転職回数が多い人の職務経歴書を好印象にする書き方|キャリア・スキルをアピールしよう
仕事内容や人間関係が合わない、さらなるキャリアアップやスキルアップを目指したいなどの事情で、転職を繰り返す人は少なくありません。一般的に、転職回数が多いと不利になると言われていますが、実際はどうなのでしょうか。本記事では、転職回数による有利・不利の有無や転職を活かした職務経歴書の書き方などについて見ていきます。
転職回数が多いと不利?
一般的に、転職の回数が多い求職者は不利になるのではないかという意見が多く見られます。
しかし、採用担当者が主に見るのは単純な転職の回数ではなく、その背景や勤務していた期間の長さです。従って、必ずしも転職を繰り返しているからといって、採用されないというわけではありません。
そもそも、何故、転職回数の多さが不利になると考えられているのでしょうか。
何度も短期間で転職をしている人は、その人となりを全く知らない企業からすれば、何か問題がある人物ではないか、採用してもまたすぐに辞めるのではないかという懸念を持たれやすくなるためでしょう。
しかし、転職したことにきちんと理由がある場合には、転職によってスキルや経験の幅が広がったことをプラスに捉えられることもあります。
例えば、前の職場に不満があって辞めたケースでは責任感の欠如やストレスへの耐性、経験不足などのマイナスイメージを持たれがちですが、自分のスキルアップのために異なる分野の業種で経験を積んだ、様々な挑戦ができる企業に魅力を感じたというような前向きな理由で転職をしているケースならば、豊富な経験や積極性を評価されやすいです。
従って、転職多い=不利になるとは一概に言えず、相手に対して転職をした理由や目的、転職によって得られた経験やスキルなどを正しくアピールすることができれば十分にチャンスをつかむことができます。
そのためには、アピールポイントや転職の理由などをきちんと伝えられる職務経歴書を作成する必要があります。
転職回数が多いと記載事項も増えるため、経歴を一部省略する人もいますが、基本的に職務経歴書には全ての経歴を書かなければなりません。わかりやすく、かつ正確で詳細な職務経歴書を作成することが重要です。
転職回数が多い人の職務経歴書の書き方7ポイント
転職回数が多い場合には、記載すべき内容が増えるだけでなく、転職を繰り返したことで何をアピールできるのか、どのような書き方をすれば先方に伝わりやすいかを考えながら職務経歴書を作成しなければなりません。
以下で、転職回数が多い人が職務経歴書を作成するときのポイントについて見ていきましょう。
キャリアに一貫性があることを伝える
様々な業種に転職している場合、同じ職場への定着が期待できないと判断される可能性があります。
企業にとっては、広く浅く経験を積んでいる人材よりも、自分なりの信念をもって転職をしている人材の方がより魅力的に映るでしょう。
そのため、職務経歴書では、今までの転職に一貫性があることを自分の強みとしてアピールする必要があります。
例えば、同じ接客でも受付や販売員、コールセンターなど部署によって注意点や接客の仕方が変わってきます。また、業種によっても対応する相手の年齢や性別、考え方などが変わってくるでしょう。いろいろな職場で接客や営業を経験したことは、営業職に応募した時の強みとなり得ます。
また、事務職で転職を繰り返した場合でも、病院ならば医療事務、法律事務所ならばパラリーガルのように、企業の規模や専門性によって求められる知識やスキルが変わってきます。
同様に、エンジニアとして働く場合でも、勤務先や立場によって求められる知識、スキルが変化していくでしょう。このように、自分の得意分野をさらに掘り下げるための転職であれば、今までの経験を活かして活躍できることがアピールできます。
では、全く分野が異なる仕事を経験してきた場合はどうすればよいでしょうか。
このケースでは、接客や集計作業で顧客のニーズについてのリサーチやコミュニケーション能力を高めたかった、営業や経理など様々な部署で経験を積んで、全体を管理する企画の仕事をしたかったなど、共通点を探してアピールするのがおすすめです。
いずれにしても、転職によって一貫した目的に見合ったキャリアを積んだことが伝われば、大きな強みになるでしょう
転職によりステップアップしたことをアピールする
転職した経験をメリットとしてアピールするには、転職前よりもステップアップしたことを伝えなければなりません。
これは、単純に地位が向上したことをアピールするのではなく、企業にとってより魅力的な能力が身についた場合にも当てはまります。
例えば、飲食店やアパレルショップ、スーパーなど様々な職場で接客を経験した人は、それぞれの職場のマニュアルについて学んでいますので、顧客に待ってもらうとき、クレームが入ったとき、商品を勧めるときなどに前の職場で学んだことを活かして、様々なパターンの接客ができるようになるでしょう。
また、在庫管理や経理、営業職を経て経験を積み、ステップアップしてきた人ならば、いざというときのヘルプや顧客からの問い合わせにもスムーズに対応することが可能です。
幅広い仕事を経験してきているということは、業務が変わっても、適切な提案ができたり、全体の流れを把握して予定を立てたりできるような能力が身についているということです。
転職を希望している企業の仕事内容で、転職前の仕事が活かせるようなポイントがあれば積極的にアピールしましょう。もちろん、同業種の職場で転職を繰り返している場合にも、必要な知識やスキルは職場によって変わっていきますので、十分ステップアップのアピールになります。
過去に培ったスキルをアピールする
色々な職場を経験しているということは、それぞれの職場で多くのスキルや経験を獲得したということでもあります。
転職を繰り返すほど、その数は増えていくでしょう。企業としては、可能であれば即戦力になる人材を採用したいところです。
そこで、まずは転職を希望している企業の仕事内容や求められる能力を確認し、今までの経験からどのスキルが活かせるのかをまとめていきましょう。
