大学院中退者が就職するためのコツ6選|中退したら就職できない?
大学院を中退してしまうと就職できないのではないかと不安になっている人もいるでしょう。しかし、中退したいと思う理由があるのなら辞めることはやむを得ません。それでも就職するにはどうしたら良いのでしょうか。
本記事では、何をすれば大学院中退者が就職できるのかを詳しくご紹介いたしますので、少しでもお役に立てれば幸いです。
大学院中退者は就職できない?
大学院を中退してしまうと、大学院を卒業した人と比較して就職で不利です。
大学院の修士課程や博士課程を卒業すれば就職しやすくなるので、必死に卒業を目指して学業や研究に取り組んできた人も多いでしょう。大学院中退者の就職が卒業者に比べて厳しいのはなぜなのでしょうか。
学位を取得できないから
大学院を中退してしまうと学位を取れないので、学位を取得して卒業した人に比べると不利になります。修士課程に進学して中退した場合には、学歴としては大学卒業者と同じ学士です。
修士課程を修了して卒業した人は修士の学位を取得できるので、専門的な知識やスキルを持っていると世間的に認められます。
専門性の高い職種の求人では修士卒以上、大学院卒以上といった募集条件を定めていることもよくあるため、就職が難しくなることは否めません。
研究職志望で博士課程を中退した場合には博士の学位がないのが大きな差になります。海外では研究職は博士の学位がなければ一人前と認められない傾向が強いからです。
外資系企業や海外との戦略的事業提携をしている企業で働きたい場合には、博士の学位の有無によって就職の可否が大きく変わります。
途中で諦めたと思われてしまうから
大学院中退者は途中で挫折した人というレッテルを貼られてしまいがちです。大学院に入学するかどうかを決める際には悩んだのではないでしょうか。
そして、進学するメリットがあると考えて目的意識を持って入学したでしょう。それでも中退してしまったという認識をされるため、途中で物事をあきらめてしまう人だと企業には認識されてしまいます。
根気がない、ストレス耐性がないといった不安を抱かれる要因になるため、大学院中退をすると就職で不利になりがちです。
教授による推薦や所属先のネームバリューを活用しにくいから
大学院を中退すると教授や所属先の研究室の力を活かして就職することはできないでしょう。
有名な教授の下で博士の学位を取得したら引く手あまたになることもあります。修士でもぜひ欲しいという企業がたくさんいて、わざわざリクルーターを派遣していることも少なくありません。
ネームバリューを活かした就活は中退してしまうとできません。
もちろん、就活の際に有名研究室で学んでいたことに言及してアピールできないわけではありませんが、学位を取るまでやり通せなかった点が懸念されてあまりポジティブに捉えてもらえないのが一般的です。
新卒として就活できない場合が多いから
大学院中退者が卒業者に比べて不利なのは新卒として認めてくれない企業が多いことも一因です。
大学院を中退すると日本での一般的な扱いは既卒になります。
企業によっては卒業後1年間は新卒採用に応募できるようにしていることもありますが、新卒採用は大卒見込のときにだけ応募できる企業がほとんどです。
一般的には既卒採用枠が特別に設けられているわけではないため、中途採用枠の中でキャリアのある人たちと競い合いながら就職先を見つけなければなりません。
新卒採用ではポテンシャル採用を前提に考えてくれるのでゼロベースで就職しやすいですが、中途採用ではスキルや経験を求められることが多いので大学院中退者にとって就職は厳しくなりがちです。
大学院卒業者でも就職に苦労しているケースが多い状況だから
切実な問題として大学院卒業者も就職に苦労しているケースが多いのが日本の現状です。大学院に進学して修士や博士の学位を取った人が就職に失敗して路頭に迷っているケースもあります。
特に博士課程まで進学した場合には企業があまり積極的に募集していなくて就職に苦労しがちです。
専門性が強く要求される業界では修士や博士の採用をしていますが、企業で必要としている業務内容に直結するスキルを大学院で学んでいない人は学位があっても就職が難しくなる傾向があります。
大学院卒業者でも就職難で苦労する分野で大学院に進学した場合には、中退してしまうとより低く見られてしまって就職できない状況に陥るリスクが高いのが現状です。
大学院中退のメリット・デメリット
大学院を中退するとすぐに就職できないリスクを負うのは確かです。ただ、大学院を中退するのにもメリットはあります。
