スマートに会社を辞める伝え方とは?退職理由や流れ、転職方法をリサーチ
退職をするならスマートに辞めたいものです。それには、退職を伝えるタイミングや退職理由の選び方など、いろいろなポイントを知っておくことが必要です。
そこで、この記事ではスマートに会社を辞めるための方法や、退職までの流れを説明します。また、求人サイト・ハローワーク・転職エージェントなど転職方法ごとの特徴やメリット・デメリットも紹介します。
本当の退職理由とスマートに辞めるための退職理由
転職をするためには、現在の職場を辞めることが必要です。
もし退職がスムーズに進まなければすでに転職先が決まっている場合、入社予定日に間に合わなくなる可能性がありますし、これから転職先を探す場合も支障が出てしまいます。
「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがありますが、退職するときもこうありたいものです。しかし、退職の交渉がこじれてしまうこともあります。
そうしたときの振る舞いによって、悪い評判が立ち、会社を辞められたとしても、残りの勤務期間が居心地の悪いものになってしまうといったこともよく聞きます。とはいえ、会社をスマートに辞めることは可能です。
そのためのポイントのひとつは、本音と建前を使い分けることです。嘘を付けばいいわけではありませんが、辞めたい理由を会社側にそのままいうと角が立ってしまうこともしばしばです。
「相手の立場を考える」「必要な情報に絞って退職理由を伝える」などポイントを守ることが、お互い気持ちよく、スマートに退職準備を進めるためのコツといえます。
本当の退職理由
スマートに会社を辞めるためには、本音をそのままぶつけないことが大切です。たとえば「給料が安い」「上司と合わない」「やる気が出ない」などを退職理由として伝えないのが基本です。
相手も人間なので、このような内容をいきなりぶつけられれば、誰だっていい思いはしません。
そのため「こんなによい待遇なのに、わがままをいうな」などと、けんか別れになってしまうケースもあります。これでは、その後の交渉も先が思いやられます。
「労働条件が悪い」「人間関係に不満がある」といった会社や会社の人間に対する不満が退職理由のケースはとても多いといえます。厚生労働省の調査によると、男性の転職理由の第1位は「給与・報酬が少ない」です。
第2位は「会社・事業の将来性に不安がある」、第3位は「労働時間が長かった・休暇が少なかったから」です。
女性の第1位は「会社の経営方針に不満がある」、第2位は「給与・報酬が少ない」、第3位は「労働時間が長い・休暇が少ない」となっています。
年齢や雇用形態などいろいろな転職理由はありますが、おおまかには会社への不平不満が圧倒的に多いのが現状です。
退職理由を聞いて、誰もがすんなり納得するような、客観的な理由がない場合も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、本音を直接会社に伝えるのはやめましょう。基本的には、会社側の気分を害するような退職理由は、伝えてもいいことはありません。
このあたりは恋愛関係における別れ方に似たところがあります。
別れる理由をしっかり説明してほしいと望む相手もいるでしょうが、基本的には、なるべく傷つかないような、ぼんやりした理由を言ったほうが上手くいきます。
退職理由を述べるときも「労働環境に不満をもっていた」「社風に我慢ができなかった」などと過去のことを振り返っても、あまり建設的ではありません。
退職を決めているなら、今後のことを中心に考えて、伝えなくてもいい本音は隠しておきましょう。
スマートに辞めるための退職理由
退職をスマートに伝えるためのポイントは1つ目が「退職するのは個人的な理由、とだけ伝えること」と2つ目が「前向きな内容にすること」です。
1つ目のポイントは、退職願にある「一身上の都合により」といった決まり文句と同じように、余計なことをいわないことです。
個人的な理由といっても「今のままでは給料が少なすぎて生活が成り立たない」「自分にタスクが集中しすぎる職場に納得できない」といった理由を、基本的には伝えてはいけません。