営業の経験があればコミュニケーション能力や接客マナー、事務では企画書などの作成や基本的なPCスキル、企画の経験があるなら提案や企画・設計、タスク管理など、職場が変わっても活用できるスキルはたくさんあります。
単に仕事をするだけでなく、多くのスキルを獲得できたということは、転職回数が多い人であってもそれぞれの職場で仕事に真摯に向き合ってきたという証でもあります。
何も考えずに転職を繰り返してきたケースと比べて、転職によって多くのスキルを手に入れられたという実績は、プラスのイメージにつながるでしょう。仕事に対して誠実な人というイメージも与えることができます。
過去の実績を具体的に記載する
転職回数が多い人の場合、それぞれの企業でどのような経験をしたのか記載しなければなりませんので、基本的な情報だけでもかなりの量になりがちです。
採用担当者は、膨大な数の職務経歴書に目を通さなければなりませんので、できるだけ負担にならないように分かりやすい内容にまとめる必要があります。職務経歴書を簡潔にわかりやすく、かつ具体的にまとめることも、社会人として求められるスキルの一つといえるでしょう。
スキルはある程度自己申告になりますが、過去の実績は客観的な評価として記載しなければなりません。
その際、あまり古い時期の実績ばかり記載していると、実績を出してから後に成長が見られないと評価される可能性がありますので、直近1~2年を目安に記載するとよいでしょう。
仕事の規模や守秘義務に反しない程度の担当した内容、実績が分かる売上などの数字を説明すれば、採用担当者も内容を評価しやすいです。
転職先に貢献できることを明記する
転職によって、ステップアップやスキル・実績の獲得ができたことは、十分な強みです。しかし、これらの能力が企業の求めている内容なのかどうかはまた別問題といえるでしょう。
広範囲に優秀な人材であっても、企業にとっては魅力を感じないというケースは少なくありません。そのため、スキルや実績をアピールして終わるのではなく、転職先でいかに貢献できるのかについても明記しておきましょう。
職務経歴書では、職歴やスキルだけでなく、企業における強みをアピールすることも可能です。
そこで、自分のアピールできる強みの中から、応募先の企業で求められるスキルに絞り込む必要があります。
今までの転職経験でどのようなスキルが身についたのか、それを今回の企業で、どのような方法で活かしていきたいのかをきちんと伝えることにより、きちんと企業の研究をしている人材であること、希望に沿った職場であれば長く働く意思があることをアピールできるでしょう。
このような内容を理論立てて、かつ読みやすいようにポイントをまとめて文章化することは容易ではありませんが、分かりやすい職務経歴書を作成することで、採用担当者の評価を大きく底上げできるでしょう。
専門性の高さをアピールする
他にも、専門性の高さをアピールするという方法があります。転職を繰り返している場合、基本的に得られるスキルは幅広く浅い内容になりがちですが、専門性の高い業界内で転職をしている人は、むしろその分野においてさらに専門的な知識を得ることが可能です。
企業によっては、教育の必要がある専門的なスキルを事前に獲得している人材を優先的に採用するケースも少なくありません。
転職回数が多いことも、同業種の中でスキルアップやキャリアアップを目指していると判断されやすく、むしろイレギュラーなケースにも対応できる人材として高く評価されるでしょう。
ただし、専門分野のスキルアップは、ある程度時間をかけて勉強や経験を積み重ねていく必要があります。
そのため、頻繁に転職を繰り返している場合、専門性が深まったと判断されない可能性がありますので、どの職場でどんなスキルアップができたのか、より具体的に記載する必要があるでしょう。
【見本】転職回数が多い人の職務経歴書の例文
では、転職回数が多い人はどのように職務経歴書を作成すればよいのでしょうか。以下で、具体的な見本と共に確認していきましょう。
タイトルは職務経歴書、その下に作成日と自分の氏名を記載した後、職務要約、職務経歴、資格及びスキル、自己PRと続きます。
【職務要約】
新卒より1年間、営業担当として経験を積んだ後、〇〇社に転職して2年間、新商品開発の企画に関わってきました。その後、〇〇社に転職してからはデータ分析から新事業の計画・推進を担当し、1年後には本プロジェクトで〇%の売上アップを達成しています。
【職務経歴】
〇〇社営業担当(1年1ヶ月)
〇〇社新商品開発(2年3ヶ月)
〇〇社データ分析・企画(1年5ヶ月)
【資格及びスキル】
コミュニケーションスキル
PCスキル(Word、Excel、PowerPoint)
データ分析による企画立案
接客サービスマナー検定
ビジネスマネージャー検定
【自己PR】
転職した3社では、接客スキルやターゲット層の顧客におけるニーズの分析、データ分析によるフィードバック、事業計画の立案などについて学んでいます。また、〇〇社では業務効率化やコストの削減についても取り組み、職場環境や経営の改善を目指しました。
御社では、新たに部署を立ち上げて新製品を開発するための求人であると聞き及んでおります。これまでの経験を活かして、より具体的なニーズのリサーチや企画立案の補助、フィードバックなどの分野でお役に立ちたいと考えます。
職務要約は、特にアピールしたい資格や実績をどこで得たのかを中心に、経歴全体の大まかな内容の紹介です。
職務経歴は、勤務先や仕事の内容、勤続年数などを記入しますが、転職が多いと読みづらくなるため、箇条書きや表にするなどの工夫が必要でしょう。
資格やスキルは自分が取得しているものを記入しますが、企業のニーズに合っているもの、社会人として通用するランクのものに絞り込みましょう。
自己PRでは、年代別に事業の規模などや在籍期間、在籍中の職業を紹介し、転職希望の企業でどのような点において役立てるかをアピールします。
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おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
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