仕事が続かない人の特徴とは？

物事のとらえ方は人によって違います。生まれ持った性質や育った環境も人それぞれです。

しかし仕事が長続きしない人には、いくつか目立った特徴が見られます。ここでは、仕事が続かない人によく見られる特徴について解説します。

人付き合いが苦手な人

多くのケースで退職や転職の理由となっているのが人間関係の悩みです。ただし、理由は特定の誰かと折り合いが悪くて職場にいるのがつらいというものばかりではありません。

どうしても職場の雰囲気になじめず居心地が悪いから辞めるというものもあります。

仕事が続かない人は、なぜ相手との折り合いが悪いのか、なぜ職場になじめないのかという根本的な理由になかなか触れたがりません。

その場のつらさや居心地の悪さから逃れるために退職や転職という手段を選びがちです。

人間関係の悩みで仕事を辞める人の中には、次の職場でも人間関係に悩み、仕事を辞めてしまう人が少なくありません。

苦手な他人とのかかわりを最小限で済まそうとするあまり、人間関係がうまくいかなかった原因としっかり向き合わないまま、その場から逃れることだけを考えてしまうからです。

人付き合いが苦手な人は、「周りが協力してくれないから」「自分に対して冷たいから」など、うまくいかなかった原因を相手に求める傾向があります。

「自分の方から歩み寄らなかった」「相手が合わせてくれることばかり期待していた」ということに気付かないまま辞めてしまうのです。しかも、次の職場には、よりよい人間関係を求めて転職します。

自分の中にある問題点に気付かないまま、求める人間関係の基準だけが上がってしまうため、同じ原因で転職を繰り返すことになってしまうのです。

全てに全力を注いでしまう人

何事も常に全力を注いでしまうと、長く続けられません。真面目に取り組むのはよいことですが、全てに全力を注いでしまうと、疲れが蓄積してミスが起こりやすく、成果が出にくくなってしまうからです。

仕事が終わるころには疲れ切ってしまい、その状態が毎日続くのですから、体も心ももちません。

仕事は、上手に力をコントロールしながら打ち込むことでミスをせずに済み、成果も出やすくなります。

仕事だけで力を使い果たさなければ、プライベートを充実させて、溜まった疲れをうまく取り除くこともできるでしょう。

しかし、最初から最後まで全力で取り組んでいる人は、通常の仕事量でも限界まで力を出し尽くしてしまいます。

もし、急な残業を頼まれても、対応できる余力は残っていません。プライベートで使える力も残っていないので、仕事で溜まった疲れをリフレッシュすることも難しいでしょう。

常に全力で仕事をしている人は、力をコントロールするという考えが頭にないのかもしれません。緩急を付けながら働いている他の人を見ると、「自分よりも力を抜いている」と思ってしまいがちです。

そのため、自分以外の人が成功すると、「力を抜いているのにうまくいくのはおかしい」と不満に感じてしまいます。

そして、「なぜ自分は一生懸命やっているのにうまくいかないのか」「がんばっているのになぜ報われないのか」と、周りへの不満が募ってしまいます。そのような点も仕事が続かない原因になっているのでしょう。

完璧主義な人

完璧主義な人も仕事を続けるのに苦労しやすいといえます。なぜなら、自分にも他人にも厳しいからです。

仕事に取り組む姿勢も取り組んだ後の成果も完璧を求めてしまいます。そのため、完璧のイメージが周囲と共有できなければ、チームで仕事をするのは難しいのです。

仕事の進め方も自分のやり方が一番だと思い込む傾向があります。他のやり方をしても同じ結果になるということも、納得できるまではなかなか受け入れられません。

資料は何度見ても、まだ完璧ではないような気がして、さらにもう1回目を通したくなってしまいます。ミスを避けるためには時間をかけざるを得ないと思うため、仕事効率は他の人よりも悪くなりがちです。

また、仕事をするからには100％を極めたいという思いが強力なのも特徴です。

仕事として求められているレベルに十分達していても、自分が100％ではないと感じる時は、あと1％を何とかしようと粘ってしまいます。

完璧を求める気持ちが強いあまり、チームで取り組んでいる時は残り1％の追求を周りにも求めてしまうこともあるでしょう。

完成したと思っている仕事に注文を出し、1％の追求に巻き込んでしまうと、周囲の人との関係がぎくしゃくしてしまいます。

少しの失敗でヘコんでしまう人

少しの失敗で大きなダメージを受けてしまう人も、仕事が長続きしにくいです。

完璧主義の人も含め、仕事に対するプライドが人一倍高い人は、失敗した時に受けるダメージも大きくなる傾向があります。小さなミスでも長く引きずってしまうため、すぐには立ち直れません。