もちろん、本当の理由を知りたいと思った上司などから、いろいろ質問されることもあるでしょう。しかし、あくまで個人的な理由で退職するとだけ伝えて、できるかぎり詳細は伝えないのが基本です。
会社に対する不満など、本当の理由を明かしたい人もいるでしょうが、スマートに辞めるためには、一身上の都合にしておくのが最もいい方法です。
そうしておけば、会社側は交渉のための取っ掛かりがないので、それ以上、引き止めにくくなります。
なお、退職することに関して、心苦しい気持ちがあることを示すのも暗黙のマナーとされています。親しい上司であったとしても、いつもよりは真剣な面持ちでいくぶんトーンを低くして退職の意志を伝えましょう。
2つ目のポイントは「前向きな内容にすること」です。これは、会社に対する不平不満を伝えないためのテクニックであるとともに、会社から転職を応援してもらいやすくするために大切なことです。
もし、転職先が決まっているなら、少し具体的なことに触れてもかまいません。
たとえば「以前から興味のあった、印刷業の仕事に転職したいと思っています」「会社の業務のなかで学んだ知識を生かして、より専門的な仕事に就くつもりです」など前向きな内容を伝えましょう。注意点は、あまり細かい情報を言わないことです。
退職をしてから、転職先を探す人もたくさんいます。そのようなケースでは、具体的なことが決まっておらず、どのような業種や職種に就こうか考え中という場合もあるでしょう。
転職の方向性が決まっていない場合は、今の時点での希望をなるべく前向きに伝えるのが一般的です。
「現在、広告業界に興味を持っているので、広告代理店に転職するつもりです」「新しい環境に身をおいて、自分の可能性を試したいと思います」などの伝え方があります。
また、20代など若い世代であれば「資格取得のために専門学校に入ります」「学生のころに実現できなかった語学留学をします」なども、比較的、会社に受け入れられやすい退職理由といえます。
「結婚」「出産・育児」「パートナーの転勤に伴う遠隔地への引っ越し」「体調不良」「家族の介護」など、納得してもらいやすい退職理由があれば、これらをシンプルに伝えましょう。
会社に公表したくない内容があれば、個人的な理由という表現に限ってもいいですが、どうしても会社を辞めなければならない事情を伝えれば、退職をスムーズに進められる場合があります。
また有給休暇の消化や退職日などについて優遇してくれる場合もあるため、必要に応じて会社に伝えましょう。
なお、親の介護や自分の健康状態などについて嘘をいうと、後で会社にわかってしまう場合もあるので注意が必要です。
もし、本当に親の介護が必要なら、残りの就業期間で労働条件を見直さなければいけない場合があり、証明する書類を持ってきてほしいと頼まれるケースなどです。
健康状態についても、会社の健康保険証を使っている以上、ある程度状況はわかります。
医療費がほとんど発生していないことから、体調不良で退職したいという理由が疑われる可能性も、ないとはいえません。そのような心配をするぐらいなら、一身上の都合で退職したいとだけ伝えたほうが安心です。
退職の流れ
ここでは退職にまつわる全体の流れについて詳しく説明します。個々の段階の解説に移る前に全体的な流れを把握していたほうが理解しやすいため、一般的な退職の流れを簡単に紹介します。
退職を決断する前には、全部で5つの段階があります。まず、次の仕事のプランを建てたり転職先を探したりする段階です。
そして、会社を辞める決心が付いたら直属の上司に相談という形で退職の意志を伝えるのが2段階目です。
3段階目では退職日を決め、退職願や退職届として正式な書類を提出します。4段階目は、通常の仕事のほかに引き継ぎ業務などを進めていく段階です。
5段階目は退職日とその後の手続きです。退職日は会社に返す物や受け取る物、退職の挨拶などがあるため、漏れがないように事前にチェックしておきましょう。
①次の仕事のプラン立て&転職先決定
②「相談」として退職の意思を上司へ
③退職日決定&退職届提出
④引継ぎ業務を行う
⑤退職日&その後の手続き
次の仕事についてプランを練る
