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ロスジェネ世代とは?就職氷河期への備えも合わせて紹介!

就職活動に関するニュースで「ロスジェネ世代」というキーワードを目にした事のある人も多いでしょう。

就活は社会的な背景が大きく影響を及ぼすため、時代ごとの特徴を表す意味で就活生全体を「○○世代」といった具合に大きな括りで語られる事も多いです。

今回は就職氷河期と呼ばれる時代に深い関わりを持つロスジェネ世代について、概要や特徴などを深く掘り下げていきます。

ロスジェネ世代とは

ロスジェネ世代の意味を理解するためには、まず就職氷河期と呼ばれる時代背景を知る事が重要です。

就職氷河期とは日本における1991年頃~2005年頃を指しており、求人情報の大手企業であるリクルート社による造語と言われています。

この時期は日本の経済が好景気であったいわゆる「バブル」が崩壊した直後で、新卒大学生や第二新卒の就職先が中々決まらないといった事態が社会問題となっていました。

バブル期に財政が潤っていた企業は人材採用に多額の費用をかけて大規模な社員登用を行っていたところも少なくありません。

ところがバブルが崩壊して日本ビジネス界全体でお金の流れが悪くなると、多くの従業員を抱えている企業は人件費を削減せざるを得なくなります。

その結果、リストラによって多くの正社員が仕事を失うばかりでなく新卒採用枠を縮小する企業が続出しました。

企業の採用活動の活発具合を示す指標として「求人倍率」というものが挙げられます。

これは仕事を求めている人1人あたりに何件の求人が存在するかを表すものです。

厚生労働省の調査によると1990年の求人倍率が2.77であったのに対して、2000年時点での求人倍率は0.99まで下がったとされています。

求職者1人あたり2件以上あった求人が、10年後には1人あたり1件の求人が割り当てられないまでになりました。

こうして大きな影響を及ぼした就職氷河期という言葉は、1994年の流行語大賞において「審査員特選造語賞」に選出されるなどしています。

2021年時点で37歳〜51歳前後の人たちは就職氷河期を経験して正規雇用が「失われた」事からロストジェネレーション世代、略してロスジェネ世代と呼ばれているのです。

正社員として就職出来なかったロスジェネ世代の人々は派遣やアルバイトといった非正規雇用で働かざるを得なくなっていました。

ロスジェネ世代の特徴

上記のように就職氷河期は当時の就活生に大きな影響を及ぼしたため、ロスジェネ世代にはある程度共通した特徴が見られます。

厳しいご時勢を生き抜いたロスジェネ世代は仕事やお金に対して、以下のような傾向が見られるので心に留めておきましょう。

指示に忠実で一生懸命仕事に取り組む

ロスジェネ世代は苦労を重ねて内定を勝ち取ったという人が多く、仕事に対して前向きで一生懸命に取り組むという傾向が見られます。

働く事が出来るありがたみを人一倍理解しているため、先輩や上司からの指示も忠実に遂行するというのも特徴的です。

また、厳しい就職戦争を勝ち抜くためには他の人は違う「自分の強み」を身につける事が重要になってきます。

それ故に、ロスジェネ世代は就活を行っていた当時からスキルの習得や資格取得に対して貪欲な姿勢を見せていた人が多いとも言えるでしょう。

こうした前向きな姿勢を就職してからも変わらず持ち続けているロスジェネ世代は、向上心があり優秀な人材として社内の評価も高くなる傾向にあります。

お金は備えとして蓄えるという価値観を持っている人が多い

ロスジェネ世代はお金の管理に長けている傾向が強く、将来の備えとしてしっかりと貯金をする人が多いというのも特徴の1つです。

これは就活生時代に経験した「先行き不透明な将来」に対する不安から生じていると言われています。

自分のこれからの生活基盤を支える仕事が中々決まらないという不安な状況を体感した人ならではの特徴でしょう。

車・住宅・高価な嗜好品といった大きな買い物は控えめで、堅実な人生設計を組んでいる人が多いです。

ある時期から若者の車離れやお酒離れといったキーワードがよく見られるようになりましたが、これらの質素倹約思考はロスジェネ世代から始まっているとも言われています。

こうした貯金好きの特長は一見消極的な思考にも捉えられがちです。しかし、安定感のある生活は趣味・恋愛・結婚などライフスタイルの様々なアクションに良い影響を与えていると私たちは考えます。

