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「業種」とは何か説明できますか?「業界」「職種」との違いも紹介

就職先・転職先を選ぶ際は「どんな仕事があるのか」を理解した上で、自分がやりたい事や希望条件にマッチする仕事を探していく事になります。

この時重要になるのが職業をカテゴリー別に分ける「業種」という枠組みです。業種という言葉を聞いた事はあっても、その意味を正確に説明出来る人は思いのほか少ないでしょう。

今回は「業種」という言葉の意味について、そして混同しやすい「業界」や「職種」との違いについて紹介します。

業種とは?

業種とは一体何なのか

「業種」という言葉は企業が取り組んでいる事業内容を大きな枠組みで言い表したものです。

例えばコンビニやスーパーのような仕事は「小売業」、機械の部品などを作る仕事は「製造業」に分類されます。

仕事をざっくりとした分野で区分けしたものが業種なのです。業種についてしっかり把握しておく事で仕事探しの効率はグッと向上させられます。

業種はどのようにしてカテゴライズされているのか

業種の分類基準は法律によって定められている訳ではないので、カテゴライズを行う団体によって種別の全体数や細かい分類内容が異なるのです。

例えば総務省では業種を「日本標準産業分類」という枠組みで区分けしており、まず20種類の大きなカテゴリーで分類した後さらに中分類・小分類を設けています。

小分類まで分類が進むとその数は2000種類にも及ぶのです。

同じ省庁でも経済産業省では「業種分類表」という枠組みで、厚生労働省では「厚生労働省編職業分類」という枠組みで分類が行われています。

一般的には総務省の日本標準産業分類がよく知られているので、迷ったらこちらを参照してみるのが良いでしょう。

また、株や証券取引に使用されるコードを決める証券コード協議会では、上記と異なる分類方法で業種を決めているので注意が必要です。

証券コード協議会が取り決める業種の分類では大分類が10種類、中分類が33種類となっています。

このようにひとくちに「業種」といっても、その内容は統一されていません。場合によって求人情報サイトや転職エージェントが独自に分類を行っているケースもあります。

総務省の日本標準産業分類をひとつの基準として、分かりやすいものを就職・転職活動に利用してみましょう。

「業種」「業界」「職種」の違いは?

業種と似たような言葉に「業界」「職種」というものが挙げられます。これらの用語は混同されがちですが、明確な違いが存在しているのでしっかりと内容を把握しておく事が大切です。

「業種」の定義

業種は前述の通り、企業が行っている事業の種類を指すものです。個人が行う具体的な業務内容ではなく、あくまで企業全体がどのような事業を行っているのかでカテゴリー分けされている点に注意しておきましょう。

業種だけで仕事を選んだとしても、自分がやりたい業務に従事出来るとは限らないので注意してください。

就職・転職において業種はあくまで仕事の「方向性」を決めるための指標であり、具体的な「行き先」はさらに踏み込んで考えていく事が重要です。

「業界」の定義

日本を代表する辞書として知られる「大辞林第三版」では、業界という言葉を「業種や取り扱い商品を同じくする仲間、そういう人々の社会」と定義しています。

つまり、業界とは「業種によって分類された仕事に取り組む事業者を、さらに細かくカテゴリー分けしたグル-プ」なのです。

例えば「小売り」は業種のひとつですが、その中にある「アパレル」という括りは業界になります。同様に「サービス業」は業種ですが、「旅行」はその中の業界のひとつです。アパレル業界・旅行業界という言葉は見聞きした事のある人も多いでしょう。

「職種」の定義

職種は企業に所属している従業員が実際に行う具体的な仕事内容を表す言葉です。業種・業界で絞り込んだ企業の中に用意されているポジションだとイメージすると分かりやすいでしょう。

具体的には「小売り」という業種の中にある「アパレル」業界の企業では、現場で商品を売りさばく「販売員」や服を設計・製造するための「デザイナー」などの職種が存在します。同じ業種・業界の中にも様々な職種があるという点が重要です。

仕事選びに重要なのは「業種・職種」の組み合わせ

自分がやりたい仕事を探す際、業種・業界・職種のどれかひとつで絞り込んでも中々上手くいかない事が多いです。私たちは仕事探しのキーポイントとして「業種・職種」という組み合わせで考える事をおすすめしています。