退職を考える前には「辞めた後に、どのような仕事に就くか」は誰しも考えることです。それほど具体的に考えなくても、転職エージェントなどに登録しておき、退職後にスムーズに転職活動ができるように、リサーチを進めておく人もいます。
退職を決める前に転職活動をするメリットは次の3つです。1つ目は、転職エージェントなどに登録しておくと、定期的に求人情報が配信されることです。
具体的なアクションを起こさなくても、どのような仕事があるのか、現在の会社と比較して給与や福利厚生がいいのか、などを知ることができます。
いろいろな求人情報をみることが、精神的な安定につながると感じる人も多いようです。現在勤めている会社に不満がある場合、転職できると考えるだけでも楽になる部分は確かにあるでしょう。
「自分に合った仕事が分からない」「もうブラック企業では働きたくない」など転職に不安を感じる方はぜひエージェントを利用することをおすすめします。
相談だけでも受けつけておりすべてのサポートが無料で受けられますので、ぜひ一度利用を検討してみてください。
2つ目は、転職先を退職前に決めておけば、経済的に困らないことです。会社を辞めて転職活動するときに、最も困るのは金銭面です。
パートやアルバイトをしながら転職活動するという方法もありますが、ハローワークに行く、会社に面接を受けに行く、転職フェアに参加する、など転職が決まるまでは何かと忙しい時期です。
失業手当にも限りがあります。そのため、退職前に転職先を決めておくのは、経済的にみても、心理的なプレッシャーの点からみても楽だといえるでしょう。
3つ目は自分の市場価値を知ることができることです。特に、転職エージェントにおいては、専任のスタッフが会社側と自分をマッチングしてくれます。
したがって、求人情報がくれば、自分の能力や経験がその会社の応募条件を満たしているともいえるのです。何件かの求人情報に触れていくうち、自分がどのような会社に転職できそうか、ある程度、見通しが立ってきます。
これらのメリットを重視するなら、退職を決める前に転職活動を積極的にしましょう。希望する業種、職種なども徐々に絞り、応募しやすい時期や難易度などをリサーチします。
退職後に転職活動を開始する場合でも、希望する業種の求人が多い時期やどれぐらいで転職が決まりそうかなど、おおよその見通しは立てておいたほうがいいといえます。失業に備えた貯金の準備なども進めていけるからです。
上司に退職したいことを伝える
退職の意志をまず伝えるのは、直属の上司です。その人以外に伝えるのはマナー違反です。
たとえば、直属の上司である課長ではなく、部長に退職の意志を伝えるのはNGです。重要な話を直接してもらえなかった課長の面目はつぶれてしまいますし、気分を損なうでしょう。
たとえ直属の上司と折り合いが悪く、それが退職理由であったとしても、組織系統に従って退職の意志を伝えるのが重要です。当然ながら、先に同僚などに退職の意志を漏らすなどもマナー違反になります。
上司に退職したいと伝える時期は、希望する退職日の1~3カ月前です。まず口頭で「今後のことについてご相談があります。お時間をいただけないでしょうか」などと面談のアポイントを取りましょう。
退職の意志が固い場合であっても、この段階ではまだ「相談」という形を取ります。いろいろなケースがありますが、上司や会社にとっては寝耳に水のこともしばしばです。
退職について拒否反応を示されることも少なくないので、相談という形をとったほうがスムーズに話を進めやすいといえます。上司との面談では退職したいことと、いつ退職したいかの希望も伝えます。
この面談では、先述したように「本音と建前を使い分ける」「前向きに個人的な理由で退職したいことを伝える」などのポイントを押さえて話をしましょう。
退職の意志は、上司だけに伝えます。上司に伝えたからすでに公になったと考えて、同僚や他の上司などに話すなどはNGです。社員の退職は機密事項という認識が必要です。
親しい同僚などに、つい退職することを伝えてしまうケースもよくあります。しかし、情報が漏れることによって会社から信頼を失い、円満退職から遠ざかってしまうこともあるので注意が必要です。
