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ナマポとは?語源やナマポが話題になった背景を解説!

生活保護に関するネットスラングとして、「ナマポ」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

ナマポは「生活保護だけもらって働かない怠け者」という意味で使われることも多くなっています。

ただ、その語源をたどれば生活保護や日本社会の課題が見えてくるでしょう。この記事では、ナマポの本来の意味や語源、話題になった背景などを解説していきます。

ナマポとは

SNSやネットの匿名掲示板に詳しくないと、ナマポという言葉そのものになじみがない人もいるでしょう。この段落ではまず、ナマポの意味について説明します。

語源は「生活保護」

そもそもナマポとは「生活保護」や「生活保護受給者」という意味のネットスラングでした。語源は生活保護の略語である「生保」からきています。

もともと「生保」は「せいほ」と読まれていたものの、あえて「ナマポ」とすることでスラングの意味合いが強くなっているといえます。

ナマポは時代とともに本来の意味を離れていき、生活保護受給者を揶揄したり、不正受給者を批判したりするニュアンスで使われるようになりました。そのため、ナマポを蔑称だとする意見もあります。

ナマポの例文

ほとんどのケースで、ナマポはネガティブな文脈で用いられています。

たとえば、「ナマポよ、ちゃんと働けよ」などの投稿は、SNSや匿名掲示板で少なくありません。さらに「ナマポになれるなんて運がいいな」というように、皮肉として使われていることもあります。

ただし、ネットユーザーの間でだけ共有されているスラングなので、日常生活で口にするのは相応しくないといえるでしょう。

生活保護制度について

ナマポという言葉が登場し、攻撃的な意味に変わっていった背景を知るには生活保護制度を理解しなくてはなりません。ここからは、生活保護制度の概要やメリットなどを解説していきます。

生存権を守るためのシステム

憲法で定められた国民の生存権を守るために、国が設けている援助の仕組みが「生活保護」です。

そもそも生存権とは、憲法第25条によって全日本国民に認められている権利です。同条には国が「すべての国民に対し健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障」しなくてはならないと記されています。

健康状態や年齢、経済力などによって、生存権が脅かされることを国は認めていません。そして万が一、生存権が脅かされる状態になったら国民は生活保護を受けることが可能です。

生活保護の原理

国が生活保護制度の内容を定めた「生活保護法」では、4つの基本原理が示されています。

まず、「国家責任の原理」があり、国は困窮者の生活を支えて、自立させる責任を持っています。

次に、「無差別平等の原理」も重要です。生活保護制度は社会的身分、性別や困窮の原因に関係なく適用されます。

さらに、「最低生活保障の原理」により、国民は健康で文化的な水準にいたるまで保護を受けられると決められています。

最後に「保護の補足性の原理」には注意しなくてはなりません。

国民は生活保護を受ける前に、資産や自身の能力などを活用することが求められています。これらを経て、それでも困窮状態が続いていた場合に保護を受けられる流れです。

生活保護の原則

原理とは別に、生活保護には4つの基本原則もあります。1つ目の原則が「申請保護の原則」です。生活保護は困窮者自身が申請してようやく受けられます。

生活保護の権利は申請によって、「行使された」とみなされます。2つ目が「基準及び程度の原則」です。

生活保護の基準や程度は、困窮者が健康で文化的な最低限度の生活水準を満たせる金額として表されます。すなわち、最低限度の生活水準と実収入の差額が生活保護によって援助される形です。

3つ目が「必要即応の原則」です。生活保護は必要に応じて給付額が決まる制度です。そのため、困窮者の状況、生活能力などによって個人差が生まれます。

そして4つ目が「世帯単位の原則」です。生活保護が必要かどうかの判断は世帯単位で行われます。

仮に困窮者に十分な収入を確保している親族がいる場合は、生活保護を却下される可能性も少なくありません。その一方で、「世帯分離」といって困窮者と家族を切り離して考えるケースもあります。

生活保護の対象者と金額

厚生労働省の定める最低生活費に収入が達していない人は、生活保護を申請可能です。

ここでいう最低生活費は、憲法第25条に基づく、居住エリアや同居人、健康状態などから算出される額のことです。

最低生活費は「〇〇市の1人暮らしで障害なしの人は~万円」といった形で決定します。その額に収入が満ちていなかったら、生活保護で差を補填してもらえるという考え方です。

ただし、生活保護制度には「保護の補足性の原理」があるので、申請さえすればすぐにもらえると限りません。

マイカーやマイホーム、貯金や年金、保険金などを生活費に充当し、それでも困窮している人に生活保護のお金は支払われます。人によって額は変わってくるものの、月10万~20万円ほどが生活保護の目安だといえます。