役職や職業など地位への関心が強い

ロスジェネ世代は役職・職業といった仕事の種類や地位に対する関心が人一倍強いと言われています。

前述したロスジェネ世代の特徴2点と深く関係してきますが、ロスジェネ世代は「向上心の高さ」と「安定志向」を併せ持つ人が多いです。

就職氷河期は誰もが安定した収入のある正社員として働けるという訳ではありませんでした。したがって、ロスジェネ世代はより一層安定した環境に身をおくために出世や昇進に積極的な傾向が見られます。

専門的なスキルを必要とする職業や会社内である程度の地位にある管理職などに就くと、その人の代わりを務めるが中々見つからなくなるでしょう。

ロスジェネ世代は日々自らのスキルを磨き、安定した仕事環境の獲得を目指す人が多いのです。

慎重派が多い

向上心が高い一方で、ロスジェネ世代には慎重派が多いという特徴もあります。

ロスジェネ世代が経験してきた就職氷河期は、限られた内定の座を多くの候補者で競い合うものでした。そうなると大企業や厚待遇の求人は倍率が高く、優秀な人材でも中々内定を勝ち取れません。

そこで当時のロスジェネ世代の多くは自分の第一希望よりも少し採用ハードルが低めの求人に応募し、出来るだけ内定がもらえる可能性を高くして就活を行っていたのです。

この事はロスジェネ世代が内定を勝ち取りやすくなるだけではなく、企業が自社のレベルに対して優秀な人材を集めやすいという現象にも繋がりました。

就職氷河期という厳しい世の中を生き抜くためにロスジェネ世代が取った策は、ある意味で就活生・企業の双方にメリットが生じたと言えるでしょう。

ロスジェネ世代以外の世代と特徴

日本ではロスジェネ世代以外にも、様々な時代の人々が「○○世代」という括りで語られる事があります。

一概にすべての人が当てはまる訳ではありませんが、それぞれの世代にはやはり大まかな特徴や傾向が見られるのもまた事実です。

ここからは世間的によく知られている「団塊世代」「ゆとり世代」「さとり世代」という3つの世代について解説していきます。

団塊の世代

1947年から1949年の間に生まれた人たちは世間的に団塊世代と呼ばれています。

1945年の終戦直後にあたる時代であり、日本全体が復興を目指す雰囲気に包まれていた時代です。

出生率が高い時代でもあるため「第一次ベビーブーム世代」「戦後世代」などと呼ばれる事もあるので併せて覚えておきましょう。

団塊世代は同い年または歳の近い人間が多く、学生時代の学業・運動や就活では激しい競争社会を生き抜いてきました。

団塊世代は戦後直後という事もあり、男性は外で働き女性は家庭を守るという風習がまだまだ強く根付いていました。

上下関係を重んじる人が多い傾向にあり、礼儀・礼節を徹底するという傾向にあると言えるでしょう。仕事においても同様で、団塊世代は上司からの指示を尊重する傾向が強いです。

これは自分が管理職などの立場になった時も同様で、部下には礼儀や自分からの指示を重視するように教育している人が多いと言えます。

また、この時代は一度入社した企業で定年までずっと働く「終身雇用」というスタイルが一般的であったため、団塊世代は会社への忠誠心が強いというのも特徴です。

ゆとり世代

「ゆとり世代」は1987年~2004年生まれで、学校でいわゆるゆとり教育を受けてきた人たちの事を指しています。

ゆとり教育とは土日を休校とする完全5日制や学習要領の見直しなどが行われた政府の施策であり、公立の小中高ではもれなく実施されていました。

とにかく知識量を増やす従来の「詰め込み教育」による学生の負担を軽減し、柔軟な思考力を育てる事を主な目的としています。

しかし、ゆとり教育の結果は学生全体の学力低下に繋がったという見識が一般的となっており、2011年には新たに見直しを行った学習指導要領が完全施行されました。

詰め込み教育から開放されたゆとり世代は自分の時間が増えたため、勉強に追われるという状況からは比較的開放された人も多いです。

そのため、時間や作業に追われるという経験が少なく受け身な姿勢の人が多いと言われています。

仕事ではいわゆる「指示待ち」で能動的に行動を起こさないという印象が強く、上の世代からのイメージはあまり良いとは言えないかも知れません。

その一方で与えられた作業や仕事は丁寧に行う傾向があり、マニュアル通りにこなすタスクであれば優れたパフォーマンスを発揮するとも言われています。

ゆとり世代は他人を思いやる気持ちに長けているという傾向も見られます。

これは思考力・人間力の成長を促すというゆとり教育の根本的な目的が実を結んでいるとも言えるでしょう。

学生時代から自分の時間を確保出来ていたため、仕事においてもプライベートの両立を重視するという人が多いです。

仕事に追われると自分を大切にする事を忘れてしまいがちで、生活における幸福度は低下していきます。そういった意味で、自分の時間にこだわりを持つゆとり世代は生き方が上手なのです。