この段階では、上司、および会社が退職の意向を預かった形となっています。退職の意志を聞いた上司は、その上の上司や社長、人事部などに連絡をしているはずです。会社側からの返答を待ちましょう。
退職日を決定、退職願を提出
上司に退職の意志を伝えた後、何度か退職理由について確認されたり、退職日について話し合ったりする場が設けられることもよくあることです。
その際の交渉のポイントは後ほど詳しく紹介するので、ここでは退職が了承され、退職日が決まった後の流れを説明します。
退職日が決まったら、正式な書類として退職願や退職届を提出します。ちなみに、退職願は自己都合で退職する人が一般的に使う名称です。
会社都合の退職や退職が確定している場合には「退職届」として提出します。また、役職に付いている人や公務員の場合には「辞表」を提出します。
退職願は直属の上司に直接、手渡しします。机の上に置いておくなどはマナー違反です。
退職願を提出するタイミングは、退職日の1カ月ほど前が一般的で、遅くとも2週間前までには渡さなければなりません。
提出するときの挨拶は特に決まっていませんが「この度、退職を決意いたしました」などといって渡すことが多いといえます。
退職願は退職理由と退職日、退職願を記入した日付、署名、捺印が揃っていれば、正式な書類として認められています。宛先は社長宛としましょう。
正式な書式はありませんが、インターネットサイトなどからダウンロードできるテンプレートを活用するのが便利です。手書きでもいいですし、パソコンで作成して印刷してもかまいません。
もちろん、手書きの場合、鉛筆、消せるボールペンなどはNGです。また、修正液などで訂正してもいけません。封筒は白地が基本です。
表には「退職願」と書き、裏には名前と部署名を記載します。封筒に入れる前に、念のためにコピーを取っておきましょう。後からトラブルになったときに、証明として使えるからです。
残りの仕事の消化、引継ぎ
退職願を出し終わった段階では、上司などから職場に対して、退職することと退職日が連絡されているケースも多いといえます。
退職日までの残りの期間は、通常の業務に加えて、引き継ぎのための業務をすることになります。
上司などと相談しながら、引継ぎスケジュールを作成しましょう。必要に応じて、部下に仕事を教えたり、業務のためのマニュアルなどを作成したりします。
営業職の場合、取引先に後任の担当者を引き合わせることなども必要です。担当者が変わることは顧客にとって不安材料になるので、十分な気配りが必要といえます。
顧客によっては、上司とともに挨拶にいかなければならないこともあるでしょう。自分以外の人のスケジュールにも影響を与えるので、このような挨拶や引き継ぎ業務は計画的に進めることが大切です。
自分が辞めた後に、職場の業務がスムーズに回るように引き継ぎをしていくのは、社会人としてのマナーといえます。
退職当日と退職後について
退職日に備えて、当日会社から受け取らなければならない物と、返さなければならない物をチェックしておきましょう。
会社から受け取らなければならない物は雇用保険被保険者証、年金手帳、離職票、源泉徴収票、退職証明書です。
これらはすべて退職日にもらえない場合もあるので、いつごろに送付されるのか、会社の担当者に聞いておきましょう。
会社に返さなければならない物は健康保険証、社員証などです。また、会社から支給された携帯電話やパソコンなどの備品、作業着、制服なども返す必要があります。
名刺も渡すことを求められる場合があります。これらの物は返し忘れることも多いものなので、退職日前に返せる物は返しておきましょう。
デスク周りやロッカーも時間に余裕を持って整理しておきましょう。退職日はたくさんの人から声をかけられるなどして、思ったように自分の時間が取れないこともあります。
身の周りの整頓も退職日が近づいた時期に徐々に進めておくと、余裕を持って退職日を迎えられます。なお客先の名刺や顧客リストをコピーしたりするのは禁止です。
こうした行為は通常、社内の規則違反にあたります。私物と会社の物の区別を明確にしながら、整理を進めましょう。
退職後は、すぐに転職先で働き始める人や失業手当を受けて転職活動を始める人までさまざまなケースがあります。
