圧迫面接のサインは?面接中何を見られている?
就職・転職活動において、面接試験は避けられない関門と言っても過言ではありません。
面接では、企業が応募者の本質を見極めるために様々な工夫を凝らしていますが、「圧迫面接」と呼ばれるスタイルもその1つです。
圧迫面接はどこの企業でも実施しているものではありませんが、いつ遭遇しても対処出来るように準備しておく事が重要となります。今回は、圧迫面接の概要・目的・具体的な対策方法などを見ていきましょう。
この記事のまとめ!
・圧迫面接は目的を持って意図的に行われている
・サインがあるので圧迫面接だと感じたら落ち着いて対処することが重要
圧迫面接とは?
圧迫面接とは、企業の面接担当者が応募者に対してわざと答えにくい質問を投げかけたり、やや高圧的な態度でプレッシャーをかけたりする面接形式の事を言います。
大手就職支援サービスである「リクナビ」が入社1~3年目の正社員を対象に行ったアンケートでは、約60%の応募者が圧迫面接を受けた経験があるという結果が出ました。
労働環境や就労コンプライアンスの観点から圧迫面接を実施している企業は減少傾向にあると言われていますが、それでもなお半数以上の就活生が圧迫面接を経験しているということです。
就職活動ではいくつもの企業に応募して内定を勝ち取るというのが一般的となっているため、その中の一部が圧迫面接を行っている可能性は低くないと言えるでしょう。
圧迫面接は企業側が明確な意図を持って行っているのが一般的ですが、稀に威圧的な社風がそのまま面接官の態度や言動に表れて「結果的に圧迫面接になっている」というケースもあります。
圧迫面接に対する正しい知識と観察眼を身に付けておけば、応募者側も企業の本質を見極められるようになるでしょう。
なお、圧迫面接というスタイルは元々アメリカで誕生したと言われており、日本以外の国々では「stress interview(ストレスインタビュー)」という名前で呼ばれています。
圧迫面接の目的
企業側としては、意味も無く応募者に対していじわるをしている訳ではありません。圧迫面接を実施するにはそれなりの理由が存在しています。
こうした企業側の目的を知っておく事で、自分が何を求められているのかを理解し、振舞い方を考えるきっかけになるでしょう。圧迫面接における企業側の目的は次の通りです。
ストレス耐性のチェック
海外での呼び名が「stress interview」である事からも分かるように、圧迫面接の主な目的としてはまず「応募者のストレス耐性を見る」という点が挙げられます。
社会人として働いていれば、人間関係・取引先とのやり取り・多忙なスケジュールなど様々な要因からストレスを感じる場面も少なくありません。
せっかく雇用した新入社員が早々にストレスを原因に退職してしまっては、企業としても大きな痛手となります。
そのため、面接の段階から可能な限りストレス耐性をチェックしておくために、圧迫面接を実施している企業も多いです。
コミュニケーション能力のチェック
圧迫面接は「応募者のコミュニケーション能力」を測る際にも用いられますので覚えておきましょう。
圧迫面接では応募者に対してプレッシャーをかけるだけではなく、応募者に対してあえて興味を示さないというパターンも存在します。
この場合、応募者は面接官に対して「自分を売り込む」というコミュニケーションを能動的に行う事が必要です。
こうしたコミュニケーション能力は取引先との商談や社内でのプレゼンテーションでも重要になってくるため、圧迫面接で見極めようという企業も少なくありません。
思考力・対応力のチェック
「応募者の思考力・対応力を見極める」というのも、圧迫面接の大きな目的の1つです。圧迫面接は、一般的な面接に比べれば応募者にとってイレギュラーな状況であると言えます。
仕事においては、仕様や納期の変更、前例の少ない問い合わせ対応などイレギュラーな業務内容にその都度対応しなければならない事も多いです。
圧迫面接では、フレキシブルな対応に必要な対応力と的確な振る舞い、言動を導き出すための思考力が見られているという意識も持っておきましょう。
応募者の本音を引き出したい
圧迫面接は、企業が「応募者の本音」を面接段階からチェックするための貴重なアプローチ方法です。一般的な面接はよくある質問例などを参考にして、応募者がある程度の対策を講じている事が予想されます。
応募者は他の応募者との差別化を図るためにオリジナリティの高い回答を心がけていますが、作られた回答ではなく応募者の本質的な人間性が見たいという企業も珍しくありません。
圧迫面接での質問は想定していない応募者も多いため、圧迫面接を実施している企業は土壇場での言動から応募者の本音を引き出そうと試みていると考えられます。
圧迫面接は新卒だけ?