しかも、失敗をするたびに「自分にはこの仕事は無理だった」「この会社ではやっていけない」と考えてしまい、一度ネガティブに考え始めると止まらなくなることもあります。

仕事をするたび小さな失敗でヘコんでしまい、立ち直れなくなってしまうため、辞めたいという思いが重なり、最終的に辞める以外の選択肢が浮かばなくなってしまうのです。

失敗は誰でもするものだと考えられれば、失敗のたびに落ち込むことはないでしょう。しかし、少しの失敗でヘコんでしまう人はそう考えることがなかなかできません。

失敗するのは悪いこと、恥ずかしいことなどと考えてしまうため、失敗してしまった自分が許せなくなってしまうためでしょう。

「自分さえミスしなければプロジェクトは成功していた」「自分がいても会社のためにならない」などと飛躍した考えに至り自分を追い詰めてしまうと、仕事を続けられなくなってしまいます。

理想と職場の現実にギャップがあった人

「理想的な職場だと思っていたのに、実際働いてみたら全然違っていた」という話はそれほど珍しいものではありません。しかし、突き付けられた理想と現実のギャップにどう対処するかは人それぞれです。

ショックを受けながらも、現実を受け入れて少しずつ慣れていこうとする人がいる一方で、どうしても受け入れられず、逃げ出してしまう人もいます。

このような差が生じるのは、人によって期待の大きさが異なるからでしょう。職場に過度な期待をしていた人ほど、現実を目にした時、大きく幻滅してしまいます。

幻滅が大きければ大きいほど、現実は受け入れがたいと感じられてしまうのかもしれません。

現実にはあり得ないような理想を追い求めているため、実際に仕事を始めるとギャップを実感するのですが、そのような理想を持っている人ほどそのことには気付きません。

思い描いているような理想通りの職場は現実にはあり得ないのに、そのような職場を追い求めてしまうため、どこに就職しても毎回大きな幻滅を感じることになります。

そして、いつまでも理想的な職場を求めて転職を繰り返すことになるのです。

我慢が苦手な人

さまざまな意見を持った人が協力し合って仕事を進めるのが職場です。全員がそれぞれ自分の意見を押し通すわけにはいきません。

少しずつすり合わせて意見をまとめる必要があります。特に人数の多い職場では大変です。

それぞれが自分の意見をそのまま押し通そうとすると、トラブルになります。意見の押し引きをして調整することになるので、ある程度我慢しなければなりません。

職場では、メインの仕事以外にも大小さまざまなことに対して我慢を求められる機会があります。自分の思い通りにならないと耐えられないというのでは、仕事にはならないのです。

いくらやりたい仕事があっても、入社後すぐにやらせてもらえることはまれです。どうしてもやりたいなら、やらせてもらえるようになるまでしっかり経験を積むしかありません。

しかし、すぐにやれなければ嫌だという人は少なからずいます。この職場では無理でも、他の職場に移ればすぐにやれるのではないかと思って辞めてしまうので、仕事が長続きしません。

また、何事に対しても我慢できない性分だと、周囲とも衝突しやすくなります。人間関係が悪くなれば、職場の居心地もよくありません。仕事を辞めたいという気持ちも強くなってしまうでしょう。

周りに頼るのが苦手な人

周りに頼るのが苦手な人には2つのタイプがあります。他人に頼りたくない人と、頼りたいのにうまく頼れない人の2種類です。

いずれのタイプも、仕事が長続きしにくいという点では共通しています。

たとえば、他人に頼りたくないタイプの人は、明らかに1人では終わらせられない仕事量だと気付いていても、自分だけで何とかしようとしてしまいがちです。

当然定時では終わらないので、連日残業することになるでしょう。やりきれなかったら、翌日の仕事量として上積みされていきます。

残業を繰り返しても仕事量が減らず、かえって増えていくことになるため、続けられなくなってしまうのです。

一方、頼りたくても頼れない人は、いつまでも自己流のやり方を変えられません。誰かに質問すれば効率のよい仕事のやり方を知ることができるのに、いつまで経ってもわからないままです。

仕事量が多い時でも、周りに手伝ってもらえば、すぐに終わるかもしれません。しかし、上手にコミュニケーションが取れず諦めてしまうので、結局1人でやらざるを得なくなってしまいます。