退職後によくあるのは、会社から離職票がこないなどのトラブルです。離職票であれば退職後10日以内に発行しているはずなので、郵送されてこない場合は会社に連絡しましょう。
また、退職後にすぐ新しい会社に入社する場合には、ほとんどの公的手続きは転職先の担当者にしてもらえます。
しかし、会社に属さない期間があるなら、健康保険の切り替え、年金の切り替えなどが必要です。それぞれ手続きを完了させなければならない期間が決まっているため、忘れないようにしましょう。
退職をスマートに伝えるためのポイント
退職手続きをスマートに進めるためには、退職するタイミングを選ぶことが大切です。そこから逆算して、上司に退職を伝える時期を決めます。
有給休暇や賞与など、できるだけ有利な条件で退職するためには計画性が大切です。また、会社から退職を止められる場合もあります。引き止め交渉をされたときの対策も紹介します。
仕事の繁忙期は避ける
退職日の選び方で重要なポイントは今の会社の繁忙期を避けることです。繁忙期は会社によって違うので一概にはいえませんが、ある程度長く務めているなら、繁忙期がいつなのかわかるはずです。
転職先と入社日が決まっている場合もありますが、なるべく、上司や職場に余裕がある時期を退職日にするのが、スムーズに退職を認められる条件のひとつといえます。
年度の区切りを退職日にするのも一般的です。つまり、年末の12月か、年度末の3月です。これらの時期の退職は区切りがいいため、事務作業がやりやすい面があります。
また、引き継ぎ業務がしやすくなるのもメリットです。できるだけスムーズに退職したい場合には、このような時期を選ぶといいでしょう。退職日が調整できるなら、上司などと退職日について話し合うのもスマートな退職にとって効果的です。
そのほか、重要なプロジェクトが進行している時期などは、退職するタイミングとしては向いていません。特に、そのプロジェクトにおいて重要な役割を担っている場合には、大きな影響を与えてしまいます。
結果として、希望する退職日に辞められたとしてもそれまでの間、周りの同僚などからわがままなどと不満をいわれるケースもよくあるようです。できればプロジェクトの区切りがよいタイミングを選びましょう。
退職の1~3ヶ月前くらいに上司にアポを取る
退職の意志を始めに伝えるのは、退職の1~3カ月ほど前です。伝える相手は直属の上司です。
1カ月ぐらい前でも許容範囲ですが、退職についての交渉が難航したり、引き止めをされたりした場合には、希望通りの日に退職できないリスクが高いといえます。2カ月前ぐらいに余裕を持って伝えておくと安心です。
そのため、もし転職活動をしていて、いつぐらいから働けるのか聞かれた場合、内定から1~3カ月後を目安に答えましょう。
事前に、今の会社の繁忙期やプロジェクトの進行などを頭に入れておき、予定を立てておくと慌てずに済みます。転職をする際に理想的といわれるのが、入社日の前日を退職日とすることです。
無職の期間がないため、健康保険や年金の手続きをしなくていいなど、公的な手続きが楽です。給料が継続するのも大きなメリットといえます。
特に20代では、それほど貯金に余裕がないことも少なくないため、経済的にも助かる面が多いのです。
退職をする場合には、できれば賞与をもらってからにしたい人も多いと思います。また、有給休暇もすべて使い切って辞めたい人もいるでしょう。
こうしたことに関して、特に気にしない会社も多いといえます。しかし、なかには退職する人に賞与を出したくない会社もありますし、退職するなら最後まで働かせたい会社もあります。
そのため、賞与の受け取りや有給休暇の消化にこだわるあまり、退職の交渉がこじれてしまうケースもあるようです。
人によって考え方はそれぞれなので一概には言えませんが、最も重要なことは今後の仕事ではないでしょうか。賞与も有給休暇も大切ですが、スムーズに退職ができなくなる状況なら、ある程度の妥協が必要となる場合もあります。
とはいえ、上司に退職を伝える前に、目立たないように有利な退職のタイミングを計画することは不可能ではありません。もし賞与の査定中の期間ならば、確定するまでの間少し待ったほうがいいでしょう。
