【働く人向け】裁量労働制とは?|メリットは〇〇が自由になること
「できるだけ自由な働き方をしたいけど、どんな働き方が自分に合ってるかわからない」
「裁量労働制って、よく考えたらきちんと理解できていない」
このように、今後の働き方についてお悩みだったり、裁量労働制がどういった働き方なのかが気になっていたりしませんか?
そこで本記事では裁量労働制についてわかりやすくご紹介いたします。労働者にとってのメリット・デメリットや、対象となる仕事についてもお伝えしますので、少しでもお役に立てれば幸いです。
裁量労働制とは?
裁量労働制は「みなし労働時間制」の一つで、簡単にいえば“労働時間が労働者本人の裁量にゆだねられている制度”で、実働時間に関係なく事前に定められた時間分だけ働いたとみなされるものになります。
たとえば裁量労働制のもとで1日8時間稼働する契約を交わした場合、6時間稼働した場合であっても9時間稼働した場合であっても、支払われるのは8時間分の給与となります。
「え?そしたら裁量労働制の場合残業代は発生しないの?」という声が聞こえてきそうですね。
たしかに裁量労働制においては残業代が発生しないのが基本ですが、みなし労働時間として設定されている時間が法定労働時間を超過する場合には残業代が発生します。
たとえば事前に定められた1日のみなし労働時間が9時間だった場合、法定労働時間である8時間を超過している1時間分には残業代が上乗せされる計算になります。
また一ヶ月単位で考えると、たとえば月のみなし労働時間が180時間、法定労働時間が160日だった場合、超過している20時間分の残業代が支給されることになります。
【裁量労働制における残業代の計算例】
<前提条件 例>
・時間外労働を行った際の割増賃金:25%
・みなし労働時間:9時間
・1時間あたりの賃金:2500円
<1日あたりの残業代 計算例>
(9時間-8時間(法定労働時間))×2500円×1.25=3125円
※裁量労働制であっても休日や深夜に稼働した場合にはその分の手当が支払われます。
ちなみに、裁量労働制のもとで働く場合の一ヶ月の残業時間の上限は実質45時間となります。というのも、労働基準法において”残業時間は1ヶ月に45時間、1年間に360時間まで”と定められているからです。
なお、企業が労働者に時間外労働や休日出勤をさせる場合にはあらかじめ労働組合などと「36協定(さぶろくきょうてい)」を締結、労働基準監督署に届け出る必要がありますが、この過程を経ることで裁量労働制のもとで月40時間以内程度の時間外労働を行わせている企業は多いです。
フレックスタイム制との違い
ところで裁量労働制と似た制度として“フレックスタイム制”がありますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
裁量労働制が労働時間や業務の進め方を労働者にゆだねるものであるものに対し、このフレックスタイム制は出勤時間や退勤時間を労働者にゆだねるもので、裁量労働制のように”成果”に対してではなく、”労働時間”に対して給与が支払われる制度になります。
またフレックスタイム制では出勤時間や退勤時間を自分の裁量で決めることができますが、コアタイムとして設定されている時間帯は勤務する必要があり、自由が利くのはそれ以外の時間(フレキシブルタイム)となります。
たとえばコアタイムが10~16時だった場合、フレキシブルタイムの自分の好きなタイミングで出勤や退勤ができるため、勤務時間帯が固定されている場合よりもプライベートとのバランスを取りやすく、満員電車に揺られるストレスも回避しやすくなります。
ただし、フレキシブルタイムについても、たとえば始業時間は6~10時までの間、退勤時間は16~19時までの間、などと労使協定によって定められているため、いつでも好きな時間に働けるわけではありません。
みなし残業制度との違い
他にも、裁量労働制に似ている制度として“みなし残業制度”があります。これは実際の残業時間に関係なく、契約内容にある時間分残業を行ったとみなす制度です。
たとえば月のみなし残業時間を20時間と定めている場合、実際の残業時間が10時間であっても30時間であっても、月に支払われる残業代は20時間分となります。
実際に働いていない時間の分も給与が支払われる点で裁量労働制と共通していますが、裁量労働制では法定労働時間の8時間を超えた分だけ残業代が支払われるのに対し、みなし残業制度では実際に稼働した時間がみなし労働時間内であればあらかじめ定められている固定の残業代が全額支払われる点で異なります。
ちなみに、みなし残業時間を越えて稼働した場合はその分の賃金が支給されます。
裁量労働制のメリット
では、裁量労働制のもとで働くことには一体どのようなメリットがあるのでしょうか?
