短期離職の期間は「入社後3年以内」。転職成功のための6つのコツとは?
入社前によく考えたつもりでも、実際に働いてみたら仕事が自分に合わなかったという人は少なくありません。転職して新しい職場を見つけるという選択肢もありますが、今の仕事を短期離職するという点が気になるところでしょう。
事実として、短期離職後の転職活動にはちょっとしたコツが必要になります。本記事では短期離職の定義やその後の転職活動を成功させるポイントなどを見ていきましょう。
この記事のまとめ!
・一般的には入社後3年以内の退職を短期離職と呼ぶ
・短期離職しても転職はできるが、書類選考に通りにくくなるほか、その理由を深堀りされる可能性がある
・短期離職者が転職するには、その理由をポジティブにする、自己分析を徹底するなどの方法がある
「短期離職」にあたる期間は何年?
短期離職の期間には明確な定義が存在せず、各企業によって考え方が微妙に異なります。一般的には入社後3年以内の退職を短期離職と呼ぶことが多いので、一つの目安にしておくと良いでしょう。
これは新入社員がある程度環境に慣れて、一人前の戦力として仕事を任せられるようになるまでの期間が2~3年とされているためです。
ただし、業種によっては平均勤続年数が長いものもあるため、勤続5年前後の退職でも短期離職と見なされる可能性があるので注意しましょう。
細かい内訳を見ていくと入社1年目での退職が11.8%、2年目が9.7%、3年目は10%となっています。3~4人に1人が短期離職していると考えると、意外にも多く感じられるでしょう。
なお同年度の調査における高卒者の短期離職率は35.9%、短大卒の場合は41.9%です。ここで、事業所の規模ごとに離職率が異なるという点に着目してみましょう。
事業所とは企業が構えるサービス提供や商品生産の拠点を指します。「〇〇営業所(支店)」「〇〇工場」などをイメージすると分かりやすいでしょう。
同調査によると5~29人の事業所に配属された大卒者のうち、短期離職に至った割合は48.8%にも上ります。100~499人の事業所では31.8%、1000人以上の大規模事業所では25.3%です。
また、求人情報サイトの運営を手がける株式会社ビズヒッツの調査
退職理由として多かったものから順に下記のような結果が出ています。
1位:人間関係(119票)
2位:長時間労働や休日に関して(86票)
3位:仕事内容とのミスマッチ(66票)
事業所の規模が小さいほど人間関係の悩みを抱えやすく、従業員一人あたりの業務負担量が多いという傾向にあるとも言えるでしょう。
大規模な事業所を抱える大手企業では、従業員が働きやすい環境作りに多額の投資を行っているところも多いのです。なお、短期離職から転職に踏み切ったことを「良かった」と答えた人は全体の72%となっています。
短期離職を繰り返す人の特徴
中には短期離職を繰り返してしまうとお悩みの方もいらっしゃるかと思いますが、短期離職を繰り返す人には下記のような特徴が見られます。
・長期目線で物事を考えることが苦手
・他責にする癖がある
・自分が仕事に求めるものを把握できていない
短期離職を繰り返すということは、本当に自分に合った仕事に転職することができていないということです。
「今、人間関係のストレスを抱えているから」「今年収が低いから」という短期的な理由だけで転職してしまうと、転職した先でも同じような悩みを抱える可能性が否めません。
長期的な目線でキャリアビジョンを描いたうえで、自分が仕事にどのような価値を求めているかを考えてみましょう。そして、足りない部分については他責にせず、自分がどういった工夫をすれば解決できるかを考え、アクションに繋げるのが得策です。
短期離職しても転職できる?