世間的に圧迫面接は新卒採用における施策であるというイメージが強いですが、中途採用でその心配がないのかと言えばそうではありません。
リクルート社が実施した「企業面接で志望度が下がった対応は?」というアンケートに対して、約40%の正社員が面接官の態度や雰囲気に不快感を抱いた経験があると回答しています。
この回答者の中には、転職経験者や第二新卒からの採用者も多く含まれています。
このすべてが圧迫面接による不快感であるとは限りませんが、一定数の中途採用者が圧迫面接を体験している可能性は高いと言えるでしょう。
一般的な傾向として、圧迫面接は新卒者に対して行われるケースが多いのは事実であるというのが私たちの所見です。
社会人経験の無い新卒者の場合、直接対面出来る貴重な機会である面接では仕事におけるコミュニケーション能力や思考力・対応力が重要視される傾向があります。
これに対して中途採用者の場合、企業としては即戦力を欲しているケースが多いため、応募者がこれまで培ってきたスキルや実績を重要視するのが一般的です。
とは言え、中途採用でも圧迫面接が行われる可能性は十分にありますので注意しておきましょう。
圧迫面接のサイン
何となく面接官からのプレッシャーを感じても、それが圧迫面接であるかどうかの判断がつかなければ適切な対応を取るのは難しいでしょう。
圧迫面接はイレギュラーな面接スタイルではあるものの、その内容にはいくつかのパターンが存在しています。ここでは、圧迫面接に動じないためにも代表的な例を確認していきましょう。
「なぜ」を繰り返される
内容の深堀りと精神力のチェック
圧迫面接では、応募者の受け答えに対して面接官が「なぜ?」「どうして?」としきりに問い詰めるというパターンが多いです。
単純に面接官が質問の内容を掘り下げたいという場合もありますが、圧迫面接では応募者にプレッシャーをかけても正常な思考・言動をキープ出来るかどうかを見極めています。
応募者は面接という限られた時間の中で自分をアピールする必要があるため、回答には細心の注意を払って内容を練っているのが基本です。
それに対して、面接官から「なぜ?」「どうして?」という疑問を立て続けに投げかけられると、応募者は「自分の受け答えが間違っていたのだろうか」という不安に駆られてしまう傾向があります。
自分の回答に対して「なぜ?」「どうして?」が続いていたら、圧迫面接が行われている可能性が高いと思いましょう。
背景には面接官の教育事情も
面接において「なぜ?」「どうして?」が繰り返されるのには、企業が面接官を教育する際の指導方針も影響していると言えるでしょう。
面接では「応募者が口にしていない内容を憶測して判断を下さない」という事が原則となっています。したがって、面接官が適切な判断材料を得るために「なぜ?」「どうして?」という問いかけを繰り返す場合があります。
この場合は圧迫面接という意味合いは薄く、場慣れしている面接官であれば応募者に過度なプレッシャーをかけないようにという配慮から「その原因は?」「きっかけは?」といった具合に言い回しを変えて内容を掘り下げる事も少なくありません。
態度や表情など言語以外の情報
視覚的なプレッシャーのかけ方
圧迫面接のサインは面接官の言動だけではなく、その態度や表情にも表れますので注視してみましょう。
例えば、「面接官がほとんど笑顔を見せない」「露骨にそっけない態度を取っていてリアクションも薄い」「応募者の顔ではなくパソコン画面ばかり見ている」などがその代表的な例です。
応募者からしてみれば、面接官にこのような態度を取られると「自分に興味を持ってもらえていない」という考えに陥ってしまい、受け答えに自信を持てなくなってしまうでしょう。圧迫面接の面接官はこの心のスキを狙っているのです。
発言を否定される
「応募者の回答・発言をとにかく否定する」という面接官にあたった場合は、圧迫面接の可能性が特に高いサインであると言って良いでしょう。
発言の否定は応募者のコミュニケーション能力・ストレス耐性・論理的思考など、圧迫面接で企業がチェックしたい項目の多くをカバーしています。
逆に言えば、否定した内容に対して応募者が的確な返事を返せれば、これらの条件を一度にクリア出来る可能性も高いです。
日常生活では、相手との会話のキャッチボールや相槌など自分の発言がある程度受け入れられているという安心感の下でコミュニケーションが進んでいきます。
圧迫面接では、逆にどんな返答に対しても否定されるという異常な状況下で、応募者の適性やスキルが試されると心得ておきましょう。
その他
圧迫面接では、「面接官が矢継ぎ早に質問を行う」というパターンもあります。企業研究や面接対策によって応募者がある程度解答内容を用意出来るとは言え、その数にも限度があるでしょう。
想定外の質問や短時間で回答をまとめる事が難しい質問などを立て続けに行い、応募者がパニックに陥らないかどうかを見極めています。
応募者の受け答えに対して「なぜ?」「どうして?」という質問が返ってくるパターンとは異なり、このパターンでは面接官側が事前にある程度の質問を用意しておく必要があります。
