前職調査とは?実態と調べられる内容、内定の取り消しの事実について
「あの会社、応募者の前職調査するらしいよ」…転職中、このような噂を耳にして不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
前職調査とは採用する企業、またはその企業が依頼した興信所が応募者の採用に際してその前職(現職)における基礎情報や仕事ぶり等を調査することです。
以前は一般的だった前職調査ですが、2005年4月1日に個人情報保護法が全面施行されて以降、実施している企業は大幅な減少傾向にあります。
しかし、転職活動中の身としてはどうしても気になってしまう前職調査の存在。このコラムでは、前職調査の現状・実態と、どのタイミングでどのような調査が実施されるのか、その可能性についてお伝えしていきます。
前職調査とは?
前職調査とは、採用を行う企業が応募者の応募情報に虚偽がないかどうか、または業務を遂行する上での能力がどの程度なのかを前職(現職)の企業へ問い合わせるなどして調査することです。
冒頭でもお伝えしたとおり、近年では個人情報保護の観点から実際に実施している企業は減少傾向にあります。
また、前職調査を企業が実施する場合にはその企業が直接、堂々と前職(現職)の人事担当者へ問い合わせてくるケースもありますが、中には興信所に依頼して調査する場合もあります。
前職調査ではどんなことが調べられる?
通常前職調査で調べられる内容には主に下記の要素が挙げられます。
①提出した応募書類と実際の情報に違いがないか
②実際にどの程度の業務能力・スキルがあるか
③どのような性格か
④前職(現職)における勤怠の状況
⑤公私共に重大なトラブルはないか
前職調査において本来必要なのは”問題なく業務を遂行していってくれるかどうか”であるため、虚偽の申告があるのはもっての他ですが、性格によってはその業務に合わなかったり、すぐに退職してしまうケースも考えられるため十分に調査対象になるでしょう。
異なる業種である場合には前職調査を行って業務における能力の水準をチェックしても、業種が違えばあまり参考にならないため調査の対象にならない可能性も考えられます。
ちなみにこちらのページのように中途採用活動において前職調査を行いたいと考えている人事担当者は実際にいます。
しかし、各企業において個人情報の保護や守秘義務が広範囲に適用されるようになってきているため、前職調査で採用する企業側が得られる情報はやはり一部のようです。
人事担当者の声が気になる方は一度チェックしてみると役立つかもしれません。
前職調査は選考中に行われることが多い
前職調査は基本的にその応募者の選考中に実施されることが多いです。
やはり内定を出すか出さないかを判定する際に前職調査の結果を加味したいというのがそれを実施する主な理由ですから、採用の決定以前であることが基本です。
また実際に内定が確定したあとから内定を取り消そうという事案が発生しても、試用期間満了に伴って内定を取り消せるほどの大きな原因が発覚するケースが少ないことも理由に挙げられます。
ただし、転職中でもまだ転職前の企業に勤めている間は、その企業へ調査が入ることは基本的にありません。
採用を検討している会社にも個人情報保護の義務があるため、それに反することになってしまうためです。ただし、採用先に前職調査について本人が承諾している場合はその限りではないことを覚えておきましょう。
リファレンスチェックとの違い
リファレンスチェックとは中途採用を行う課程において、その応募者の前職での勤務状況や人柄についてを応募者本人の関係者(上司や同僚など)に問い合わせて確認することです。
外資系企業などではよく行われているもので、日本国内でも幹部採用の場合などでこの手法を取り入れている企業が増えています。
リファレンスチェックの前職調査との違いは、前職調査が応募書類の内容についての虚偽の有無などを主に調べることに対し、これは履歴書や面接だけではわからない応募者の内面を知るための措置です。
リファレンスチェックは応募者本人が提示した推薦者に企業側が電話や面会を通じてヒアリングをする方法と、企業に充てにリファレンスレター(推薦状)を提出してもらう方法があります。
前職調査が行われやすいのは”金融業界”と”警備業界”
前職調査が行われやすい業界として主に金融業界と警備業界が挙げられます。
まず金融業界については具体的に金銭を扱うため、数十年前まではその応募者の親族に借金を抱えている人がいないか、金銭に関わるトラブルを起こしている人がいないかなどが調査されていました。
現代ではそのような調査を行うことはありませんが、応募者本人が金銭に関わるトラブルを起こしていないかなどは調査の対象になる可能性があります。
最近TBSのテレビ番組で”滋賀銀行9億円横領事件”が取り上げられていましたが、現代では何重にもわたる厳戒なセキュリティが設けられているとはいえ、金融機関に勤めている人は特に金銭に対して精神面においてもフラットである必要があります。
この9億円事件は1973年に発生していますが、ひょっとしたらこの事件をきっかけに金融機関の前職調査がより強まったのかも知れませんね。
さて、警備業界においては過去5年以内に犯歴がある、または依存性薬物の中毒者である場合などには警備員として働くことができないものと定められています。
仕事内容によっては貴重品や現金の輸送を行ったり、著名人の警護を行う場合もあるため、その応募者が本当に信用できる人物かどうかを調べられることがあるようです。
本来はこのような調査なしに書類での情報と面接での雰囲気で判断してほしいところですが、その応募者が詐欺師のごとく嘘を羅列できる人間であった場合、直接会っただけでは判断が難しくなってしまいます。
そのため、企業による前職調査にはいたしかたのない要素もあるようです。
前職調査は違法?
