退職届を手書きで用意したい!必要なモノ、書き方、封筒の準備方法まとめ
長い人生の中で1つの仕事に従事し続けるというのも魅力的な生き方ですが、働き方やライフスタイルが多様化している現代社会では仕事を辞めて転職したり家事・育児に専念するという人も少なくありません。円満に退社するためには、退職届を正しい形で提出する事が大切になるでしょう。
本記事では退職届を手書きで用意するケースを想定して、必要なものから正しい書き方まで網羅して紹介していきます。
退職届は手書き?パソコン?
退職届は仕事を辞める意志を形に表したものであり、所属企業に対して提出する正式な文書です。
そのため、実際に退職届を書くタイミングで「字の大きさや形を均一に整えられるパソコンで書くか、本人の手書きの方が良いのか」という点で迷ってしまう人も少なくないでしょう。
日本にパソコンが普及する以前は手書きで退職届を作成するのが一般的でした。そのため、現代社会でも退職届は手書きを推奨する人も珍しくないです。
しかし退職届を書く手段については厳密な取り決めや法律が存在しないため、基本的には自分の都合の良い方法で作成して問題ありません。
手書きとパソコンにはそれぞれにメリットがあるので、自分の都合や状況次第で好みの方を選ぶと良いでしょう。例えば手書きは本人が一文字ずつ書き連ねていくため相手に誠意が伝わりやすく、円満な退職を実現しやすいです。
また、前述のようにかつては手書きの退職届が主流だったため、管理職を務めている年代の人たちにはそれが常識だと捉えている人も居ます。
手書きで退職届を作成しておけば無難に受理してもらえる可能性が高いのです。とはいえ、記載に手間と時間がかかることをデメリットと感じる人もいるでしょう。
一方、パソコンで退職届を作成するメリットは作成の負担が小さい事であると私たちは考えています。書き直しが容易でタイムロスが少なく済むため、文章の推敲や誤字脱字のチェックも入念に行えるでしょう。
人によって字の綺麗さがブレてしまう事もないので、硬筆に自信がない人はパソコンで退職届を作成してみるのがおすすめです。デメリットは手書きの場合のメリットの裏返しで、人によっては誠意が伝わらないと感じる点です。
ただし注意しておきたいのは、会社側の就業規則などで作成方法の指定がある場合です。
企業によっては退職届の作成を手書きのみ、あるいはパソコンのみ認めているケースがあります。指定通りの方法で作成されていない退職届は受理してもらえない可能性があるので、トラブル回避のためにも事前に確認を取っておくのがおすすめです。
退職関連の事は人事を担当している部署に問い合わせてみましょう。
退職願・退職届・辞表の違い
退職届と似通った書類として「退職願」や「辞表」などが挙げられます。どれも同じように捉えられがちですが、ビジネス上ではそれぞれ異なった意味合いを持つ書類なので注意が必要です。
退職届のつもりでうっかり退職願や辞表を提出してしまわないために、以下では各書類の概要を解説します。まずは自身の状況でどの書類が必要になるのかを正確に判断出来るようにしておきましょう。
退職届
退職届とは原則として「当人が所属企業を退社する事を正式に決定するための書類」とされています。直属の上司や人事担当者と協議して退職の意向が固まり次第作成・提出するのが一般的です。
他方で、会社と折り合いが付かず従業員が一方的に退職を希望するケースでも退職届が使用されます。退職届は一度提出すると撤回や修正が利きません。
したがって、転職活動や業務の引継ぎなどを理由に退職日を微調整したい段階では、まだ退職届を提出しないのが無難です。なお、仕事を辞める場合に提出が義務付けられている訳ではないので、必要かどうかは会社の人事担当者に確認してみましょう。
退職願
退職願は「従業員が退職の意志を会社側へ伝達するための書類」という認識を持っておきましょう。退職願が受理された時点ではその従業員の退職は確定していません。あくまで当人に退職の意志がありそれが形として提出されただけなのです。
そのため、退職願については提出後の修正や撤回が可能となっています。ただし、人事担当者が正式に書類を受理した後は修正・撤回が難しくなるので注意が必要です。
一般的には退職願→退職届という順番で提出する事になりますが、退職届同様に義務化されているものではありません。退職届同様に形として証拠に残る書類なので、退職にあたって不安要素を取り除きたい場合は提出しておくと安心です。
辞表
辞表は「会社役員および公務員が現在の役職を辞める際に用いる書類」であり、一般的なサラリーマンが使用する事はほぼありません。自分が役員や公務員に該当しない場合は書類に辞表と書かないように注意しましょう。
辞表の内容は退職届と同様になり、基本的に修正や撤回が出来ません。なお、「役職を辞する」という点がポイントとなっており、役職から外れても一般従業員として勤務し続けるというケースもあるので覚えておきましょう。