短期離職が後々のキャリアに影響しないか心配だという人も多いでしょう。結論から言うと、短期離職してもその後に転職することは可能です。
ただし短期離職がデメリットとなる可能性は高いため、それらを踏まえた上で離職・転職を判断するのが良いでしょう。ここからは短期離職がその後の転職におよぼす影響についてお伝えします。
書類選考に通りにくくなる
短期離職は転職活動において、書類選考の通過率を下げてしまう可能性があるので留意しておきましょう。一般的に転職活動では面接試験の前に書類選考があり、主に履歴書と職務経歴書によって審査されます。
基本的に企業へ就職した場合は、勤務歴が短くても履歴書および職務経歴書への記載が必要です。したがって、短期離職の事実は当然応募先企業の採用担当官が知るところとなります。
転職の書類選考においては書面のスペースが限られている関係上、自分が短期離職した理由をしっかり伝えることは難しいです。
入社から退職までの期間が短ければ、採用担当官に「自社へ転職してもまたすぐ辞めてしまうのではないか」と思われてしまうリスクがあると言えるでしょう。
ただし現代社会では働き方の多様化が進んでおり、若い人が早い段階から転職するというケースも珍しいことではなくなっています。
企業側もそういった事情を踏まえているので、短期離職しているというだけで不採用にするところはそう多くありません。
短期離職を理由に応募を諦めずに、積極的なアプローチを心がけましょう。
稀に「体裁を取り繕うために短期離職の事実をわざと書かない」という人もいますが、虚偽の申告は内定取り消しや入社後の信用失墜を招く可能性が高いです。
短期離職の経歴は、必ず履歴書や職務経歴書に記入するようにしてください。
短期離職の理由について深堀りされる可能性がある
書類選考を突破しても、まだまだ安心は出来ません。なぜならその次の面接試験において、短期離職の理由について深く掘り下げて聞かれる可能性があるためです。
前述の通り、採用担当官が書類だけで短期離職に踏み切った理由を把握することは難しいです。そのため、見込みのある応募者に対しては面接時の受け答えや振る舞いをチェックしてその真意を見抜きます。
短期離職後の転職活動は、この面接試験が正念場と言って良いでしょう。逆の見方をすると、面接試験は短期離職によるデメリットを打ち消すことの出来るチャンスの場とも言えます。
採用担当官が納得する受け答えをすれば、むしろ自分の良さをアピールすることにも繋がるのです。場当たり的に対応するのではなく、事前に回答を練っておくようにしましょう。
辞め癖がつきやすくなる
これは自分自身との闘いとも言えますが、短期離職後は「辞め癖」が付いてしまわないように十分注意してください。
最初の会社を退職する際は初めてのことなので、多くの人は悩みに悩んで慎重に判断すると言えるでしょう。
しかし転職後の仕事にもイマイチ馴染めなかった時に、「前の職場もすぐに辞めたし今回も辞めてしまおう」と考えてしまうようになると危険です。一般的に、転職回数が増えると書類選考の段階で弾かれる可能性が高まります。
その結果1回は2%、2回でも8%と比較的低い割合でしたが、3回からは40%と大幅に影響をおよぼすことが分かったのです。
辞め癖が付いて転職を繰り返すと、自分自身にスキルが身に付きにくいというデメリットも発生します。どのような職種に就くかにもよりますが、仕事のスキルやノウハウは一朝一夕で体得出来るものではありません。
一見特別なスキルが必要ないように思える仕事でも、実際の業務をスムーズにこなして結果を出すためにはそれに見合ったスキルが必要です。転職市場では大小を問わず、スキルをしっかりと身に付けた人材が求められています。
辞め癖を付けないためにも、短期離職後の職場探しは自分とのマッチングについてよく見極めながら進めていきましょう。
短期離職者の転職成功のための6つのコツ
転職活動はそれぞれ自分の属性に合わせて対策することが重要であり、特に短期離職の場合は立ち回りに細心の注意が必要です。ここからは、短期離職後の転職を成功させるポイントを6つ紹介します。
短期離職の理由をポジティブなものに変換する
短期離職後の転職を成功させるためには、まず退職理由をポジティブな意味に変換することを心がけましょう。
短期離職は一般的な転職希望者よりも早い段階で退職を決断しているため、企業としてはその理由が気になるところです。
ここで前の職場に対するネガティブな理由を並べてしまうと、採用担当官は応募者を「嫌なことがあるとすぐに目を背ける性格」と見定めるでしょう。
本当にネガティブな理由で短期離職したとしても、それを前向きに言い換えることが大切になってきます。ここで重要なのは、嘘をつくのではなく「本当の理由を前向きに捉え直す」という点です。
体裁を取り繕うだけでは、企業が求める人材像と自分の間にミスマッチが生じる可能性があります。そうなれば結局転職先に馴染めず、またすぐに「仕事を辞めたい」という気持ちが芽生えてしまうでしょう。
例えば離職理由として最も多かった「人間関係」が原因で退職した場合は、「前職は個人業務が重視されていたが、チームと連携して一つの仕事を成し遂げたい」といった具合に言い換えられます。
前の職場で人間関係に悩んでいたというニュアンスがなく、転職先では積極的に周囲とコミュニケーションを取ろうという姿勢が伺える言い回しです。
「長時間労働」が退職理由の場合は、「自分を正当に評価してくれる会社で働きたい」と言い換えられます。不当な長時間労働は従業員を酷使する企業の姿勢が表れており、適正な待遇ではありません。
さらに、この言い方なら「ここは従業員を正当に扱っている」という転職先に対する好意を滲ませることも出来ます。このように退職理由でネガティブな表現を用いず、上手に志望動機に結び付けてみてください。