1人で大量の仕事を抱え込む日々が続くと、肉体的にも精神的にも限界が来て当然です。職場で過ごすのがつらくなるため、仕事を辞めるという選択をしてしまいます。

仕事が続くようになるコツ

これまで仕事が続かなかった人でも、コツをつかめば長く続けられるようになります。

考え方や物事のとらえ方を少しずつ変えていきましょう。ここでは、仕事を続けるために押さえておきたい8つのコツについてご紹介します。

少しずつ職場の輪を広げよう

職場で孤立していると、どうしてもネガティブな発想になりがちです。周囲との間に壁があると感じているうちは、微妙な温度差に対しても敏感に反応してしまいます。

相手は壁など作っていないかもしれないのに、自分側から壁を作ってしまうとそれしか目に入りません。状況を客観的に見ることが難しくなってしまうのです。

職場に1人でも親しい人がいれば、職場の見え方が変わるでしょう。辞めたい衝動が起こった時は、立ち止まるきっかけになるかもしれません。

1人でも味方になってくれる人が増えれば、それだけ職場の居心地はよくなります。職場に頼れる人や協力し合える人が大勢いたら、少しくらい嫌なことがあっても辞めたい気持ちにはならないでしょう。

人と接することが得意でないなら、最初は簡単な挨拶を交わすだけでもかまいません。毎日簡単な言葉でも交わしていれば、少しずつ周りとの距離が縮まっていきます。

いざという時に手を差し伸べてくれる人が周りにできたら、職場で過ごすことが苦痛ではなくなってくるでしょう。

無理して一気に距離を縮める必要はありません。1人ずつ話せる人を増やしていけば、職場の輪は徐々に広がっていきます。

目標を作ろう

仕事を続けるためには目指すべき目標が必要です。目標があればモチベーションが生まれ、モチベーションが高まれば、多少嫌なことがあってももう少し頑張ってみようと思えます。

目標はどのような規模でもかまいません。たとえば、チームリーダーになることを目標にすれば、必要な経験を積んでいるだけであっても頑張って仕事を続けようと思えるでしょう。

フリーランスになるという目標を設定したら、独立しても食べていけるだけの実力を身に付けようと必死になれるはずです。

高級外車を買うというような、イメージしやすい目標もよいでしょう。必要な金額を貯めるまでは辞めないという心の支えになるかもしれません。

ただし、実現が難しすぎる目標や、達成まで時間がかかりすぎる目標を設定してしまうと、挫折しやすくなります。いくら頑張っても目標に近づいている実感がないからです。

目標を設定するなら、常にモチベーションを維持できるものがよいでしょう。

ある程度短期間で実現可能な小さな目標を設定し、達成したら次の目標を設定するという形にすれば、モチベーションを維持しながら、適度な達成感も味わえます。

目標達成の喜びを感じられる職場なら、簡単に仕事を辞めようとは思わなくなるでしょう。

バリバリ働ける実力主義の職場に移ろう

誰でもできる簡単な仕事をして、ある程度稼げるならそれで十分だと思う人がいる一方で、どうせ働くなら実力を思い切り発揮したいと思う人がいます。

どちらが正しくどちらが間違っているとは一概には言えません。しかし、理想的な職場の定義はそれぞれ異なっているはずです。

たとえば、楽に稼ぎたい人にとって理想的なのは、あまり一生懸命働かなくてもほどほどに収入を得られる職場かもしれません。

ところが、そのような職場は、実力を存分に発揮したい人にとっては物足りなさを感じるだけの職場でしょう。周りの人から感じられる仕事に対する熱意も低いため、日に日にモチベーションが低下してしまいます。

どのような職場でも、頑張っていればいつかはやりたい仕事ができるといいたいところですが、残念ながらそうはならないこともあるというのが現実です。

どれだけそこで経験を積んでも、最後まで思ったような仕事はさせてもらえないという職場も中にはあります。

もっと実力を問われるような仕事をしたいと思っているなら、そのような職場でくすぶっているのはもったいないことです。そのようなケースであれば、実力主義の職場を選んで就職するとよいでしょう。

きちんと実力を評価してもらえる職場を見定めて転職することで、何度も転職を繰り返すことを防げます。

適度にリフレッシュを行おう

全ての工程において完璧さを求めてしまうと、なかなか仕事がはかどりません。小さなミスも許せないという考え方では、試行錯誤を繰り返しながら正解を求めていくような仕事をするのは無理でしょう。

仕事は常に完璧でありたいと思うことは悪くありませんが、常に100％を求める必要はありません。完璧主義では自分も周囲の人も疲れてしまいます。

トータルで100％に近い仕上がりになればよいと考えましょう。もし、ミスをしたとしても、同じミスは繰り返さないようにすればよいのです。ミスから学ぶこともあると考えて、心に余裕を持ちながら働くようにしましょう。