頑張って中退せずに大学院を卒業するのと比較して、どのようなメリット・デメリットがあるのかを詳しく確認しておきましょう。
大学院を中退するメリット
大学院を中退するメリットは自分にとって新しい可能性をすぐに切り開けることです。必死に卒業を目指して取り組むよりも大学院を中退した方が良い点をまずは紹介します。
卒業を待たずに学んだことを活かして働ける
大学院を中退すると就職して企業で働けるタイミングが早くなるのがメリットです。大学院で学んだことを早く活かせるようになります。大学院で学んだ思考力や研究力などを駆使して働けるのはやりがいになるでしょう。
修士課程に進学して1年で十分なスキルアップができたなら、2年後の卒業を待たずにすぐに就職先を見つけるのは社会に出て働きたい人にとって賢い方法です。
博士課程では3年間も必要になるので、十分に学んだと思った時点で中退して就職すれば、ずっと同じ研究室に所属するよりも時間の無駄がなくなるでしょう。
卒業を待っていると年齢が高くなってしまって若さを強みにしづらくなるデメリットもあるので、早めに就職するのは魅力的です。
学費などの金銭的な負担をなくせる
大学院に通うには学費がかかりますが、就職してしまえば金銭的な負担がなくなります。大学院生活を送るのに必要なお金を確保するのが大変で、アルバイトをしながら大学院に通っていた人にとっては切実な問題でしょう。
就職すれば給料をもらえるようになるのでお金の不安を払拭できます。学部学科や国立か私立かによって学費に違いはありますが、医学部や工学部では多額のお金がかかることもあります。
金銭的に不安がある人にとっては半期であっても早く中退した方が負担が少なくなり、就職して稼げるようになるのがメリットです。
大学院の専門分野からの転換をしやすい
大学院で修士や博士の学位を取得すると専門スキルのある人として認めてもらえる魅力があります。ただ、その専門のことしかできないと誤解されるリスクもあるのは確かです。
学位を取得する前に大学院を中退すると、大学院の専門分野以外も含めて就職先を検討しやすくなります。大学院の専門分野が自分に合わないと感じたときには分野転換をしたいでしょう。
学位を取得する前の方が広く就職する業種や職種を検討できるのがメリットです。
大学院を中退するデメリット
大学院を安易に中退してしまうと後悔するリスクがあります。大学院を中退する前にデメリットを理解し、頑張れるなら卒業するまでやり通すという考え方もあるでしょう。
ここでは就職に関連して大学院を中退するデメリットを解説します。
大学院卒業者に比べると給与レンジが低い
大学院中退者は給与レンジで考えると大学院卒業者に劣るのがデメリットです。大卒も大学院卒も募集している企業では、新卒採用なら大卒よりも大学院卒の方が高めの初任給にしているのが一般的です。
専門性の高い職種に応募できるのでベースの給与も修士以上の学位を持っている人の方が高い傾向があります。
給与レンジが低くて納得できる就職先を見つけられないリスクがある点は中退するときに気にかけておいた方が良いでしょう。
所属していた教室の人間関係が悩みになる
大学院を中退すると今まで所属していた教室の教授や准教授、講師や助教などのスタッフとの人間関係が問題になる場合があります。中退する理由について十分に納得して貰えたなら大きな問題になることはあまりありません。
しかし、人間関係の不和などが原因で中退する際には、今後の付き合い方が悩みになります。就職活動でサポートしてもらえないだけでなく、就職先の業界が所属先と同じ場合には今後も接点が出てくることがあります。
将来を考慮して人間関係の整理を付けることが重要です。
既卒としての就職は選択肢が狭い
大学院中退者は既卒として就活することになるのがデメリットです。前述の通り、新卒とは違って中途採用枠の中で就職先を探すことになります。
業界によっては就職経験のない未経験の人を歓迎していることもあるでしょうが、ほとんど経験者しか募集していない業界もあるので、就職先の選択肢が狭くなることは否めません。
やりたい仕事ができる就職先を見つけられなくて悩んでしまうこともあります。
大学院の新卒に比べると候補にできる就職先が少なくなるのは、大学院を中退するデメリットです。一度、キャリアプランを立て直す必要が出てくるでしょう。
大学院中退者が就職するためのコツ6選
大学院中退を決断して就職するなら押さえておきたいポイントがあります。大学院中退者は就職できないわけではありません。うまく速やかに就職して満足な人生を送っていけるようにするためのコツを見ていきましょう。
