今さら聞けない、名刺交換のやり方の基本|初心者がやりがちなマナー違反行為も
ビジネスマンにとって欠かせないアイテムはいくつかありますが、中でも名刺は重要視されるものの1つです。
名刺は取引先や顧客に差し出したり交換したりする機会が多いため、マナーをしっかり押さえておく事が大切になります。
名刺に関するマナーは基本中の基本、今さら誰かに聞きにくいという人も多いでしょう。
そこで本記事では名刺交換の作法や初心者が間違えがちなマナーなどを紹介していきます。
名刺の役割
現代では様々な情報がデジタル化され、IT技術の進歩によって便利な世の中となりました。
そんな中でも一枚の紙である名刺が未だにビジネスシーンで重要視されているのは、名刺が「ビジネスにおける身分証明書」としての役割を果たしているからです。
名刺には一般的に「氏名」「社名」「所属部署」「役職」「連絡先」といった要素が記載されています。
名刺一枚を相手に渡すだけで自分が何者なのかを証明する事が出来るため、その時点で社会的な信用が得られるのです。
どこの誰だか分からないような相手に、大事なビジネスの話をしようという人はいないでしょう。
取引先や顧客は基本的に商談相手となるため、まずは名刺で身分を証明して信用してもらう必要があります。
また、名刺はビジネスマン同士のコミュニケーションツールとしての側面も持ち合わせています。取引先に挨拶を済ませるだけであればメールや電話でも十分事足りるでしょう。
しかし自分の顔と名前をすぐに覚えてもらうためには、直接対面して名刺を手渡すのが手っ取り早いです。
自分の身の上を口頭や文章で説明するよりも、名刺一枚に集約する事で効率的な情報伝達が可能になります。
名刺交換を済ませたら、その場である程度ビジネスの話や世間話で交流を深める事も出来るでしょう。名刺はビジネス的な関係を構築するための最初の一手として便利なツールなのです。
名刺の扱い方の基本マナー
名刺交換の原則は「相手に失礼のないようにする事」です。まずは鉄則として「名刺は両手で扱う事」を意識しましょう。
これは自分の名刺を相手に渡す時も、相手から名刺を受け取る時も共通です。
ただし、相手と同時に名刺を差し出して交換するケースでは「右手で差し出して左手で受け取る」という原則があるので覚えておきましょう。
相手の名刺を手に持つ際は「自分の胸の高さで持つ事」を徹底してください。これは相手の名前が入ったものを下に持つと失礼にあたるためです。
名刺交換のやり方
名刺交換は時間にしてみれば3~5秒程度ですが、この短い時間の中には気をつけておきたいポイントがいくつも存在しています。
また、名刺交換の前後でも意識しておくべきマナーがあるため適度な緊張の糸を切らさない事も大切です。ここで名刺交換の基本的な流れとポイントを押さえておきましょう。
名刺の準備
名刺交換のマナーは実際に名刺を渡す前段階から始まっていると思いましょう。準備段階ではまず「名刺をすぐに取り出せる位置にしまっておく事」が重要です。
いざ名刺交換するタイミングで中々名刺が取り出せないと、相手を待たせてしまい失礼にあたります。相手の心象が悪くなるとその後の商談にも響き兼ねないので、実は重要なポイントなのです。
名刺は相手の姿が確認出来たらすぐに取り出せる場所、具体的には上着の胸ポケット内やカバンの取り出しやすい位置にあるポケットにしまっておくと安心でしょう。
取引先の人数が予め分かっているのであれば、人数分の名刺を用意出来ているかも確認しておくと安心です。
名刺を渡す
名刺を渡すタイミングではまず前述のように両手で持ち、記載されている情報が隠れないように気をつけてください。
名刺の向きは「相手から見て正しく読めるように渡す」のが鉄則です。この際に自分の会社名・部署名・フルネームを口頭で伝える事も忘れないでください。
名刺を見れば分かる事とは言え、自分の口で自己紹介するのも大切な礼儀です。
相手が名刺を差し出すのと同時にこちらの名刺も差し出すケースでは、相手の名刺よりやや低い位置で差し出す事で謙虚な姿勢を示す事が出来ます。
名刺を受け取る
相手の名刺を受け取る際には「頂戴致します」と一言伝えるようにしましょう。無言で名刺を受け取られる事は、あまり気持ちの良いものではありません。
また、相手方が名乗ってくれたら復唱して「〇〇様ですね、よろしくお願い致します」と返しましょう。
こうしたちょっとした一言がお互いの良好な関係を築くためのポイントなのです。
そういった意味では、名刺のデザインや相手の氏名に着目して「凝ったデザインですね」「素敵なお名前ですね」といった具合に一言付け加えておくと緊張が和らぐでしょう。
スムーズに商談に進む事が出来れば契約のハードルも下がります。ビジネスのノウハウは、こうした小さなコミュニケーションの積み重ねにもあるのです。