この組み合わせを用いると「同業種・同職種」「異業種・同職種」「同業種・異職種」「異業種・異職種」という4つの視点を持つ事が可能です。

こうした広い視点から仕事探しを行ってみると、自分では思いもしなかった発見があるので試してみましょう。

人気の業種3選と向いているタイプ

就職・転職市場ではある程度人気のある分野が決まっており、仕事探しの参考にする人も少なくありません。しかしそれぞれの仕事には向き・不向きがあるので、人気の業種に就職出来れば良いという訳ではありません。

ここからは一定して人気のある3つの業種を確認した上で、それぞれの業種に向いている人の特徴を見ていきましょう。

製造業

製造業の動向

2020年時点での製造業は、業界によって多少の上下はあるものの比較的安定した業績となっています。

2019年末から流行が始まった新型コロナウイルスによって様々な業種・業界が打撃を受ける中でも、必要とされる物資の製造は引き続き行われているため大きな損益には繋がらなかったと言えるでしょう。

就職・転職活動においては、1人の就職希望者に対してどれくらいの求人があるかを示す「求人倍率」という指標がよく用いられます。

求人倍率は1.00で1人あたり1件の求人がある計算になり、1.00を下回ると就職を希望する人全員がその仕事に就けない事になるのです。

製造業全体の求人倍率は2013年時点で0.72でしたが翌2014年0.99、2015年には1.10をマークして年々右肩上がりの数値をマークしています。

製造業に向いている人の特徴とは

製造業の仕事は、まずモノづくりに対して関心のある人が向いていると言えます。何かをつくる事に楽しさや喜びを感じられる人であれば、製造業の仕事に対してやりがいを見出す事が出来るでしょう。

形に残る製品をつくり出す仕事なので、自分が何かをやり遂げたという実感を得やすいです。自分がつくり出した製品で世の中が便利になっていくのが実感出来ます。

誰かの役に立ちたいという奉仕精神を持った人にもおすすめの業種と言って良いでしょう。

基本的にはひとりで黙々と作業を進める仕事が多いので、集中力の高い人は適性があります。

特に、製作工程の一部分を担当するライン作業では一箇所のミスが後々の作業に影響を及ぼす可能性が高いため、集中力の高さは重要なポイントです。

また、単純作業の繰り返しになるケースも多いので、長時間シンプルな業務に従事し続ける忍耐力も必要になります。

サービス業

サービス業は売り手市場が続いている

就職・転職界隈において、サービス業は長らく売り手市場が続いていると言われています。

売り手市場とは商品(この場合は労働力)を提供する側に有利な状況、つまり就職・転職希望者にとって都合が良い状態であるという事です。

2020年7月時点でサービス業の求人倍率は2.28となっており、新型コロナウイルス流行前の前年と比べても倍率が上昇しています。

就職・転職希望者にとっては応募先の選択肢が多い状況となっているので、希望条件と待遇を照らし合わせて自分に合った職場を見つけやすいのです。

サービス業に向いている人とは

サービス業には美容・接客・調理など様々な職種が挙げられますが、どんな仕事でも「顧客の役に立つサービス・商品を提供する」という奉仕の精神が根底にあります。

したがって、まずはこうした奉仕の精神に共感して「人の役に立つ仕事がしたい」という考え方を持っている人が向いている業種です。

自分が何かを施した事で相手が喜んでくれる、そこにやりがいを見出せる人であれば長続きする仕事だと言えます。

サービス業は対面での仕事が多く、顧客の表情や仕草が目に見える状況で業務に従事するというのが一般的です。中にはメールや電話でのやり取りが中心となる仕事もありますが、基本的には顧客との直接的なやり取りが多くなります。

そのため、顧客との良好な関係を築くためのコミュニケーション能力が重要になってくる業種です。

適切な受け応えを行うためには最低限のビジネスマナーも押さえておく必要があります。また、顧客のニーズに応じて臨機応変な対応が行える柔軟さが身についているとなお良いでしょう。

金融業

金融業の代表的なものには銀行・証券会社・信用金庫などが挙げられます。世間がどのような状況下でもお金の動きが止まる事はないので、どんなご時世にも一定水準の求人が見込めるのが特徴です。

IT化の進みが比較的早い業種のため、エンジニア職などの需要は特に高まっているのもポイントでしょう。

2020年7月時点での求人倍率は1.98をマークしており、その後も1.5前後の高水準をキープしている業種です。なお、一般的には給与水準が高めの業種であると言われています。