働き方が自由になる
まずは働き方が自由になるメリットが挙げられます。基本的に”定時”という概念がないため好きな時間帯に働くことができプライベートと両立させやすいほか、自分の求めるライフスタイルに合わせて働くことができます。
一つの業務を進めるにあたってそれにかける時間や進め方を自分の裁量で自由に決められることで、より生産性を高め、納得感をもって働けることにも繋がります。また、自分がより集中できる時間帯に稼働することで効率化を図ることも可能です。
効率的に働くほど実働時間を短縮できる
次に、裁量労働制には効率的に働くほど実働時間を短縮できるメリットもあります。
たとえばみなし労働時間が8時間と定められていた場合、仕事を効率的に終わらせて6時間で終わらせることができれば2時間分の余裕が生まれ、その分早く仕事を切り上げることも、先回りして次の仕事に着手することもできます。
裁量労働制のデメリット
一方で、裁量労働制には実働時間と賃金が見合わなくなるリスクがあります。
先ほど、業務を効率的に終わらせることができれば実働時間を短縮できるとお伝えしましたが、逆にうまく業務を処理できなければみなし労働時間を超過して働くことになる可能性があります。
たとえばみなし労働時間が9時間の場合、実際には10時間稼働していても受け取れる賃金は9時間分のみとなります。
この場合、みなし労働時間が法定労働時間の8時間を超えている1時間分については残業代が発生しますが、それ以上の稼働時間分に割増賃金は適用されません。
効率的に業務を回し成果を発揮することができなければ、本来自分が求めていた働き方を実現できないリスクがあるのです。
裁量労働制のもとで働ける仕事
では、裁量労働制のもとで働ける仕事には一体どういったものがあるのでしょうか?
厚生労働省によれば裁量労働制は「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の2つに大別され、それぞれ対象となる業務が異なります。
ここではそれぞれの対象業務について見ていきましょう。
専門業務型裁量労働制における対象業務
まずは「専門業務型裁量労働制」における対象業務についてです。
この制度では“業務の性質上、仕事の進め方や時間のかけ方を労働者本人の裁量にゆだねる必要があるもの”と認められた業務が対象となっており、具体的には下記のラインアップが挙げられます(厚生省によって提示されている業務を”職種”として統一して記載し直しています)。
【専門業務型裁量労働制における対象職種】
■新商品・新技術の研究開発、人文科学・自然科学に関する研究の従事者
■情報処理システムの分析・設計者
■新聞・出版、放送番組の制作取材・編集者
■デザイナー
└ファッションデザイナー、インダストリアルデザイナー、グラフィックデザイナーなど
■放送番組・映画などのプロデューサー、ディレクター
■コピーライター
■システムコンサルタント
■インテリアコーディネーター
■ゲームソフト作成者
■証券アナリスト
■金融商品開発者
■大学研究者、大学教授
■公認会計士
■弁護士
■建築士
■不動産鑑定士
■弁理士
■税理士
■中小企業診断士
上記によれば、専門業務型裁量労働制においてはいわゆる専門職やクリエイティブ職が該当することがわかります。
企業業務型裁量労働制における対象業務
次に「企業業務型裁量労働制」における対象業務についてです。
これは“事業運営を行うにあたり、企業の本社などで重要な決定が下される企画や立案、調査や分析を行う労働者”を対象にした制度で、働き方の自由度を高めることで創造性の豊かな人材がより能力を発揮できるよう設けられたものです。
企業業務型裁量労働制においてはこれを導入できる事業所についてもあらかじめ規定しており、具体的には下記が該当します。
【企業業務型裁量労働制を導入できる事業場】
■本社・本店である事業場
■事業運営に大きく影響する決定を下す事業場
■事業運営に影響する事業計画や営業計画を独自に決定する支社・支店など
本当に自分に合った働き方をしたいなら
さて、本記事では裁量労働制についてお伝えして参りましたが、ご自身に合っていそうな働き方だったでしょうか?
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