退職を伝えることで賞与の額が明らかに下がったなどの話は、私たちもよく聞きます。査定が決まった後に退職の意志を伝えれば、通常通りの額をもらえる可能性が高まります。
また、有給休暇をしっかり消化したい人は、社内の規定などをよく確認しておき、いつ有給休暇が付与されるかチェックしておきましょう。
一般的な会社の場合、有給休暇は年に1回付与されます。したがって、退職日によっては有給休暇をフルに消化して、転職活動に充てることも可能です。
ただし、これも周りの人から白い目でみられる可能性があることは、頭の片隅に入れておいたほうがいいでしょう。労働者の権利ではありますが、強引に有給休暇の付与とタイミングを合わせると、会社との退職交渉がもめる場合もあります。
引き止められたときの対策を考える
「君が抜けたら、仕事が回らない」「せめて年度末までは退職日を延長してもらえないか」など、退職の意志を伝えると、引き止めのための交渉をされてしまう場合があります。
転職先がすでに決まっている場合は、退職するのを辞めたり、退職日を延長したりすることはむずかしいといえるでしょう。この場合、きっぱりと断るしかありません。
もちろん退職してから転職活動をする場合でも退職日がいつでもいいということはないので、なるべく希望日に退職したいものです。
どのようなケースでも、基本的にスマートな対処法といわれているのが、相手を立てる対応です。
たとえば「会社に残ってほしいといわれて、大変ありがたく思います」「身に余るお言葉、誠に感謝いたします」など、会社に引き止められたことに対して、感謝の言葉を述べます。
そして、その後に「しかし、退職の意志は変わりません」「申し訳ありませんが、退職日は伸ばせません」といった内容を続けます。このようにすれば柔らかい印象になるため、会社側と無用な対立が生まれにくいのです。
また、あらかじめ引き止められることが予想できる場合、初めて直属の上司に退職の意志を伝える時点では、相談という形を強調したほうがいいことがあります。
一方的にいつ退職したいと伝えると、かえって上司、および会社側が態度を硬化させることがあるからです。上司からの引き止めの言葉にもすぐに反論するのではなく、ひとまず耳を傾けることが効果的です。
しかし、退職を取りやめてくれるかもしれないと期待をもたせてしまうといけないので、相手の話を聞いたうえで礼儀正しく、いつ退職したいかを伝えましょう。
そして、引き止めの交渉に対して感情的にならないように注意して、自分の意志は変わらないことを述べます。
私たちのように、転職者にサービスを提供している会社にはさまざまな情報が耳に入ります。そこで、どのような引き止め方があるのが、代表的な例を紹介します。
最も多いのは「業務を引き継げる人がいないから、辞めないでくれ」という引き止め方です。会社側が感情的になると「無責任ではないのか」などと訴えられることもあります。
この引き止め方への対策は、引き継ぎをしっかりするから問題がないとアピールすることです。後任への引き継ぎの流れや、どれぐらい時間をとって教えるかなどを上手に説明できれば、会社側の不安も和らぎます。
直属の上司など、仕事の詳細もわかっている相手の場合、仕事を引き継ぐためのマニュアルが揃っていることを伝えることなども効果的です。
もうひとつの引き止め方は、「給料を上げる」「休暇を取らせる」「希望の部署に異動させる」など、労働環境の改善を約束することです。
退職する理由として、会社の不満を説明していなくても、同じ会社の人間ですから、何となく察しは付くものです。
退職前に休暇をもっと取得させてほしいと頼んだり、別の部署に移してほしいと相談したりしていれば、それらの条件を解決すれば退職を止めてくれるかもしれないと考えるのは当然といえます。
この場合は、あまり多くを語らないほうがいいといえます。なぜなら、本当の理由は「会社の将来性が不安だ」などの場合も多いため、説明すればするほど職場の批判や経営者批判になってしまうからです。
そのようになってくれば、徐々に交渉がギスギスしてしまうかもしれません。そのため、こうした交渉には取り合わず、個人的な理由で退職したいなどと説明したほうが、交渉を早く切り上げられることも多いのです。
