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職場におけるモラハラを解決する方法5選。人間関係の切り離しやプライベートへの干渉は該当する?

職場でのハラスメントに悩まされる人は少なくありません。現代では昔と異なり、いやがらせなどはハラスメントと認定されることが増えています。

特に、精神的な攻撃を加えるモラルハラスメント、通称モラハラが増えています。そこで本記事では、モラハラの定義やモラハラに該当するケース、万が一自分がモラハラ被害に遭った場合の対処法について解説します。

モラハラとは?

モラハラとはモラルハラスメントの略称です。英語表記では”Moral Harassment”、これを日本語に訳すと「道徳上の嫌がらせ」という意味になります。簡単に言えば相手が嫌に思う行為を行い、精神的に追い詰める行為がモラハラです。

モラハラは暴力ではなく悪口など精神的に攻撃を行うものなので、当事者以外の人はなかなか気付きにくいという難点を抱えています。

また、当事者も周りに上手く相談できずに「自分が我慢すれば大丈夫」と抱え込んでしまったり、モラハラではなく「イジり」と認識してモラハラに気付けず、気付いた頃には相当追い込まれてしまっている状態だったりすることも少なくありません。

職場には様々な人がいるので合わない人がいるのは当然です。だからと言って度の過ぎた行為を相手に対して行うことは許されることではありません。

そのため、モラハラとは何かをはっきり理解し、自分のモラハラ被害だけでなく周りのモラハラ被害にも気付けるようになることが大切です。

ハラスメントは職場だけで起こるものという考えの人も少なくありませんが、モラハラに関しては家庭内などビジネス以外の場面でも頻繁に発生しています。

ここでは職場でのモラハラを取り上げますが、家庭や友人関係などでも後ほど紹介する例に該当するものがないか、この記事をきっかけにぜひ振り返ってみてください。

パワハラとの違い

モラハラと混同されることが多いのがパワハラです。こちらはパワーハラスメントの略称であり、上司であるなど相手より優位な立場であることを利用して、相手を身体的・精神的に危害を加えることを言います。モラハラとパワハラの違いは主に2点。

パワハラは身体的・精神的な加害行為なので暴力も含まれますが、モラハラは主に精神的なものが対象となります。また、パワハラは立場上優位であることを利用して相手に危害を加えますが、モラハラにおいて立場は関係ありません。

そのため、モラハラは部下からの精神的な攻撃も含まれます。ただパワハラとモラハラは全くの別物というわけではありません。上司から大声で悪口を言われるなど、パワハラ・モラハラの両方に該当する例もたくさんあります。


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職場においてモラハラに該当し得るケース

それでは、職場においてどんな行為がモラハラに該当するのでしょうか。よくあるモラハラの例を紹介します。自分が受けている嫌がらせの中に該当するものがないかチェックしてみてください。

誹謗中傷をされる

職場で周りに聞こえるように誹謗中傷をする行為はもちろん、ターゲット1人にしか聞こえないように誹謗中傷する行為もモラハラに該当します。また、誹謗中傷は虚偽の内容だけでなく事実であっても対象となります。

例としては、周りに聞こえるようにミスを叱責する、実際には存在しないミスをでっちあげて言いふらすなどが挙げられるでしょう。

これらの行為は相手の評判を下げる行為であり、誹謗中傷に該当します。また、インターネットが普及した現代においては、職場で直接誹謗中傷するだけでなく、SNSなどを使って、職場の人などにわかるように誹謗中傷に該当する書き込みを行うケースも増えています。

人間関係を切り離される

職場で孤立して周りの人とコミュニケーションを取れない状態に追い込む行為もモラハラに該当します。具体的な例を挙げると一人だけ明らかに無視をする、普段から職場内で威圧的に振る舞ってモラハラのターゲットと関わりを持つとその人も巻き添えになる雰囲気を作るなどが挙げられるでしょう。