また、ゆとり世代が成人した頃はインターネット技術やデバイスの普及によってSNSが流行し始めた時期でもあります。

チャット・通話ツールによって自宅に居ながら友人とコミュニケーションが取れるので、対面して会話しながら仕事のコミュニケーションを取る事が苦手という人も少なくありません。

一方で、パソコンやスマホといったデジタル機器の扱いに慣れている人が多いためIT系の職場では比較的重宝される世代です。

生活環境のおかげで電子機器の扱いに強いデジタルネイティブであるという点は、ゆとり世代の大きな武器であると言えます。

さとり世代

ゆとり世代とほぼ同じ年代に生まれた人たちの中でも、1996年~2005年生まれの人たちは恋愛や結婚に対する興味・願望が薄く「さとり世代」と呼ばれています。

様々な事に対して欲望が少なく、まるで悟りを開いているようである事からこのように呼ばれるようになりました。

さとり世代が生まれてから学生時代までを過ごしてきた時期は日本経済が不景気に包まれており、自分の親世代のリストラや企業の倒産など暗いニュースが多い時代でした。

そのため将来に明るい希望が持てず、出来るだけ安定した生活を送りたいと考える人が多くなっていったのです。

さとり世代は全体的に高価なモノに対する頓着が薄いと言われており、非ブランド志向の人が多いのが特徴の1つです。

さとり世代よりも上の世代では外車や高級時計を所有している事が、仕事で成功しているというステータスとして見なされる風潮が少なからずありました。

一方さとり世代の人たちはブランドのような付加価値よりも実際の使い勝手や実用性を重視する傾向が強く、口コミや評判に対してのアンテナも敏感です。

現代はモノが豊富に溢れており、様々な商品の中から消費者側が購入するモノを選ぶ事が出来ます。競合商品が多い中から品質の良いモノを見抜く「値段に関係なく、良いモノは良い」という思考が見て取れるでしょう。

また、さとり世代には合理的で現実主義な人が多く見られます。

幼少から学生時代にかけて不景気を体験してきたさとり世代は、将来に対して楽観的にはなれないというケースが多いのです。

仕事やプライベートでもあまり大きな目標は掲げず、達成しやすい小さな目標をこまめにクリアしていく傾向が見られます。

これは悪い習性ではなく、自分で設定した目標を着実にこなしていく事で達成感や自信にも繋がると言って良いでしょう。普段の買い物についてもセールや中古品などを上手く活用して節約に努める人が多いです。

ブランド品や流行モノには関心が低い一方で、自分の好きなモノや趣味には投資を惜しまないというのもさとり世代に多く見られる習性です。

例えば音楽・ゲーム・マンガやアニメといったサブカルチャー系が代表的なものとして挙げられます。

合理的で現実主義ではあるものの、ゆとり世代同様に学生時代から自分の時間を多く確保出来たさとり世代は「自分の好きなモノ」に対するこだわりが強いのです。

ネットが爆発的に普及した時代に生まれているため、検索エンジンや通信販売といったツールを使いこなして生活している人も少なくありません。

就職氷河期への備え

アメリカに端を発したリーマンショック・地震大国ならではの大震災・2020年以降の新型コロナウイルス大流行など、日本経済は国内のみならず世界からの影響を大きく受けながら日々流動的に情勢が変化しています。