大学院中退後の空白期間を短くする
学院を中退した人が就職で成功するには空白期間を可能な限りゼロに近づけるのがコツです。
大学院に行くのが嫌になってしまってとりあえず中退の手続きをしてしまい、その後はしばらく何もせずに過ごしてしまう人もいます。
ただ、大学院を中退してから空白期間があると、意欲がない人だと企業に思われてしまって就職が困難になります。
卒業するのを待つ必要はなく十分なスキルを手に入れたから働きたいという優秀な人は、在学中に就職活動をして内定を獲得してから中退の手続きをするのが一般的です。
中退すると決めたら就活を始めて、在学中に内定をもらうのがおすすめです。その上で教授や大学院と相談して中退の手続きを進めていきましょう。
大学院中退後のプランを明確にしておく
大学院を中退すると将来はどうしたいのかが見えなくなってしまう人もいます。前向きな気持ちで大学院を中退する人は将来のビジョンを描けているでしょう。
しかし、ネガティブな気持ちで大学院を中退する人は無計画で辞めてしまいがちです。できるだけ具体的に大学院中退後のプランを決めておくのが大切です。
大学院中退後に自分が何をしなければならないかを考えるうえで基盤になるだけでなく、就活のときに自分のキャリアプランを志望先に伝えられるようになるメリットがあります。
今後に期待できる人材として認めてもらえる可能性が高くなるので、キャリアプランを明確にして中退するのがおすすめです。
ポジティブな中退理由を考えておく
大学院中退者が就活をすると、なぜ大学院を辞めたのかを面接で聞かれる場合がほとんどです。
教授との関係が悪くなって辞めざるを得なかったのではないか、専門分野に興味関心がなくなったのではないか、研究環境が厳しくて耐えられなかったのではないかと、さまざまな推察をされます。
なるほどと納得してもらえるようなポジティブな中退理由があれば企業の採用担当者にも納得してもらえます。
応募先の企業によって伝えるべきポイントには違いがありますが、「それなら大学院中退者でも採用したい」と思ってもらえるように理由をよく考えておきましょう。
大学院での経験を自己PRに活かす
大学院を中退したとしても、在籍していた期間は専門分野のトレーニングを積んでいたはずです。大学院での経験は大卒の人にはないアピールポイントになります。
就活の際には大学院での経験を振り返って自己PRに活用しましょう。
もし就活のときに大学院で得られたことを採用担当者に伝えなかったとしたら、大学院に進学したことが無駄だったのではないかと疑問に思われてしまいます。
大学院で研究したことによって成長して、今後に生かせる力を身に付けたとアピールすると中退理由を納得してもらいやすくなります。
就職エージェントを活用する
大学院中退者は就職エージェントを利用して就活するのが成功のコツです。就職エージェントは無料サービスで就職したい人が誰でも利用できます。
どんな企業でどのような働き方をしたいかといった希望に合わせて、理想的な就職先の求人を厳選して紹介してくれます。応募書類の作成や面接の準備なども広くサポートしてくれるので、安心して就活を進められるのが魅力です。
大学院を中退して就職するなら、私たち第二新卒エージェントneoがおすすめのエージェントです。第二新卒エージェントneoは、新卒程度の年齢の若手の就職に特化しています。
私たちには、大学院を中退して就職したいという人たちをサポートしてきた経験が、豊富にあります。第二新卒エージェントneoは無料で会員登録できるので、ぜひ登録して私たちにご相談ください。
中退前に教授に相談する
大学院の中退を考え始めた時点で教授に相談するのもコツです。教授との関係が悪いわけではなく、理由があって中退しなければならないときには、前向きに進路サポートをしてくれるでしょう。
親の意向がある、経済的に厳しいといったやむを得ない事情の場合には特に手厚いサポートを受けられる場合がほとんどです。
理解がある教授なら、興味のある分野が変わってしまったというときにも就職の手助けをしてくれるでしょう。人柄の良い教授に恵まれているなら中退前に相談するのがおすすめです。
おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。
しかしどうしても自分の良いところや強みがわからないときにはぜひ、私たち第二新卒エージェントneoに頼ってください。これまで多数の内定者を輩出した確かな実力を持ってあなたの性格を分析、そして安心して働ける求人をご紹介致します。共に楽しい仕事探しを成功させましょう!