名刺交換後
受け取った名刺は「自分の名刺入れの上に重ねて置く」というのが原則となっています。これは相手から受け取った名刺を丁重に扱っているという姿勢を示すためです。
座って商談を行う場合はテーブル上の自分から見て左側に置いておきます。立って話す場合は自分の名刺入れに重ねたまま胸元あたりで持っておきましょう。
また、名刺を交換した相手には後日お礼のメールを入れておくと丁寧な印象を与えられます。相手に手間を取らせないために電話ではなくメールで済ませるというのがポイントです。
名刺交換のマナー
名刺交換の基本的な流れや作法は前述の通りですが、細かいマナーは他にもまだまだあります。
「そこまで見ている人いるの?」と感じる人もいるかも知れませんが、特に役職が高くなるとマナーに厳しい取引先も少なくありません。
ビジネスマンにとって第一印象は今後を占う重要なポイントであり、万全を期しておきたいところです。私たちは名刺交換において以下のマナーも押さえておく事をおすすめしています。
立場が下の人から上の人に渡す
名刺交換には「立場が低い人から上の人に渡すのが先」という暗黙のルールが存在します。ここで言う立場の低い人は役職的な意味ではなく「訪問する側」という事なので注意しておきましょう。
相手方を訪問した際には自分から進み出て名刺を差し出すように心がけてください。また、自分が名刺交換を申し出る前に相手方から名刺を渡されるというケースもあります。
訪問する側としては荷物を整理する時間も必要になるので、これ自体は珍しい事ではないと言えるでしょう。先に相手から名刺をもらったからといって慌てる必要はありません。
先方も承知の上で先に名刺を用意している場合が多いので、まずは落ち着いて名刺を受け取った上で「申し遅れました」と一言お詫びして自分の名刺を渡しましょう。
複数人で出向く場合は上司から先に交換
複数人で名刺を交換する場合は、役職が高い人から順番に名刺交換するのが通例です。
このルールは自社・相手方共通にルールになるため、複数人同士での名刺交換は「お互いの上司同士」から始まります
そこから「自分と相手方上司」「自社側上司と相手方担当者」「自分と相手方担当者」の順番で名刺交換が進んでいくのが一般的です。
自分1人と相手方複数の場合は、相手方で役職の高い人から順番に名刺を渡していきましょう。
相手方の誰が役職の高い人か分からない場合でも、自分が進み出たタイミングで相手方も優先順に申し出てくれるので心配ありません。
一番役職が高い人の名刺を名刺入れの上に置く
受け取った名刺は名刺入れの上に重ねる事が基本的なマナーですが、相手方が複数人の場合はすべての名刺を重ねる訳にもいきません。
この場合は相手方の中で一番役職が高い人の名刺を名刺入れの上に重ねて置くようにしましょう。
それ以外の名刺は基本的にはテーブルの上に並べて置きます。この時、席に座っている順番に並べてテーブル上に置くとすぐに顔と名前が一致するようになるので失礼もなくおすすめです。
ただしあまり広くスペースを取って並べるのは控えましょう。わざわざ並べるのに時間がかかってしまうのもNGです。
あくまでさりげなく整える事を意識してください。書類などで机上にスペースに余裕がないといった場合は、相手方に一言断りを入れた上で名刺入れにしまいます。
名刺は商談が終わってからしまう
受け取った名刺はすぐにしまわずテーブルの上に置くか、立っている状態であれば胸元で抱えるのが基本です。
名刺をしまうタイミングは原則として「商談が終わってから」である事を念頭に置きましょう。
その際には改めて「頂戴致します」と一言付け加えておくと好印象に映ります。
相手が自分の名前を覚えてくれたタイミングでしまうというのも1つの例ですが、基本的に名刺をしまうというのは商談の終了を示唆する動作でもあるためその場の雰囲気を読む経験則が必要です。
基本的には「相手方が名刺をしまうタイミング」に合わせて自分もしまい始めるのが無難であると言えるでしょう。
その他
名刺交換はつい手元の所作に気を取られてしまいがちですが、要所では「しっかり相手の顔見て話す」という事を意識しておきましょう。
名刺のやり取りとは言え自己紹介や名刺を頂戴する際の一言など、言葉を発する機会は少なくありません。ボソボソと聞き取りにくい発声や、相手の顔を見ずに話してしまうと印象が悪くなってしまいます。
逆に相手の顔を見ながら明るい表情でハキハキと会話する事が出来れば、その後の商談も雰囲気が良くなると言えるでしょう。
特に相手から名刺を受け取った直後はその名刺に目を通す必要があるため、思わずうつむいたまま会話を進めてしまいがちです。名刺の内容を確認したら一度顔を上げるクセを付けておくようにしましょう。