このようなモラハラに関しては、個人が個人に対して行うものだけでなく、集団で行われるものも少なくありません。一度職場内で人間関係を切り離して孤立させると、気軽に相談できる人がいなくなるのでよりモラハラがエスカレートしやすい傾向があります。

業務上の嫌がらせをされる

休憩時間だけでなく業務を通して嫌がらせをするタイプのモラハラも存在します。具体的には業務上必要な連絡をあえて1人にだけ伝えない、わざと間違えたままの書類にGOサインを出して人前で失敗させるなどが挙げられるでしょう。

このようなモラハラの場合、周りが当たり前にできていることができていないというイメージを周囲が持ってしまうので、周りから仕事ができない人という印象を持たれたり、仕事での評価が下がったりするなどの被害も受けることになります。

それ故に周りから孤立してしまったり、他の人からもハラスメントを受けるようになったりすることもあります。

プライベートへ過剰に干渉される

仕事とプライベートの区別を付けず、プライベートのことを執拗に聞き出そうとしたり、プライベートな話を言いふらされたりするのもモラハラです。家族の事情に口を挟む、休日や仕事終わりの時間に仕事に関係のない用件で呼び出すなどが例として挙げられるでしょう。

しかし度が過ぎてプライベートに踏み込みすぎたところにまで口を出したり、実際に休日などプライベートな時間を自分に使わせようとしたりするのはコミュニケーションを通り越して支配の域に入るでしょう。

特にプライベートな時間まで過剰に干渉されるようになると、他の人と関わる時間が削られるので洗脳に近い状態になってモラハラと気付きにくいうえに抜け出しにくい傾向があるので、少しでも早く気付いて逃げることが大切です。

また、スマートフォンが普及したことで、プライベートな部分への口出しはメールやSNSを使って行われるケースが増えてきています。このようなケースはストレスになるかもしれませんが履歴を消さずに証拠を残しておきましょう。

その他のケース

これまでモラハラの例を紹介してきましたが、それ以外にもモラハラに該当する例は存在します。例としては1人だけ周りと明らかに態度を変えて冷たく接する、他の社員と比較してさげすまれるなどです。

周りの人たちと明らかに上司の接し方が違う、自分だけ浮いていると感じた場合、「自分が悪いのでは」と考えてしまう人が多いでしょうが、モラハラの可能性があります。

これまで紹介してきた例に当てはまる行為を受けた経験があれば、なるべく早く自分を守るための行動を取りましょう。

職場におけるモラハラを解決する方法5選

モラハラは自分で証拠を集めたうえで、行動を起こせば会社や所定の機関が対処してくれます。ただ相談場所がわからないと何も行動を起こせません。それでは職場でモラハラ被害に遭ったときの対処法や相談場所について解説します。

窓口へ相談する

モラハラについて相談できる上司がいれば良いですが、そうでないケースの方が多いでしょう。この場合まずは職場や社外の窓口にモラハラを相談してみましょう。

ハラスメントが社会全体で問題提起されるようになった現代では、大手企業を中心にハラスメント専門の窓口を設置しているケースが増えています。専門の窓口は対応もスムーズなので、万が一ハラスメント専門の窓口があるならこちらに相談するのが良いでしょう。

また、メンタルの不調を訴える社会人も増えていることから、カウンセラーを設置しているケースも多いので、メンタルの不調とモラハラについてまとめて相談するのも一つの方法です。

もしハラスメントの相談部門がない場合は、入社時にお世話になった人事担当者に相談することで上層部に話をエスカレーションしてモラハラ行為に対処してくれることもあります。

しかし、社内全体でモラハラを行っているなどして社内に味方がいない、相談したとしても上司に話が筒抜けになっていそうで信頼できないというケースもあるでしょう。

この場合外部の相談機関に相談するのがおすすめです。会社でのモラハラについて相談できる機関としては、厚生労働省の総合労働相談コーナーや、法務省のみんなの人権110番が挙げられます。

こちらに相談すれば主に公的機関を利用してモラハラに対してどのような対処ができるのか提案をしてもらったり、相談機関を紹介してもらえたりするので、ぜひ活用してください。