自己分析を徹底する
転職活動では「自己分析」が重要なポイントの一つとなりますが、短期離職の後は特に徹底することを心がけてください。自己分析とは自分の長所や短所、好きなことや嫌いなことを明確にしておく作業です。
次の仕事を選ぶ際に自分の理想と企業との間でミスマッチが発生してしまうと、せっかくの転職もあまり意味を成しません。転職先で気持ちよく働き続けるためには、今一度自分自身のことを正確に理解しておくのが重要なのです。
自分にとって何が大切なのか、自分は何が得意で何が苦手なのかが分かれば職場選びの方針は自ずと固まってきます。
自己分析を行う上でよく用いられるのが「キャリアの棚卸し」という手法です。この手法では一般的に、自分の今までの人生経験をメモに書き出し、それを基に自分を客観的に分析します。
「自分が嬉しいと感じたこと」「自分が嫌だと思ったこと」「やりがいや達成感を感じたこと」などを、人生の中からピックアップしてみてください。
ピックアップするのは仕事やアルバイトに限らず、プライベートや学校生活の出来事でも構いません。ここでの目的は応募先へのアピール材料探しではなく、あくまで「自分を理解する」ということなのです。
前回の失敗の原因を明確にする
短期離職の後の転職活動では、なぜ前職の職場選びに失敗したのかをしっかり分析しておきましょう。
短期離職するということは、少なくとも前の仕事を選ぶ際に何らかの問題があったということを意味しています。この原因が分からないまま転職活動を進めると、また同じ失敗を繰り返してしまう可能性が高いです。
失敗の理由としては例えば「待遇だけで選んだ結果、労働環境が過酷だった」「仕事内容をよく確認しなかったため、やりたい業務ではなかった」「企業の知名度だけで選んだため、社風が自分に合わなかった」などが挙げられます。
それぞれ失敗の原因が分かれば、次に繋げるための対処も難しくはありません。転職先の仕事に求める優先事項を明確にして、自分に合った求人を探してみてください。
自分の市場価値に沿った求人を選ぶ
短期離職から転職を成功させるには、自分の市場価値に見合った求人へ応募するというのも一つのアプローチ方法です。
就職・転職は数多くの人材から企業が自社に必要な人材を採用するというのが基本的な考え方です。そのため、求職者は他のライバルたちとの差別化を図って「自分だけの価値」をアピールすることが重要になります。
膨大な求職者の中で自分がアピール出来るポイント、それこそが人材市場における「市場価値」です。具体的には「スキル」「専門性」「経験・実績」「再現性」などの要素で構成されると言われています。
自分の市場価値よりもハードルが低い仕事に就くと、やりがいが感じられず給与にも満足出来ない可能性が高いです。逆に自分の市場価値よりも高い仕事だと、業務についていくのがやっとで余裕のない日々を送ることになるでしょう。
自分の市場価値相応の仕事であれば適度なやりがいが感じられ、新しいスキルを身に付けて自分を磨いていくだけの余裕が持てます。
企業から見ても自分の市場価値を正確に理解している人材は評価が高く、短期離職の過去があっても積極的に採用したい対象となるのです。
キャリアプランを明確に立てておく
転職を成功させる上では、キャリアプランを明確に立てておくことも有効と言えます。
キャリアプランとは「仕事を通じてどうなっていきたいのか、将来どのような仕事や立場に就きたいのか」ということです。キャリアプランを立てるためには、まずゴール地点を定めてから逆算していく方法をおすすめします。
これは将来の理想像が明確になっていれば、そのために必要なプロセスが見えやすくなるためです。
例えば「将来は自立して事業主になりたい」と考えた場合、それまでに人をまとめあげるリーダーシップや経営者としての視点を養っていく必要があるでしょう。
となれば、「〇〇歳までに〇〇のポジションに就く」「〇〇歳までの経営に役立つ資格を取る」といった具合に途中式が書き出せます。将来の目標に役立つであろう経験も見えるので、業界や職種選びにも明確な方針が出てくるでしょう。
転職エージェントを利用する
短期離職からの転職活動は自力でも不可能ではありませんが、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントとは利用者からプロフィールや次の仕事の希望条件をヒアリングして、マッチングする求人を紹介するサービスです。正式に退職してから次の仕事を探すと無職の期間が生まれてしまうため、経済的な負担も大きくなります。
そのため一般的には在職中から転職活動を行うのが望ましいとされていますが、「仕事を辞めたい」という気持ちを抱えたまま、働きながら自力で仕事を探すのは難しいというケースも多いです。
転職エージェントであれば条件に沿った求人を厳選して紹介してくれるため、働きながらでも無理なく転職活動を進められるという大きなメリットがあります。
転職活動では情報収集力がものを言う側面がありますが、特に短期離職を考えているケースではあまり余裕がなく中々効率的に情報が集まらないものです。
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おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。
しかしどうしても自分の良いところや強みがわからないときにはぜひ、私たち第二新卒エージェントneoに頼ってください。これまで多数の内定者を輩出した確かな実力を持ってあなたの性格を分析、そして安心して働ける求人をご紹介致します。共に楽しい仕事探しを成功させましょう!