不祥事や業績不振の引責で会社の代表取締役が辞表を提出したとしても、会社そのものを退職したとは限らないのです。
退職届を手書きで用意する際に必要なもの
パソコンで退職届を作成する場合はパソコン本体・書類作成ソフト・印刷用のプリンターがあれば事足りるでしょう。
一方で手書きの場合は用紙・封筒・筆記用具を準備する事になりますが、各アイテムで使用に適したものがあるので覚えておきたいところです。それぞれのアイテムは次の点に注意して選んでみてください。
用紙
用紙は退職届の内容を直接書き込むものになるため印象を大きく左右します。原則として退職届の用紙はA4またはB5サイズの白いものを用意してください。
模様やイラストが入っている用紙はビジネスマナー上NGなので注意しておきましょう。また、ものによっては文字列を揃えやすいように薄いライン(罫線(けいせん)と呼ぶ)が入っている場合があります。
マナー違反という訳ではありませんが、出来れば無地の用紙を使うのが無難です。退職届の用紙は特殊なものを用意する必要はないので、条件を満たしていればコピー用紙や便箋(びんせん)で問題ありません。
A4サイズは印刷用紙としてポピュラーな大きさなのでどこからでも調達しやすいというメリットがあります。一方、B5サイズは比較的コンパクトである事からスーツの内ポケットに収まりやすく手渡しの際に便利です。
封筒
退職届は会社に提出する正式な書類であるため、原則として封筒に入れて取り扱う事になります。一口に封筒と言ってもサイズや色が多岐におよびますが、退職届を入れるためには長形3号もしくは4号のものを用意してください。
サイズは数字の若い方が大きくなるため長形3号がA4用紙、長形4号がB5用紙に対応します。また、封筒の色は「白色」を選ぶようにしましょう。茶色に比べ価格が高く、清潔な印象を与える為、退職届などのフォーマルな場面では白色を使うのが一般的です。
筆記用具
退職届を記入する筆記用具は黒インクのものが大原則です。水性・油性は特に気にする必要がありませんが、ペンの種類としてはボールペンもしくは万年筆を使うようにしましょう。
書きやすさと文字の滲みにくさから、ジェルタイプのインクを採用したボールペンを使う人も多いです。筆ペンやマーカーペンも黒インクのものがありますが、文字が派手に仕上がってしまうため退職届にはあまり向いていません。
退職届の手書きでの書き方
退職届は人生でそう何度も書くものではないため、どのようにして書いたら良いのか分からないという人が多いです。
身近な人に聞いてみても、書いた事がないから分からないというケースも珍しくありません。以下の記事で書き方に関して詳しく紹介しておりますのでぜひ参考に作成してみて下さい。
退職理由について
退職届は一般的に従業員が自己都合で退社する際に用いられるケースが多いですが、会社都合でも提出が求められる場合があります。自己都合とは例えば転職・出産・引っ越しなど、従業員側の環境変化が理由で退職する事です。
自己都合の場合は基本的に「一身上の都合により」で統一して問題ありません。ただし会社都合の場合は具体的な理由を記載する必要があります。会社都合にも関わらず「一身上の都合により」と記入すると、退社後に受給出来る失業保険に影響が出てしまう可能性があるので注意してください。
一般的によくある会社都合の例としては以下のようなものがあるので、退職届に記載する際は適切な書き方を用いましょう。
・倒産の場合→貴社、業績不振による倒産に伴い
・リストラの場合→貴社、事業部門縮小に伴い
・希望退職(会社が部署や事業縮小のために退職希望者を募る事)の場合→希望退職応募につき
・退職勧奨(会社から退職を勧められる事)の場合→貴社の退職勧奨に応じ
退職届用封筒の正しい準備方法
退職届は封筒に入れて持ち運ぶため、必然的に人事担当者や責任者はまず封筒を手にする事になります。辞める事になる職場とは言え印象は大切なので、封筒の準備や取り扱いには注意したいところです。
以下では封筒の準備方法について詳しく見ていきます。
封筒の種類
退職届を入れる封筒も用紙同様に特別なものではなく、コンビニや文具店で市販されている製品で問題ありません。退職届は手渡しが前提とされているため郵便番号欄の印刷されていないものを使用します。
また、デリケートな内容が記載されている書類であるため中身が透けてしまわないよう、二重封筒と呼ばれるタイプを用意してください。二重封筒とは封筒の内側に紫色の薄い紙が貼られているものです。
封筒の折り方
作成した退職届はA4・B5そのままのサイズでは封筒に収まりきらないため、三つ折あるいは四つ折にして封入する事になります。一般的には折り目は少ない方が書類を広げた際に読みやすいので、封筒に収まりきるのであれば三つ折にしておくのが無難です。