企業側としても手間がかかるため、圧迫面接のパターンとしてはあまり多くはありません。
圧迫面接の対処法3選
圧迫面接は、ただでさえ緊張する面接試験という場で予告もなく行われます。
そのため、いつ圧迫面接が行われても動じないように、ポイントを押さえて心構えを整えておく事が重要です。圧迫面接に有効な対処法には主に次の3つが挙げられます。
悪意はないため、普段の面接と変わらず対応
圧迫面接は、基本的に「企業側に応募者を貶めるような悪意は無い」という事が前提です。そのため、一般的な面接と同じ様に平常心で臨むというのが有効な対処方法であると私たちは考えます。
簡単に言うと、「面接官は仕事でいじわるを言っている」と割り切って自分がすべき事に集中しましょう。
圧迫面接によるいじわるな質問や横柄な態度を逐一真に受けていると、面接中にストレスや不安が募って自分のベストパフォーマンスを発揮出来なくなってしまいます。
これではせっかく入念に行った面接対策も台無しです。稀なケースですが、面接中に体調を崩して途中退室してしまったという事例も報告されています。
しかし、圧迫面接はそもそも「企業側が(不本意ながら)応募者にプレッシャーをかける」という事を前提に組まれた面接スタイルです。
それが分かっていれば、ある程度の不快感を受け流す事も不可能ではありません。あくまでも面接官はロールプレイを行っているものだと認識して、高圧的な態度や言動は極力気にしないように振舞うことを心がけましょう。
圧迫面接では「平然としている態度が気に食わないから不採用にする」といった事はありませんし、むしろストレス耐性を証明出来ると言えます。特別な対策を講じるのではなく、「いつも通り」が最善策になると覚えておきましょう。
あえて、質問の余地を残し回答する
「いつも通りを心がける」だけではどうしても不安が残る人も多いでしょう。そんな場合はやや高度な取り組みになりますが「質問に余地を残した回答を準備しておく」という対処法がおすすめです。
これは圧迫面接における「なぜ?」「どうして?」の応酬に対して特に有効となります。
面接官が応募者の受け答えに対して「なぜ?」「どうして?」で聞き返して来るという事は、まだその回答に発展・補完の余地があるという事でもあります。
つまり、面接官からの最初の質問に対してわざと疑問の余地を残しておく事で、その後に「なぜ?」「どうして?」が返ってくるように仕向けられるというわけです。
「なぜ?」と聞き返される事が分かっていれば、応募者としても落ち着いて対処出来るようになるでしょう。
例えば、面接試験において定番である「なぜ弊社を志望しましたか?」という質問に対しては、「自分は昔から○○の××という点に魅力を感じて□□の継続的な取り組みを行っており、御社の△△事業にその経験が活かせると思い志望致しました。」などが1つの模範解答となります。
この回答では「きっかけ(○と×)」「具体的エピソード(□)」「企業貢献(△)」といった要点が押さえられており、「なぜ?」でツッコミが入るとすれば重箱の角を突くような形になってしまうでしょう。
しかし、ここでわざと具体例の中の「××」というポイントを抜いて回答しておけば、「なぜ○○に興味を持ったのですか?」という面接官の問いかけに誘導出来る可能性が高くなります。
こうなれば、予め回答を用意して落ち着いて回答する事が出来るでしょう。よくある質問に対してだけでもこうした仕掛けを用意しておくと、圧迫面接には対応しやすくなります。
淡々と聞かれたことのみに答えていく
圧迫面接ではとにかく感情を押し殺して、淡々と聞かれた事に答えていくという心構えも大切です。本来、面接の場で暴言染みた言動や横柄な態度を取る事はあってはなりません。
場合によっては応募者が企業に対して抱くイメージに繋がるため、企業としてもリスクが高くなります。
そのギリギリのラインを攻めて企業が圧迫面接を行うのには、前述のようにそれなりの理由があるからです。高圧的な面接官に対してその都度反応してしまっては、それこそ向こうの思う壺と言って良いでしょう。
どうしても納得いかないような態度や言動があった場合には、早々に割り切って淡々とした受け答えで切り抜けましょう。
この際に、不機嫌な素振りを見せてしまわないように気をつけます。仮に内定をもらったとしても、必ず入社しなければいけない訳ではありません。
他に良い企業からの内定をもらえれば、そちらを優先しましょう。内定を勝ち取る事も大切ですが、自分を守るための心構えを持って圧迫面接に臨むことが大切です。
まとめ
一般的な面接ではもちろんの事、表情や振る舞いが特に注視される圧迫面接の対策には第三者による模擬面接が有効です。
自分では得意なつもりでも、第三者に見てもらう事で意外な弱点が発覚するというケースも珍しくありません。面接対策は数をこなす事もまた大切です。
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