最後の引き止め方は情に訴えることです。具体的には、直属の上司から飲みの席に誘われ「退職を撤回してくれないか」などと頼まれるケースがよくあります。
このような場合のシンプルな対処法としては、飲みの誘いを礼儀正しく断ることです。というのも、お酒が入るとつい本音がもれてしまいやすいからです。
誘いに乗って、会社への不平不満を吐き出してしまうかもしれません。情にほだされ、つい「もう一度、会社で頑張ります」などと言ってしまう可能性もあるでしょう。
また「今の会社に好きな部分がある」「退職の意志が揺らぐことがある」という場合は要注意です。最終的に交渉が決裂した場合には会社の人事部に宛てて「内容証明」で退職届を提出しましょう。
民法627条では、労働者は雇用の解約を申し入れることができ、退職届を出してから2週間経つと雇用関係が解消されることになっています。
内容証明として認められるためには、差し出した日付や差出人の住所、氏名、宛先の住所、退職するという内容など、必要な情報を書いておく必要があります。
そして、「退職届の内容」「退職届を発送したこと」「発送日」を日本郵便によって証明してもらいます。
ライバル会社へ転職する場合は?
ライバル会社に転職する場合は、より注意が必要です。なぜなら機密事項や技術、知的財産が流出することを、会社はなにより恐れるからです。
そのため、就業規則の競業避止義務規定(在職中、退職後に会社と競合する活動をしないという義務を定めたもの)などの項目にしっかり目を通しておきましょう。場合によっては、裁判で訴えられてしまうこともあります。
もちろん、原則的には職業選択の自由が認められています。しかし、後でトラブルにならないようにどのような行為が禁止されているか確認しておきましょう。
就業規則に違反していなくても、ライバル会社への転職は印象が悪いです。そのため、詳しいことは話さず黙っておきましょう。
転職するにはどうすればいいの?
転職する際に役立つのが「求人サイト」「ハローワーク」「エージェント」の3つです。それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
求人サイト
求人サイトを利用する場合、基本的にインターネットのサイトにアクセスして自分で会社を探します。いつでもどこでもパソコンやスマホから求人情報を検索できるのがメリットです。
「年間休日120日以上」「完全週休2日制」など希望する条件で細かく絞り込むこともできます。自分のペースで転職活動が進められるのもメリットです。
一方、デメリットは面接日の調整など、多くの作業を自分でやらなければならないことです。面接対策など細かいサポートもないため、初めての転職の場合は不慣れなことも多いのに相談相手がいないこともデメリットといえます。
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は国が運営する職業紹介所で、雇用保険や雇用対策などの業務も行っています。
全国に544カ所のハローワークがあるので、どこに住んでいても最寄りのハローワークを利用することが可能です。求人数も多く、職業訓練を実施しているのもメリットといえます。
また、数は限られますが、子育て中の方向けの就職支援の「マザーズハローワーク」、正社員登用を目指す若者向けの「わかものハローワーク」、新卒者と既卒者向けの「新卒応援ハローワーク」などの専門的なハローワークもあります。
デメリットは求人企業や仕事内容に関する情報が少ないことです。そのため、就職したら思っていた仕事内容と違ったということもよくあるようです。
加えて、無料で求人情報を掲載できることと、審査が緩いことから、悪質な会社が多く混じっているのもデメリットです。会社の規模も中・小・零細企業が多いため、大きな会社に勤めたい人には向いていません。
エージェント
転職エージェントを利用する場合、転職を希望する人は専門のスタッフから求人情報を紹介してもらうのがメインとなります。
もちろん、求人サイトのように自分で会社を探すことも可能です。転職エージェントを利用するメリットは、高いレベルのサポートを受けられることです。