生活保護を受けるメリット

困窮者の生活が楽になるのは最大のメリットです。なぜなら、生活保護は基本的な生活や住宅の扶助から養育費、教育費、出産費など、さまざまな支出をサポートする制度だからです。

さらに、生活保護には就職支援の正業扶助や、葬祭の実費が給付される葬祭扶助も含まれます。

収入が少なくて生活が不安な家庭も、生活保護によって救われることは珍しくありません。また、病気や老齢などの理由で働けなくなり、収入が落ち込んだ人も生活保護は援助してくれます。

定収入だとお金を借りることすら難しくなるので、生活保護は貴重な命綱になりえます。そのほか、生活保護受給中には税金や保険料、医療費などが免除されるのもメリットです。

ナマポという言葉が生まれた背景

生活保護や生活保護者への侮蔑を含んだナマポという言葉が生まれたことには複雑な背景があります。

ネットで自然発生したスラングなのではっきりとした拡散の原因は分かっていないものの、大体の流れはつかんでおきましょう。ここからは、ナマポが生まれ広がっていった経緯を説明します。

受給者の数が増加

困窮に悩み、生活保護を受給するようになった人々の増加は、ナマポの誕生に関係している可能性があります。

数字を出すと、厚生労働省が2017年に発表した「生活保護制度の現状について」において、1995年に約88万2000人だった生活保護受給者の数は2014年には約214万人になりました。

その後、ゆるやかな減少傾向にはあるものの、独立行政法人・労働政策研究・研究機構の調べでは2020年6月時点で206万人を超えていました。

生活保護申請の機会が増えたことで、ネットユーザーの関心も大きくなっていったと考えられます。

若者層の不安が拡大

日本中で生活保護制度が注目され、インターネット上でナマポという言葉が生まれたのは2000年以降でした。

なぜなら、この頃から若者層を中心に、生活苦が問題となっていったからです。

総務省統計局の調査によると1990年におよそ881万人だった非正規雇用者は、2014年には2倍以上の1962万人に増加しています。

正社員として終身雇用を受けられる若者の比率は少なくなり、将来への不安はどんどん大きくなっていきました。

「ネットカフェ難民」という現象が目立ち始めたのもこの時期です。家賃すら払えなくなり、賃貸物件を追い出された若者たちの一部はアルバイトを転々としながらネットカフェに住むようになりました。

若者にとって貧困は身近な恐怖になり、「稼ぎたくても稼げない」という悩みが深刻化していきます。

こうした状況下で、「生活保護制度は不公平だ」と感じる層が多くなっていったと考えられるのです。生活保護制度の実態についての意見がネット上で飛び交う中、ナマポというスラングも使われるようになりました。

生活保護制度の矛盾に怒る人々

批判的な文脈でナマポを用いている人々の中には、生活保護制度の矛盾点に怒っている人も少なくないでしょう。

なぜなら、、生活保護は扶助の額次第で、その地域の最低時給を上回ってしまうこともあるからです。

アルバイトや派遣で一生懸命働いているにもかかわらず、生活保護よりも収入が少ないことに不満を抱く若者はだんだん増えていきました。

さらに、インターネットの浸透によって生活保護受給者の目撃談が拡散されるようになったのも、一部の日本人の反感を招きました。

働かずに生活保護をもらい、パチンコや競馬に行っている受給者に批判が集まっていきます。

賃貸物件の管理者が、家賃滞納の生活保護受給者を追い出すといったようなトラブルも起きました。

こうした流れで、生活保護の略称だったはずのナマポは、「怠け者の生活保護受給者」を攻撃する意味の言葉へと変わっていったのでした。

不正受給や審査の抜け道

生活保護について不正受給をする人が出てきたのも、大衆の批判を招きました。たとえば、年収や健康状態を誤魔化して生活保護をもらい、働かずに暮らす人もいます。

また、申請時には困窮していた人が、その後経済状況が好転したのに給付金をもらい続けるのも不正受給に該当します。2000年代以降はこれらの不正受給が多数発覚し、社会問題になりました。

そのほか、審査の抜け道を利用する受給者が出てきたのも制度へのバッシングに拍車をかけます。

具体的には、マイカーを「公共交通機関が使えず、車がないと仕事ができない」といった理由で手元に残すなどの申請方法です。

こうした受給者が報告されるようになり、「生活保護は怠け者に楽をさせる制度だ」との否定的意見が生まれました。こうした怒りがナマポという言葉には込められているのです。