もちろん、仕事だから一生懸命やるべきだと考えることは間違っていません。しかし、常に緊張したまま全力投球していたのでは、心も体も疲れ切ってしまいます。

疲れ切った状態では、十分に実力を出し切るのは難しいでしょう。せっかく全力で臨んだのに、疲れのために最高のパフォーマンスができないというのでは元も子もありません。

仕事の流れの中には全力を注ぐべきところと、ほどほどでよいところがあります。常に一定の力で働くのではなく、力の抜きどころを見極めて、メリハリをつけた働き方をすることが大事です。

仕事を辞める前に考えるべきこと

ここまで、仕事が続きにくい人の特徴や続けられるようになるためのコツを紹介してきました。

しかし、それらの内容を鑑みても今の仕事を辞めたいという気持ちは変わらないという人がいるかもしれません。ここでは、そのような人に向け、仕事を辞める前に考えておくべきことを解説します。

今の職場に決定的な問題があるか考えよう

仕事を辞めたいと思う時、その原因が自分自身にあると思っている人は案外少ないものです。

辞めたいと思う原因が職場や周囲の人にあると思ってしまいがちなので、まずは本当に今の職場に決定的な問題があるのかを確認するようにしましょう。

よくよく考えてみたら、問題があるのは職場ではなく自分自身の考え方だったということもあり得ます。

もし、原因が自分自身の性格や考え方にあるのに、気付かないまま転職してしまうと、次の職場でも同じ問題点によって苦しい思いをするかもしれません。

原因が解決しなければ、どこへ行っても同じような嫌な思いをして、何度も転職を繰り返してしまうことになってしまいます。そうならないためにも、どこに問題があるかをはっきりさせましょう。

仕事を辞めようと思ったそもそもの原因は何なのか、今一度考えてみることが大切です。一時的な感情で辞めたいと思っただけで、職場自体には特に問題はなかったということになるかもしれません。

わざわざ職場を変えなくても、自分自身の考え方を変えるだけで働きやすくなるということもあります。どこに仕事を辞めなくてはならないほどの問題があるのか、きちんと確認した方がよいでしょう。

今の職場の嫌なところが、他の職場にはないか考えよう

今の職場で不満に感じていることは、果たして今の職場の特有なものなのでしょうか？本当に今の職場にしかない嫌なところなのか、辞めてしまう前に考えてみる必要があります。

特に、今の職場以外は知らないという人は気を付けた方がよいでしょう。どのような職場にもありがちな問題点というのは多々あります。

もしかしたら、自分が嫌だと感じているところは、どのような職場でもあるような問題点かもしれません。もしそうだとしたら、たとえ今の職場を辞めて他の職場に移ったとしても解決はしないでしょう。

わざわざ慣れた仕事を辞めてまで他の職場に移り、一から同じ思いをし直す必要があるのか、考えてみれば明らかです。そのような必要はありません。

たとえば、人間関係に問題があるから辞めたいという場合、本当に他の職場に移れば人間関係が改善されるのかを考えてみる必要があります。

他の職場に行っても、上司や同僚はできるでしょう。他の職場に移れば、馬の合わない人がいなくなるという確証はありません。

残業がつらいから辞めたいという場合、他の職場に移れば残業はなくなるでしょうか？

あまりにも残業時間が多いなら、残業が少ない職場に移るということで改善できます。しかし、残業があるのは今の職場だけではないという点に気付くことも必要です。

退職する前に、転職先を決めておくのが得策

今の仕事を辞めたいと思ったら、退職してから次の職場を探そうと思ってしまいがちです。

しかし、辞めてから転職活動をスタートさせたのでは、次の職場で給料をもらえるようになるまで無収入の状態が続いてしまいます。

収入がない状態で転職活動を始めると、貯えが尽きる前に転職先を決めなければという焦りが生じるため注意が必要です。

焦って決めると、自分に合わないことがわかっている職場でも、妥協して選んでしまう可能性が高まります。転職するのであれば、今の仕事を辞める前に次の職場を決めておくことが大事です。

自分が仕事を続けやすい職場を探すには転職エージェントを利用するのがおすすめです。

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おわりに、｢仕事探し｣って実は難しくないんです

新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず｢不安｣と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での｢想像とのギャップ｣はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。

｢仕事探し｣というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか？

でも、｢仕事探し｣って実は難しくないんです！

仕事を決めるときに必要なのは｢自分の良いところを武器に前向きにぶつかること｣、言ってしまえばこれだけなんです。

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