金融業に向いている人

金融業は「お金」という商品を取り扱う仕事であるため、責任感の強い人が向いていると言えます。全体で動いている金額は大きいですが、小さな取引も無数に計算する必要があり、ひとつひとつの業務を真面目にこなせる人が重宝されるのです。

取り扱う書類やデータの数も多いため、整理整頓が得意でモノの管理に長けた人材も求められています。あらゆる企業の経済活動を支える仕事なので、やりがいは十分に感じられるでしょう。

計算業務が多く、数字の扱いに自信がある人はそれだけでも金融業の適性が備わっていると言っても過言ではありません。

また、お金の動きは世間の情勢によって大きく左右されるため、ニュースや新聞などで常に新しい情報にアンテナを張っていると金融業の仕事に役立てる事が出来ます。

金融業を目指す人は、普段から日本や世界の経済状況について情報収集するクセをつけておくのがおすすめです。

ご紹介した業種以外にもそれぞれの強みに応じて、向いている業種があるので、自分にあった仕事選びをお勧めします。

プロに相談することで広い視野でアドバイスを頂けるので効率的に就転職を行いたい方は是非下のリンクから相談してみて下さい!


仕事選び

自分に合った業種を見つける方法

ただ漫然と求人情報を眺めているだけでは自分が本当にやりたい業種、自分に合った業種を見つけ出す事は難しいです。

失敗しない仕事選びを実現する方法には様々なアプローチがありますが、代表的なものとしては「自己分析」「業界・業種研究」「他己分析」の3つが挙げられるでしょう。

この3つのアプローチ方法が仕事探しにどのように役立つのか、具体的には何をすれば良いのかを以下に紹介します。

自己分析

自己分析を行うメリット

仕事選びに際して行うアプローチとして最もポピュラーなのが「自己分析」だと言われています。自分自身と向き合って長所や短所、得手不得手、どんな事に喜びを感じるかなどを明確にする作業です。

企業は採用活動の段階で「応募者がどんな人柄であるか」「自社への志望理由」「応募者が自社に何を提供してくれるか」といったポイントを見極めています。

自己分析を行う事で自分自身への理解を深めておけば、これらの項目に対して明確な答えを用意しておく事が出来るようになります。

例えば自己分析で明確にした自分の長所・短所は、そのまま採用試験で自分のセールスポイントとして利用出来ます。

短所については「どのように向き合っていくか」という考え方が重視されるので覚えておきましょう。自己分析とは、自分の事を他人へ分かりやすく伝えるための取り組みなのです。

自己分析の具体的なプロセス

自己分析を行うにあたっては、まず「キャリアの棚卸し」を行います。キャリアの棚卸しとは、簡単に言ってしまえば「自分の歴史を振り返る」事です。

「学生時代(中学校あたりから始めるのがおすすめ)に何に取り組んで来たのか」「どんなアルバイトを経験してきたのか」「自分なりに努力したポイントは何か」といった事を時系列に倣って書き出してみましょう。

ちょっとした事でもしっかり書き出しておくと自己分析の精度も上がり、この後のプロセスも楽になります。

キャリアの棚卸しが終わったら、書き出した項目を参照しながら具体的に分析していく作業に移ります。ここでポイントになるのは、各項目に対して「なぜ?」「どのように?」という疑問を持って分析していく事です。

「なぜそれに取り組んだのか、取り組み続ける事が出来たのか」「どのように取り組んだのか」「どのような結果になったのか」というように、順序立てて疑問を解決していくようなイメージで分析していきましょう。

逆に「なぜ取り組みが続かなかったのか」「結果が失敗に終わったのはなぜか」という点も明確にしておく事も大切です。

各項目に対しての分析が終わったら、キャリア全体を通して「共通している事」を見つけだしてみましょう。

例えば「部長として部を入賞に導いた」「バイトのシフトリーダーになった」という2つの項目には、「人をまとめていた」という共通点があります。

キャリアを通してこうした経験を繰り返していたという事からは「自分には人を引っ張っていくリーダーシップがある」という長所を見出す事が出来るでしょう。

このようにいくつかの項目に共通するポイントを長所・短所、自分の思考傾向として短い言葉でまとめていくのです。

業界、業種研究

業界・業種研究のメリットとは

自分の事を理解しているだけでは、自分にマッチした仕事を見つけ出すには至りません。重要なのは自分と仕事との「相性」なのです。

この相性を見極めるためには、当然仕事についても理解を深めておく必要が出て来ます。そのために行うのが業界・業種研究です。

自分が興味を持った業界・業種にはどのような仕事があるのか、どのような人材が求められているのか(向き不向き)、業界全体の現状や今後の展望など、幅広い視点で仕事に対する情報を仕入れていきましょう。

