしながら家事や育児を完ぺきにこなすというのは並大抵の努力では困難ですが、寿退社をすれば時間に余裕ができる分だけ家庭内で多くのタスクをこなせるようになるでしょう。
家族と一緒に過ごす時間を確保できる
家にいる時間が長くなる分だけ、家族と一緒に過ごせる時間を確保しやすくなるというのも、寿退社のメリットであると言えます。
特に、配偶者が時間が不規則な仕事をしているような場合には、共働きをしているとほとんど顔を合わせるタイミングがないという事態にも陥りかねません。
寿退社をすれば夫婦の時間が取れるようになるので、お互いが何を考えているか分からなくなるといったことも起きにくくなるのです。
仕事を辞める理由になる
仕事を辞める理由として使いやすいというのも寿退社のメリットと言えるかもしれません。仕事が嫌で早く辞めたいと思っていても、些細な理由しか提示できないと強い引き留めにあって簡単に退職させてもらえないというケースは少なくありません。
この点、結婚が退職の理由であれば会社側としてもそう易々と引き留めにくくなりますので、仕事を辞めるうえで寿退社は強力な武器として使えるのです。
寿退社のデメリット
孤独を感じやすくなる
寿退社のデメリットとして、家に一人で過ごすようになって孤独を感じやすくなるという点が挙げられます。
これまで上司や同僚と一緒に賑やかに仕事をしていた環境から、誰もいない室内で過ごすことになるので、場合によっては社会から取り残されたように感じる人も少なくないようです。
慣れれば気にならなくなるかもしれませんが、特に寂しがり屋の方は家で一人になっても大丈夫かを考えた上で寿退社するか同かを決めると良いでしょう。
世帯収入が減ってしまう
夫婦の一方の収入がなくなることによって、世帯収入が減少してしまうというのも、寿退社のデメリットです。
減った分はパートで補うという方もいるかもしれませんが、正社員と同水準の収入をパートで得るのは容易ではありません。
配偶者がそれなりに稼いでいるのであれば問題ないかもしれませんが、将来に備えて貯蓄を増やしておきたいのであれば、当面は寿退社をせずに共働きでいくというのも一案です。
再就職しにくくなる
かつてに比べて転職がしやすくなったといっても、無職の人が希望する職業に就くというのはそれほど簡単なことではありません。
一度寿退社をしてしまうと、次に就職するときは無職の状態から仕事を探すことになるので、思った以上に再就職しにくくなる恐れがあるという点を頭に入れておかなければなりません。
もちろん、専門的な資格を有していたり、他人が持っていないようなスキルを有しているような場合には、多少ブランクがあっても再就職に困らないというケースはあり得ますが、一般的には寿退社をしてしまうと再就職が難しくなるので、それもデメリットの一つとして念頭に置いておく必要があります。
結婚で退社する際の流れとポイント
結婚を機に退社する場合には、辞めるまでに様々なプロセスを経る必要があります。
それぞれについて注意すべきポイントがありますので、ここでは一連の流れを見た上で、押さえておきたいポイントについても併せて説明しておきます。
退職の意思表示を行う
寿退社を決めたら、まず最初に退職の意思表示を行う必要があります。意思表示は基本的には直属の上司に対して行うのがセオリーです。
上司を飛ばして直接人事部に伝えてしまったりすると、上司との関係が悪化してスムーズに退職できなくなってしまう恐れがあるので、くれぐれも話す相手を間違えないようにしましょう。
また、一般的には退職の意思表示は就業規則などで1か月前までにすれば良いとされていることが多いですが、会社としては退職者が出たら補充を考えなければならないため、なるべく早めに寿退社をする旨を伝えるようにした方がベターです。
悶々とした日々を過ごすことになりかねないので、あまり早くに伝える必要はありませんが、できれば3か月前くらいには退職したいと上司に言うようにした方が良いでしょう。
所属部署全体、取引先などへ報告する
上司に寿退社の意思表示をして認めてもらったら、スムーズに所属部署内や取引先にその旨を報告するようにしなければなりません。
早めに報告すれば部署内では引継ぎに向けて体制を整えることができますし、取引先としても新たな担当者との関係を構築しやすくなるでしょう。
なお、報告する際には、淡々と辞める旨を伝えるのではなく、これまでの感謝の気持ちを添えるようにするのがおすすめです。
退職したとしても職場の同僚や取引先の担当者とどこかでまた仕事をする可能性はゼロではないので、そういったときに備えて気持ちよく見送ってもらえるように丁寧な報告を心掛けるようにしてください。
引継ぎを行う
部内に報告したら後任者が指名されるはずですので、そうしたらスムーズに引継ぎを行うようにしてください。
社内異動の場合と違って、寿退社の場合は仕事を辞めた後で後任者が分からないことがあっても簡単に質問したりできないため、分かりにくい業務については後から見返せるようにマニュアルを作成するなど、できる限り後任者が不明な点がなくなるようにしっかりとした引継ぎを行うようにしなければなりません。
身の回りを整理する
立つ鳥跡を濁さずということわざがあるように、仕事を辞める場合は、身の回りを綺麗にした上で職場を後にするのがセオリーです。
特に、オフィスに私物がたくさんあるというような場合には、すべて持って帰ろうとすると1日や2日では終わらない可能性もあるので、早めに整理をし始めるようにしてください。
社内や取引先への挨拶回りをする
出社最終日には、お世話になった社内の人や取引先の担当者などに挨拶回りをするのがおすすめです。
もっとも、相手は仕事中のはずですので、邪魔にならないようになるべくランチタイムなどの忙しくない時間帯にお邪魔するようにしてください。
挨拶回りは上司などの目上の人から順番に行くようにし、感謝の気持ちを伝えるためにもちょっとしたお菓子などを渡すとよいでしょう。