経済の動きは企業の経済活動に直結しており、ひいては採用枠の増減や人件費削減にも繋がるでしょう。

こうした不安定な情勢の中では、いつまた就職氷河期が訪れるかは誰にも分かりません。

またいずれ来るかも知れない就職氷河期を戦い抜くためには、会社に安定を求めるのではなく「自分の価値を高めておく」という能動的な取り組みが重要です。

いつでも就職・転職活動を始められるようにしておくために、私たちは以下のようなポイントについて備えておく事をおすすめしています。

資格取得

就職氷河期への有効な備えとして一般的なものが「資格を取得しておく事」です。

仕事には特定の資格を持つ人だけが就く事が出来るものと、資格を必要とせず採用となれば誰でも従事出来るものの2種類が存在します。

自分が興味を持っている仕事に必要な資格を予め取得しておけば、いざ就職や転職が必要になった際にすぐ求人に応募する事が出来るのでフットワークが軽くなるでしょう。

資格を必要としない職業においても有資格者は採用試験において有利になったり、就職後の給与面が優遇されたりなどメリットが多いです。

なお、資格を取得するまでに至らなくても学習を進めておくだけで採用試験時のアピールポイントになる他、自身の知識量を向上させる事が出来ます。

職業に強いこだわりがある訳ではなく、就職・転職の成功率を上げたいのであればIT系の資格を勉強しておくのがおすすめです。

IT業界は現代社会において必要不可欠とも言っても過言ではありません。しかしエンジニアの人口が需要に追いついておらず、慢性的な人手不足が問題となっています。

業界未経験者でも採用している企業は少なくありませんが、資格を取得しておけば採用の可能性はグッと上がるでしょう。

業界での評価が高い資格としては「ITパスポート」「基本情報技術者」「応用情報技術者」「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」などが挙げられます。

国家資格など難易度の高いものも多いですが、まずは出来る範囲で学習を進めてみましょう。

現職で成果を上げ会社に必要とされる人材になる。

既に正社員として会社勤めをしているのであれば、その会社で成果を挙げ続けて「会社にとって必要な人」になるというのも1つの手段です。

就職氷河期が訪れると企業はまず人件費の削減に乗り出します。既存社員のボーナスカットや現場の人員配置削減などが手始めとなるでしょう。

それで何とか会社が回れば良いですが、状況が打開できなければリストラという選択肢も考えられます。

万が一そうなってしまった場合、会社に解雇されないようにするには「自分がその会社にとって無くてはならない存在」になっておく必要があるのです。

ハードルが高そうに思えるかも知れませんが、難しく考える必要はありません。何か大きなプロジェクトを成功させるのではなく、日々の積み重ねが重要です。

例えば「1日あたりの販売・営業ノルマを確実にこなす」「率先して意見を述べる」「資格を取得するなどスキルの向上に努める」などが挙げられます。

転職活動を行う

就職氷河期には「深く考えずにとりあえず転職活動を行ってみる」というのも有効な手段となる場合があります。

ただしこれは「適当に転職活動を行って内定がもらえたら会社を移動する」というものではありません。大切なのは「転職活動の中で自分の価値を知る」という事です。

転職活動では「自分という商品」を企業に売り込む事が求められます。

自分の長所や短所、自分という人材がその企業にとってどのようなメリットに繋がるのかをアピールする必要があるのです。そのためには自分で自分の事を正しく理解しておく事が重要になります。

一般的に、転職活動では採用試験に臨む前に「キャリアの棚卸し」という作業を行います。

キャリアの棚卸しとは「自分の今までの経験を振り返り、自分の興味関心や性格を把握する」事です。

学生時代の取り組みやアルバイトで頑張った事など、自分が人生で体験してきたものであれば棚卸しの対象となります。

キャリアの棚卸しで出揃った情報を基にして自己分析を行う事で、自分自身を客観的な視点から見る事が可能になるのです。

実際に採用試験を受けてみると「この業界には自分は必要とされていない」「この企業の風土には自分がマッチしている」「この職種には自分のスキルや知識が必要とされている」といった具合に、自分の市場価値というものが見えてきます。

就職氷河期への備えとして行う転職活動は「必ず仕事を変える」というものではなく、「自分の市場価値を把握する事」が目的であるという認識を持っておきましょう。

まとめ

日本のビジネス界は終身雇用制度が長きに渡って常識となっていました。

しかし現代人の働き方やライフスタイルの多様化に伴って、転職やキャリアアップによって自分の価値を高めたり働きやすい環境へ身を移すという欧米型のジョブスタイルが浸透してきています。

働き手ひとりひとりが自分の強みや価値を理解し、それらを活かして働いていく事が重要になってくるでしょう。

就職や転職においては自分自身の理解はもちろんですが、気心の知れた友人・家族や転職の専門家からの助言も重要な要素です。

不安を抱えたまま採用試験に臨むのではなく、私たち第二新卒エージェントのような転職エージェントを活用してみてください。

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