業界・業種研究が不十分なままで就職してしまうと、実際に業務に従事した際に「こんなハズではなかった」というような理想と現実のギャップに悩む可能性が高くなります。

こうなると仕事に対するモチベーションも上がらず、結局短期間で離職してしまうというケースも多いのです。

短期の離職は自分のキャリアに傷が付くのみならず、企業としても人材教育にかけたコストが無駄になってしまうのでどこにもメリットが発生しません。

業界・業種研究は自分と仕事のミスマッチを未然に防ぎ、長く働ける仕事を見極めるためにも重要です。

業界・業種研究のやり方

業界・業種研究に取り組むためにはまず情報の仕入れ先が必要になります。求人情報誌・新聞・ニュースなど様々なメディアを活用して、幅広い観点からの情報を取り入れるように心がけましょう。

また、インターネット技術が発展した現代社会ではWeb上に流れている情報量も膨大です。求人情報サイトや気になった企業のホームページなども積極的にチェックしておきましょう。

企業について調べる際には1社に限定せず、比較対象として複数社のホームページに目を通すようにするのもポイントです。

他己分析

他己分析のメリット

自己分析では自分のキャリアを書き出してなるべく客観的な立場から分析を行いますが、分析者が自分自身である以上完全に客観的な視点を持つ事は難しいでしょう。

自分の事を客観的に評価するのが苦手だという人も少なくありません。そんな場合におすすめなのが「他己分析」というアプローチ方法です。

他己分析では他人に自分の事を分析してもらうので、完全に客観的な視点からの評価が得られるという点が大きなメリットとなります。

自己分析の結果と刷り合わせて食い違う部分を修正するような形で他己分析の意見を取り入れれば、より一層説得力の増した自己アピールが可能になるでしょう。

他己分析では自分で気づけなかったポイントを指摘してもらえるケースも多いので、思いがけない長所や短所が発覚するなどの新しい発見も期待出来ます。

他己分析を行うには

他己分析には前提条件として「自分を分析してくれる誰か」が必要になります。ここでポイントになるのは、なるべく複数の人に他己分析を依頼しておくという事です。

他己分析の依頼先としては友人・家族・先輩後輩などが一般的になるでしょう。

しかし自分と相手との人間関係によって見えてくる人物像にはそれぞれ多少のズレが生じている場合が多いため、出来るだけ多くの情報ソースでそのズレを整えておく必要があるのです。

質問項目としては「長所・短所」「第一印象」「向いてそうな仕事」「印象深いエピソード」などが定番となっています。

これらを基準にして気になるポイントを足していくと質問項目がまとまりやすいでしょう。返って来た回答を集めて自己分析の結果と照らし合わせてみてください。

まとめ

「自分に合った仕事」を見つけるには、まず大きな括りとして「業種」について理解を深める事が大切です。そこから業界・職種といったように深堀していき、自分の興味をそそる仕事を探してみましょう。

また、就職・転職活動においては自分自身への理解も必要になります。自分の長所や短所・思考の傾向を自己分析や他己分析によって明確にしておきましょう。

その結果と業界・業種研究による情報を照らし合わせれば、本当に自分に合った業種が見つけ出せます。

就職や転職を人生の中で何度も繰り返すという人は、あまり多くありません。今後の生活を左右する重要な岐路となるので、不安を抱えている人も多いでしょう。

業種や業界を調べるにも個人で行うには限界があり、中々効率的に進まないというケースも少なくありません。そんな時には、私たち第二新卒エージェントのような転職エージェントを活用してみてください。

第二新卒エージェントでは実際に企業へ赴いて調査した「生の情報」を提供しています。履歴書添削や面接指導など、不安点解消のサポート体制も万全です。

サービス利用料は無料となっているので、就職・転職活動で行き詰まったらまずは私たちに相談してみてください。


「自分に合った仕事は?」

おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです

新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。

「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?

でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!

仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。

「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。

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