封筒の内寸の関係でギリギリ入りきらない場合に四つ折を用いるのが良いでしょう。退職届の折り方については以下を参考にしてみてください。
三つ折のやり方
退職届を折る際には、まず汚れを拭き取った綺麗な机の上で作業するようにしてください。手で持って浮かせた状態で折ると不安定になり、折り目が斜めになってしまう可能性が高いです。
用紙は文章を記載した面を上にした状態で置き、定規を使って三等分の折り目の位置を測りましょう。
A4は縦297mm×横210mmなので縦を三等分すると99mmずつ折り目が付く計算になります。B5の場合は縦257mm×横182mmとなるため、おおよそ85mmずつ折っていきましょう。
書類に目印を付ける訳にはいかないので、測った箇所に指を置いて定規を横に当てながら真っ直ぐ折り目を付けてください。また、退職届は折る順番にも注意が必要で最初に折るのは用紙の下から、次に上部分を折り畳むのがルールとなっています。
これは退職届を受け取った人が上部分から書類を開けるようにする事で、退職届の内容を確認しやすくするためのマナーです。
四つ折のやり方
四つ折の場合はまず用紙を半分に折り畳むので、三つ折のように数字で細かく折り目を測る必要はありません。ただ、定規を当てながら折り目を付けていく方が綺麗に仕上がるので、四つ折の場合も定規を用意しておく事をおすすめしています。
四つ折もまずは綺麗にした机の上に用紙を置いて、下半分を上半分に被せるようにして折ってください。そこからさらにもう一度下から折り畳むと四つ折になります。三つ折同様、この折り方なら受け取った側が書類を広げた際に目を通しやすくなるのです。
共通の注意点
三つ折あるいは四つ折にした退職届は、封筒に入れて提出する事になります。この時、退職届を広げた時の右上部分が封筒の裏側から見ても右上に来るようにして封入してください。
封筒を開封する際は基本的に裏側から糊付け部分を剥がしていきます。右上部分を揃えておくのは、書類を持って広げた時に自然と読みやすい向きになるためです。
封筒への書き方
退職届を入れる封筒には、一目でそれと分かるように最低限の文言を記載しておくのがビジネスマナーです。使用する筆記用具は退職届本体を書いた時と同じものを使用すると違和感がありません。表面中央には少し大きめの文字で「退職届」と記入します。
書き始めの高さは真ん中よりも少し上にしておくのが一般的です。手渡しの場合は宛先を記載せず、のりやシールで封をする必要もありません。封の部分をしっかり山折りして、書類が汚れたり飛び出したりしないようにしておきましょう。
封筒裏側の左下には自分の所属部署並びに氏名を書いておきます。
何らかの事情で退職届を郵送する場合には、退職届を入れた封筒とは別にもう一回り大きいサイズの封筒を用意しましょう。長形4号を入れるには長形3号、長形3号を入れるには角形5号の郵送用封筒を用意してください。
ケガや病気など自分側の都合で手渡し出来ないようであれば、事前に退職届を郵送する旨の了承を取っておく事が大切です。郵送用封筒はのりかシールで封をした後、封の中央部分に締めマークを入れておきましょう。
なお、郵送の場合は退職届に「添え状」を付け加えておくのがマナーとされています。退職届と同じサイズの用紙に「作成日」「宛先」「所属部署と氏名」「退職届を郵送した事を伝える本文」を記入してください。
退職届が入った封筒の上に重ねて郵送用封筒に封入しておくのが原則です。
退職届を提出するタイミング
企業側の人事としては従業員が辞めるにあたって業務の再振り当て・引継ぎ・人員配置の見直しなどやるべき事が多々あります。従業員の退職は周囲への影響も少なくないので、決められた手順に沿って手続きを進めるのが通例です。
退職の事実を決定付ける退職届の提出タイミングはいつでも良いという訳ではないのです。一般的に従業員が退職の意志を固めて直属の上司や人事担当に相談するのは、退職希望日の2ヶ月前までと言われています。
この段階では従業員と企業側で協議を行い、退職日の細かい日程を調整するケースも多いです。退職願を提出するのであればこのタイミングになります。
退職日の合意が取れたら退職届を提出して、現場での引継ぎ作業や書類整理を始めましょう。これが退職日の約1ヶ月前です。退職2週間前からは取引先や関係部署への挨拶回りを始めます。
後任者への業務引継ぎもこの段階で終わらせておくとスムーズです。退職日には会社からレンタルしていた備品(制服やタブレットなど)を返却し、退職関係の書類を受け取ります。
できるだけ早く転職したいなら
退職届の作成・提出は転職を希望している人にとって必要になる可能性が高いです。次の仕事を見つけてから今の仕事を辞めたいという人も多いですが、仕事を続けながら自分の希望にマッチする求人を見つけるにはそれなりの労力が必要になるでしょう。
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