転職エージェントでは、転職者が入社したときに就職先の会社から成功報酬を受け取る仕組みとなっているため、エージェントも転職を成功させたいと思っているのです。
デメリットは自分のペースで転職活動がしにくいことです。転職活動を細かくサポートしてもらえ、効率的に面接などを組んでもらえるメリットの裏返しでもありますが、人によってはやりにくく感じることもあるようです。
また、アドバイザーとの関係が密なため、相性が合わない人が担当になると、それがデメリットになる場合もあります。ただその場合は担当者の変更をお願いすることもできるようです。
第二新卒の志望動機の書き方公開!自己PRのコツと内容を濃くする方法とは
今第二新卒として転職活動に奮闘中の皆さんは、自己PRに「私は粘り強い性格です。最後まであきらめずにやり抜く自信があります。」などと書くだけで終わってしまってはいないでしょうか。
どの企業においても「第二新卒は社会人経験がある」という認識がありますから、ただこんな性格ですと書くだけでは「この子は前にいた会社で何も学んでこなかったのか?」などと思われてしまい、面接官の印象に残れないどころかあまり良くない印象を与えてしまいかねません。
面接官は今まで何百、何千人という学生や既卒者を見ている採用のプロです。したがって自己PRの内容が薄いと評価すらしてもらえない可能性もあるのです。
まず自己PRを作成する際にはそのアピールポイントの根拠となる具体的なエピソードの記載が必要です。ぜひ、自己分析を行った上で過去の経験を振り返ってみましょう。
また自己PRは少し気を抜くと薄い内容なってしまいがちですが、濃い内容にするためのコツがあります。それを参考にして作成しましょう。
さて、このコラムでは内定に一歩近づくための第二新卒の方向けの自己PRの書き方をお伝えしていきます。もっと読みたい方はこちらをCheck!
第二新卒の面接で見られているポイントとは?
書類選考が通過すると次はいよいよ面接となりますが、 第二新卒の皆さんは具体的に面接官が選考者の何を見て合否を判断しているかご存じでしょうか?それを知っているといないとでは通過率が大幅に違ってきます。
面接では自己PRの内容や志望動機の書き方で悩まれる方がほとんどだと思います。もちろん面接の中身はとても重要なことですが、それ以外にも声の出し方や見た目の清潔感を変えることで選考通過に大きく関わってきます。
メラビアンの法則においては見た目、声、話の内容が印象の多くを占めていると言われており、見た目からの印象は55%、声からの印象は38%、話の内容からの印象が7%とされています。
なんと人に与える印象に関しては見た目が半分以上も占めているのです。ぜひ、身だしなみのチェックを怠らないようし、声の出し方やや話の内容の濃さにも気をつけましょう。
また、選考に参加する際にNGとされている見た目、仕草のワースト3を皆さんはご存知でしょうか?これもまたよく知らないまま面接に臨んでしまうと選考で失敗してしまいます。
さて、このコラムでは第二新卒の面接で気をつけるべき点についてリサーチしています。もっと読みたい方はコチラ!
【体験談】第二新卒から転職を成功させた人はこんなにいます!
実はこんなにたくさんの方が正社員転職に成功しています。ぜひ体験談を読んで安心と勇気をもらいましょう!
おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず「不安」と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
でも、「仕事探し」って実は難しくないんです!
仕事を決めるときに必要なのは「自分の良いところを武器に前向きにぶつかること」、言ってしまえばこれだけなんです。
「でも自分に良いところなんてないよ~…」なんて嘆いているそこのあなた!長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。
しかしどうしても自分の良いところや強みがわからないときにはぜひ、私たち第二新卒エージェントneoに頼ってください。これまで多数の内定者を輩出した確かな実力を持ってあなたの性格を分析、そして安心して働ける求人をご紹介致します。共に楽しい仕事探しを成功させましょう!