貸与物を返却する
挨拶回りが終わったら後はオフィスを出るだけですが、その前に貸与物が手元に残っていたら必ず返却するようにしてください。
特にスマートフォンや入館証などは返すのを忘れがちなので、退勤する前に返却漏れのものがないかどうかを改めてチェックするようにしましょう。
退職後、必要書類を会社から受け取る
退職後に会社から受け取る必要がある書類には、雇用保険被保険者証や年金手帳、源泉徴収票、離職票、健康保険資格喪失証明書などがあります。
これらが手元にないと、失業保険の給付が受けられなかったり、配偶者の健康保険の被保険者になれなかったりするおそれがありますので、後になって困らないためにも、もらい忘れがないかどうかきちんと確認しておくようにしなければなりません。
なお、万が一、しばらくしても必要書類が届かない場合には、会社に問い合わせればすぐに送付してもらえるケースがほとんどです。
しかしながら、中には問い合わせても対応してもらえない場合もあり得ますので、そういったときは直接公共機関に問い合わせて発行してもらうようにしてください。
例えば、離職票や雇用保険被保険者証についてはハローワーク、年金手帳は年金事務所、源泉徴収票は税務署、健康保険資格喪失証明書は市町村窓口や年金事務所に連絡すればすみやかに発行してもらえるはずです。
結婚での退職後に必要な手続き
続いて、結婚によって退職した後で必要になってくる手続きについて説明していきます。
手続きを忘れてしまうと、健康保険の適用を受けられなかったり、将来受給できる年金の金額が少なくなってしまったりしかねないので、そういったことにならないようにするためにも、ここで説明した内容を踏まえて漏れなく手続きを済ませるようにしてください。
健康保険の手続き
結婚によって退職した場合には、自分の収入がなくなることから、多くの場合には配偶者の健康保険の被保険者となります。
その際、被保険者の保険料は、配偶者が加入している健康保険から一括して拠出されるようになっているので、配偶者1人分の保険料を負担するだけで加入することが可能です。
被保険者になるための手続きは、退職日の翌日から5日以内に、配偶者の勤務先の健康保険組合(無い場合は社会保険事務所)において行う必要があります。
必要な書類は組合によって異なりますが、一般的には健康保険被扶養者届または国民年金第3号被保険者関係届に加えて、新姓での印鑑や年金手帳などを用意しなければならないので、あらかじめ何が要るか確認しておくようにしましょう。
年金の手続き
寿退社をした場合には、健康保険と併せて年金の手続きもしなければなりません。ただし、通常は健康保険の手続きを行って被保険者になると、自動的に国民年金に加入することになるので、特別な手続きを行う必要はありません。
国民年金の被保険者には第1号から第3号まであり、このうち寿退社をした人は通常は第3号被保険者となります。第3号被保険者は保険料の納付は不要とされているため、追加で何らかの負担が強いられることはありません。
なお、第3号被保険者になることができるのは、年収が130万円以下の人に限られます。
もし、パートやアルバイトなどをしてそれ以上の収入を得た場合には、自ら手続きをして第1号被保険者または第2号被保険者になる必要が生じるという点に注意しなければなりません。
その場合には、保険料の納付義務が発生しますので、そういった負担を避けたいのであれば年収が130万円を超えないようにしましょう。
雇用保険(失業保険)の手続き
寿退社後に雇用保険の失業給付(失業保険)を受ける場合には、ハローワークに離職票と受付票を提出して求職の申し込みを行った上で、土日祝日を含む7日間の待期期間を経て、雇用保険説明会に出席しなければなりません。
待期期間満了の翌日から2カ月の間は給付制限によって給付を受けることはできませんが、その後は4週間に一度の頻度で失業認定日にハローワークに出向けば、1週間ほどで給付を受けられるようになります。
なお、失業保険をもらっている間は、配偶者の被保険者になることができないので、その点には留意する必要があります。
税金の手続き
寿退社をした場合には、特段の税金の手続きは必須ではありません。
ただし、退職した年において1か月以上給与をもらっていない期間があるという場合には、所得税を多く払いすぎてしまっていることから翌年に確定申告を行うことによって過払い分の所得税の還付が受けられます。
確定申告の期間は毎年2月中旬から3月中旬になっているので、忘れないように手続きを行うようにしてください。
確定申告書や源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、社会保険料等の控除証明書を用意して、居住地を管轄する税務署において申告を行えば、しばらくしてから還付金が振込まれるはずです。
確定申告を行わないと還付金は支払われませんので、過払い分の所得税がある場合には忘れずに手続きを行うようにしましょう。
結婚新生活支援事業費補助金
厳密には、結婚しさえすれば寿退社は必須の要件ではありませんが、新婚生活を始めるにあたって経済的に余裕がないという場合には、一定の要件を満たすことによって最大で60万円までの結婚新生活支援事業費補助金を受け取れます。
ただし、この補助金は、新居の住宅費と引っ越し費用に使い道が限定されており、それ以外の用途で使用することはできません。
なお、申請にあたっての手続きはそれほど難しいものではなく、必要書類を揃え、申請書類に記入した上で、費用明細や領収書とともに所定の窓口に提出するだけです。
ちなみに、今後ブランクを経て転職したいなと考えた場合には転職エージェントの利用が便利です。
おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。
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