名刺交換でよくあるマナー違反行為
名刺交換は大切な取引先と直接やり取りする場であるため、ある程度場数を踏んでいないと緊張してしまうという人も少なくありません。
そのため、慣れていない人ほどうっかりやってしまいがちなマナー違反の例はある程度テンプレート化されていると言っていいでしょう。
初対面の取引先に良い印象を与えられるように、以下のようなありがちなマナー違反を把握して適切な名刺交換を心がけましょう。
つい座ったまま名刺交換をしてしまう
名刺交換は原則的に立って行うのが礼儀とされており、座ったままでのやり取りはマナー違反となります。特に相手先を訪問してしばらく待機時間がある場合にやってしまいがちなミスです。
名刺を交換する際には起立して、相手とやり取りしやすい距離感を保つ事を心がけてください。
ケットに忍ばせた名刺は折れ曲がったり汚れたりする可能性が高く、そのような名刺を相手に渡すのも失礼になります。相手に渡す名刺は必ず名刺入れに保管しているキレイなものを使用してください。
なお、名刺入れにしまっておけば絶対安心という訳でもありません。定期的に名刺入れの中を確認し、汚れたり折れたりしているものは外しておくようにしましょう。
名刺入れが美しくない
名刺本体や渡し方に気を取られると、意外と見落としがちになるのが名刺入れです。名刺入れは名刺の受け渡しの際やテーブルに置いている間など、相手の目に入るタイミング・時間が多いアイテムであると言えます。
自分の名刺だけでなく取引先の名刺も収納しておくものなので、名刺入れが汚れていると印象が悪くなってしまうのです。
名刺入れはステンレスや本革など、商品によって様々な素材が使用されています。汚れ方や破損の仕方も素材によって異なるため、手入れの方法もそれに合わせる必要があるでしょう。場合によっては買い替えを検討する事も大切です。
もらった名刺を忘れる
新入社員がやってしまいがちなのが、相手方から受け取った名刺をそのまま忘れて帰ってしまうというマナー違反です。
相手方を訪問して商談した場合には特に注意が必要であり、取引先の信用を大きく損なってしまう可能性があります。
後からフォローが難しいミスであるため、取引先を訪問した際には忘れ物のチェックを厳重に行うよう心がける事が重要です。
自分が気をつける事はもちろん、同じく新入社員の同僚や後輩などが同伴している場合には気を遣ってあげると良いでしょう。
その他
ビジネスの場では何かと準備する事が多く、商談の場でも人の出入りが多いというケースもあります。
名刺交換はその場に応じてタイミングを見極めるというのも立派なマナーです。例えば相手方の準備が整っていないにも関わらず、こちらから歩み寄って名刺交換を申し出てしまうのもマナー違反であると言えます。
逆に中々タイミングが見出せずに商談が進んでしまい、結局名刺を交換出来なかったというのも良くありません。
はじめの方に名刺交換を済ませておきたい場合は相手の準備が整ってから、タイミングを逃してしまった場合でも最後に「遅くなってしまい申し訳ありません」「恐れ入りますが、お名刺を1枚頂戴してよろしいでしょうか」などと断りを入れて名刺交換を申し出ましょう。
今の環境でマナーが身についていなければ
営業職などの立場に関わらず今回ご紹介したマナーは社会人に必須のスキルです。
現状名刺交換する機会がなく、必要ないと思っている方もこの先の社会人人生が同じ役職・同じ仕事内容ということは無いでしょう。
仮に30代で責任者のポジションに就き、お客様と関わりを持つようになったタイミングで名刺交換の知識や経験がなければ今更誰かに教えてもらうわけにもいかず苦労するかもしれません。
また転職を検討していて、これらのマナーが身についてない場合も本記事の内容を理解するだけでなく、実際に練習するなどして自然に行えるようにしておきましょう。
更に転職の場合は郵送物や面接など各所にマナーがあります。これらの内容も体に思えさせ自然に行えるようにしましょう。
マナーの習得にはエージェントサービスの利用をおすすめします。転職活動を進めながら、マナーの習得も担当キャリアアドバイザーのフォローで身に付けることが出来ます。
私たちが行うエージェントサービスを始め、多くのサービスで転職成功まで無料でサポートしてもらえるので有効に活用するようにしましょう。
おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。
しかしどうしても自分の良いところや強みがわからないときにはぜひ、私たち第二新卒エージェントneoに頼ってください。これまで多数の内定者を輩出した確かな実力を持ってあなたの性格を分析、そして安心して働ける求人をご紹介致します。共に楽しい仕事探しを成功させましょう!