芸能人の家族の不正受給問題

ナマポがすっかり蔑称になってしまったのは、芸能人の家族の問題が発覚して以降だといえるでしょう。相次いだこれらの事件にバッシングが集中したことで、世間はますます生活保護に対して悪い印象を抱くようになってしまったのです。

このときに、生活保護不正受給者を批判してナマポを用いるネットユーザーがたくさん現れ、その過程で「国民を守る」という生活保護の目的は大衆から見失われやすくなっていきました。

本当に困っていて生活保護費が必要な場合

ここまではナマポが広がった背景について述べてきました。ナマポという言葉を目にして、生活保護そのものに悪印象を抱くようになった人もいるでしょう。

しかし、生活保護制度は本来的には社会のために必要なシステムです。ここからは、生活保護の重要性と申請方法について解説していきます。

生活保護への誤解を解こう

誤った先入観で生活保護を理解していると、自分や家族が困ったときに正しく申請できません。むしろ、申請をためらってしまう人もいるでしょう。

まずは生活保護制度にまつわる誤解を解いていくことが肝心です。代表的な誤解に「生活保護受給者は怠け者」というものがあります。

なぜなら、一部の不正受給者や芸能人の家族のスキャンダルで、働きたくない人が生活保護を申請するというイメージが生まれたからです。

しかし、生活保護の多くは病気や障害、親や扶養者の介護などの理由で働きたくても働けない事情を抱えています。

こうした人々の困窮を援助するためのセーフティネットが生活保護です。

生活保護があるからこそ、経済的に苦しんでいる人たちは命をつなげます。生活保護の条件にあてはまるのなら、むしろ、積極的に申請するべき制度だといえるでしょう。

次に、「生活保護は恥ずかしい」という意見もあります。こうした意見が出てくるのは、生活保護に向けられたバッシングも理由のひとつです。

受給者が「ナマポ」「怠け者」と呼ばれているのを見て、申請が怖くなった人もいるでしょう。ただ、批判者のすべてが生活保護を正しく理解しているわけではありません。

他人の意見は気にせず、生活に困ったら保護を申請してみましょう。そのうえで、また働けるようになってから保護を打ち切ってもらえば、不正受給にはあたらないのです。

どこで生活保護は申請できるのか

生活保護を申請する決心がついたら、地域の役所の生活福祉課に相談しましょう。

なぜなら、生活保護の申請手続きは福祉課の管轄になっているからです。

最初に窓口で「生活保護申請書」を提出し、受給したい意思を役所に伝えます。

そうすれば担当の相談員やケースワーカーがついて、申請者にヒアリングを行います。

ヒアリングで聞かれるのは、申請者の健康や生活環境、経歴などです。そのほか、担当者が自宅に訪問して現状を確認することもあります。

一通りのヒアリングや調査が終わったところで、生活保護を受けられるかどうかの決定がなされます。

なお、決定までにかかる期間は申請から14~30日以内が目安です。仮に申請が却下されても、その理由は伝えられる決まりです。

その内容を踏まえ、不服があれば審査請求をしてみましょう。却下された理由に的確な返答ができれば、審査が覆る可能性もあります。

生活保護を申請する際の注意点

当然ながら、申請書には事実だけをしたためることが大事です。担当者からのヒアリングでも嘘をついてはなりません。

なぜなら、嘘を伝えてしまうと結局は審査で不利になってしまうからです。申請内容で嘘が発覚すると、高い確率で却下されてしまいます。

たとえ申請を通ったとしても、受給してから取り消されることもありえるのです。

もしも生活保護受給に不利な条件があるのだとしたら、申請前に法律事務所や地域の民生委員などに相談してみるのもひとつの方法です。

次に、担当者からの要求には応じるようにしましょう。自宅訪問を断ったり、必要書類を提出しなかったりすると、審査に悪影響が及びます。

担当者からすれば申請が正当だと判断でき材料が不足してしまうので、却下せざるをえなくなってしまうのです。

どれほど手間に感じても、担当者にはできるだけ早く反応を返すのが得策です。

そのほか、就労可能な人は働く意思を示さなくてはなりません。担当者に就職活動の経緯を説明しながら、「仕事に就けるまでの援助が必要」という旨を訴えましょう。

まとめ

インターネットでナマポという言葉が広まっているように、一部の日本人は生活保護に悪いイメージを持っています。

しかし、仕方ない理由があって援助が必要なときに、生活保護を申請するのは国民の正当な権利です。

生活が困窮してしまう前に、申請して審査結果を待ちましょう。ただし、「働き口がなくて生活できない」と思っているのだとすれば、本人の主観によるケースも少なくありません。

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