書面で警告する

追い込まれている状況だと弁護士や社内の専門部署への相談も考えるようになるでしょう。しかしこれらに相談するためには証拠を集める必要がありますし、調査にも時間がかかります。

そのうえ仕事にも支障が出るので、できるだけ大事にせずに解決したいと思うこともあるでしょう。その場合、あまりおすすめできませんが、書面で「モラハラ行為が収まらない場合、該当の部署や弁護士に相談する」という旨を伝えて警告する手段もあります。ただこのやり方は個人が作成した書類なので法的な効力を持ちませんし、むしろ「モラハラのターゲットが生意気に抵抗してきた」という理由でモラハラが悪化したり、一時的に収まっても再発したりする可能性が高いです。そのため、最初から弁護士などに相談することをおすすめします。

モラハラ行為の中止請求を行う

会社に相談しても対応してもらえなかったり、改善の余地がなかったりする場合、会社に内容証明を送付してモラハラ行為の中止請求を行う手もあります。

この際大切なのは内容証明で証拠を送付すること、弁護士など専門家に相談して書面を作成してもらうことです。

自分で作成した書面をいきなり会社に送りつけても法的な効力は弱いですし、内容証明で送らないと「受け取っていない」と言われてしまえば書面を送る意味がなくなってしまいます。

また会社に向けて送付すれば、書面に書かれている通りにモラハラに対処しないと、裁判など大事になって会社側が不利益を被るとして、これまでモラハラに対処してくれなかった会社が対処してくれるようになる可能性も高いです。

ただモラハラの中止請求について記載するだけでは、モラハラが改善されたとしてもモラハラを行う当事者が残っている環境で気まずいまま働かなければいけなくなる可能性があります。

したがってモラハラ行為を行う当事者の部署異動など行為当事者と自分の処遇についても書面に記載することをおすすめします。

慰謝料を請求する

モラハラで精神的な被害を受けた場合、慰謝料を請求することもできます。慰謝料請求に関しては先ほど解説したモラハラの中止請求と一緒に行う人も多いです。

ただ慰謝料を請求するということは訴訟を起こすということです。そのため、当然これまで紹介してきた対処法以上に証拠を固める必要がありますし、時間もかかります。

それに加えて裁判を行うと自分に関する情報の一部が公開されます。この点を留意したうえで訴訟を行いましょう。

慰謝料の請求先には主にモラハラを行った本人と会社の2つがあります。

まずモラハラを行った当事者に対して慰謝料を請求する場合、精神的苦痛を受けて通院することになった際の治療費と、モラハラによって会社を休むことになった期間受け取るはずだった給料分の損害賠償請求が可能です。

また、モラハラに対処してくれなかった会社に、モラハラをするような人間を雇用し続けたこと、改善を要求したのに何も対処しなかったことに対して使用者責任を問い、慰謝料が請求できます。

転職をして環境を変える

モラハラ被害を受けた場合、「逃げるが勝ち」という言葉があるように異動を希望したり、退職したりするのも悪いことではありません。

ただ、会社に相談してモラハラの相手を処分してもらったうえで異動したとしても、その処分が退職以外のものだった場合、会社で嫌いな人と顔を合わせなければいけません。

それに周りから腫れ物扱いされてしまうことも多く、職場に残ることが気まずく感じるかもしれません。そこで転職して気分を入れ替えて新しい環境で働き始めれば、精神的苦痛も少しは和らぐでしょう。

ちなみにモラハラをはじめとするハラスメント被害で退職をする場合、証拠さえあれば自主退職ではなく会社都合の退職で対処してもらえることが多いです。

失業保険などに影響が出るので、転職を検討する際はハローワークにこの旨を伝えることをおすすめします。

モラハラで転職を考えているなら転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントを利用すれば企業との連絡などもエージェントが代行してくれるので働きながらの転職も短期間かつスムーズに行えます。

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