厚生労働省の発表している職業安定法に基づく指針において、採用を行うにあたり個人情報を調査する場合には適法かつ公正な手段によらなければならないと定められています。
そのため、通常前職調査は不適切な行為として認められます。
具体的には”本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する”ものと定められており、本人の承諾を得ていない限りは前職調査を実施することは違反です。
基本的に企業が採用を行う際に判断材料としては、その業務への適性や具体的な能力があれば足りるものであり、それ以外の要素を採用判断の対象にすることは就職差別にあたり、あってはならないことです。
厚生労働省は採用の際には応募者の基本的人権を尊重し、応募者の適性と能力のみを基準に進める必要性を掲げています。
また、前職調査においては応募先の企業が前職(現職)に直接問い合わせてくる場合がありますが、本人の同意がない場合に第三者がその応募者の情報を開示することは個人情報保護法に違反します。
たとえ口頭であっても違反は違反ですので、もし自分がそのような立場になった場合には十分に注意するようにしましょう。
前職調査で内定を取り消されることはあるのか
前職調査の結果、決定していた内定を取り消される可能性は十分にあり得ます。
その理由は主に、履歴書や面接で企業側に伝えていた基本情報や能力面など、今後業務を行っていく上で重大な支障をきたすであろう経歴詐称が見られた場合です。
たとえばその企業の求人への応募条件に定められていた資格を持っていないのに持っていることにして虚偽の申告をしていた場合や、あるスキルについて全く出来ないのに出来ると申告していた場合などです。
企業の多くはその就業規則に、そのような経歴詐称が判明した場合には懲戒処分の対象にする旨定めているようです。
ちなみに、前職調査というとその名の通り”前職の企業に問い合わせるなどして調査する”というイメージを持ってしまいがちですが、SNSが発達した現代ではより多様な調査方法をとることができます。
たとえばTwitterやFacebook上などで元々友人だった応募先の社員とのやりとりから隠していた事実が応募先の人事担当者へ伝わったり、SNSへ投稿した内容やプロフィール情報など、思わぬところから虚偽が発覚する可能性があります。
どうしてもその企業から内定をもらいたいと焦ってしまう気持ちももちろんわかりますが、今後のためにも、事前に伝えておくべきこおとは伝えるように心がけることが最も安全です。
虚偽や経歴詐称をしてしまわないために
とはいえ虚偽をするつもりがなかったにも関わらず申告しておくべきことを申告していなかったり、経歴詐称をしてしまうというケースは全くないわけでもありません。
実際にあった例でいえば、ある関東の有名私立大学T校の経営学部卒、当時40代前半だった男性Sさんは、そのハイレベルなビジネススキルを武器に当時勤めていた企業では異例の昇進を繰り返し、営業部長として日々まい進していました。
しかしその企業へ勤めるようになって20年、何の問題も起こしてこなかったSさんは突如懲戒解雇処分を受けてしまいます。理由は”経歴詐称”。
実はSさんが卒業したのは全日制ではなく定時制。本来定時制を卒業した場合にはその旨を履歴書に明記しなければならないのですが、Sさんは特に深く考えないまま記入せずに提出したのです。
しかし、採用されてから20年経ったタイミングでなぜそれが発覚したのか。それはズバリSNSがきっかけだったのです。
Twitterなどの匿名で記事を投稿することができるSNSからの情報の流出はあまり頻度が高くありませんが、特にFacebookなどは本名での投稿が基本です。
そこで自分の同級生と公の場でやりとりしていたところを、同期の社員が見つけてリークしたんだとか。
このように意図的ではなくとも思わぬ形で経歴詐称をしてしまったり、虚偽の申告をしてしまうことによって取り返しのつかないことになる可能性は大いにあります。
ぜひ履歴書・職務経歴書作成時にはプロの視点で開設している記事や、直接プロからの指示を仰げるようなサービスを利用して失敗を防いでいただけたらと思います。
【おすすめ】第二新卒の志望動機の書き方公開!自己PRのコツと内容を濃くする方法とは
今第二新卒として転職活動に奮闘中の皆さんは、自己PRに「私は粘り強い性格です。最後まであきらめずにやり抜く自信があります。」などと書くだけで終わってしまってはいないでしょうか。
どの企業においても「第二新卒は社会人経験がある」という認識がありますから、ただこんな性格ですと書くだけでは「この子は前にいた会社で何も学んでこなかったのか?」などと思われてしまい、面接官の印象に残れないどころかあまり良くない印象を与えてしまいかねません。
面接官は今まで何百、何千人という学生や既卒者を見ている採用のプロです。したがって自己PRの内容が薄いと評価すらしてもらえない可能性もあるのです。
まず自己PRを作成する際にはそのアピールポイントの根拠となる具体的なエピソードの記載が必要です。ぜひ、自己分析を行った上で過去の経験を振り返ってみましょう。
また自己PRは少し気を抜くと薄い内容なってしまいがちですが、濃い内容にするためのコツがあります。それを参考にして作成しましょう。
さて、このコラムでは内定に一歩近づくための第二新卒の方向けの自己PRの書き方をお伝えしていきます。もっと読みたい方はこちらをCheck!
言いたくないことでも明るく捉え、正直に伝えよう
完璧な人間などこの世界には存在しません。どんなに完璧に見える人でも隠したくなるような過去を背負っていたり、どうしても人に伝えたくない要素を持っているものです。
だからこそ、自分を美しく見せようと無理に気を遣う必要はありません。嘘をついてビクビクしながら働く人生よりも、不安を抱きながら過ごす人生よりも、自分をしっかりと見せた上で働いていける環境の方がやはり気持ちよいのではないでしょうか。
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おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。
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