機械設計の仕事内容とは？

機械設計とは、機械が動作するメカニズム(仕組み)を設計、構築する仕事です。

機械設計の中にも担当する機器によって種類があり、生産設備や大型機械などの“重電系”、PCやスマートフォンなどの“精密機械系”、自動車などの“一般機械系”の3つに分けられます。

ただし、機械設計の仕事には共通した基本的な流れがありますので、ここでは機械設計の仕事における4つのステップを見ていきましょう。

概念設計

まずは概念設計です。これは、クライアントと共に製作する機器のコンセプトを考え、その他機能や仕様を決めていくものです。

基本設計

次に、より具体的な構造を決定する基本設計を行います。概念設計で決めた内容にしたがって、形状や使用する部品、素材などを考え調達し、強度などを確かめながらコスト面も設定します。

コスト面を考慮しながら、いかに性能の高い機器を作成するか、部品メーカーと協議を重ねることもあります。

詳細設計

基本設計を終えると、次は詳細設計に入っていきます。

ここではまずCAD(Computer Aided Design)というツールを使用して、設計図を書き起こします。

それができたら次はCAM(Computer Aided Manufacturing)というツールを用いて、PC上で擬似的に製造作業を行いながら、CAE(Computer AidedEngineering)という解析用のツールを使用して、その製品に安全面などの問題がないかチェックします。

不備がある場合や、現実的に無理がありそうな場合にはここで明確になるため、ここから設計図を修正し、またCAMやCAEを使用して問題がないかをチェックします。

必要に応じて、実際にサンプルを製作して強度や製作にかかるコストなどをチェックすることもあります。

生産設計

上記までの過程を経ることができれば、最後は生産設計に移っていきます。

生産設計では、実際にその機器を生産していく過程で必要となる情報を明確にするために、製作に必要な部品や素材、機器自体の寸法などの情報を設計図に組み込み、まとめていきます。

機械設計の平均年収

求人ボックスの給料ナビ、機械設計の仕事の年収・時給・給料情報によれば、機械設計の平均年収は約448万円となっています。

国税庁の民間給与実態統計調査によれば2019年の日本の平均給与は約441万円となっており、機械設計の平均年収はこれとほぼ同水準であることがわかります。

機械設計のやりがいは？

どのような仕事を続けるにも、モチベーションを保つことが重要になります。最初は楽しく働けていても、慣れてくると好きではなくなってしまったり、楽しめなくなってしまうと仕事が苦痛なものとなってしまうからです。

だからこそ、仕事は自分がやりがいを持って働けるものを選ぶ必要があります。そこでここでは機械設計の仕事で得られるやりがいについて見ていきましょう。

仕事が形に残る

機械設計の仕事のやりがいのひとつとして挙げられるのは、自分の努力や仕事そのものが、その後長きに渡って形として残り続けるということです。

最初はテストとチェックの繰り返しで疲弊してしまうかもしれませんが、自分が考えたシステムが問題なく作動したときの喜びはひとしおです。

そして、仕事が形として残るからこそ、働けば働くほど自分たちの”作品”は増え続けていき、ある日、自分がそれまでいかに頑張ってきたのかを実感することができるのです。

仲間と喜びを分かち合える

冒頭でもお伝えした通り、機械設計の仕事はあらゆる発想と試行錯誤を経て設計を行っていきます。

その過程では体力や精神力を削られることもあり、時には自分の考え通りにことが進まないこともあるでしょう。

特に機械設計の仕事はチームで進めて行くため、仲間と意見の衝突があるなどして、苦い思いをすることがあるかもしれません。

しかし、だからこそ無事設計を終え、最終的に製品として完成した時のやりがいは大きく、仲間と喜びを分かち合えることも大きな達成感に繋がります。

｢大変なこともあったけど、頑張ってきて良かった｣と心から思える仕事なのです。

機械設計のメリット＆デメリット

やりがいの大きい機械設計の仕事ですが、他にもメリットがあります。ここではデメリットも併せてご紹介いたしますので、ぜひ仕事選びなどにお役立てください。

機械設計に就くメリット

機械設計の仕事は仲間とチームになって働くことができます。仲間と分かち合うことで喜びはより深く、苦しみはより楽に感じることができるのです。

また機械設計の仕事は技術職にあたり、仕事を続けていけば一人前のエンジニアとしてそれ相応の技術が身につきます。

機械系の仕事は職場が多く、手に職をつけていればその後の転職活動でも求人探しに困りにくくなりますし、キャリアアップの道も拓けます。

機械設計に就くデメリット

機械設計の仕事はチームで進めていくからこそのメリットもありますが、逆にデメリットもあります。それは、仲間との衝突や人間関係に悩まされるリスクがあることです。

人間関係によるストレスを特に感じやすい方や、短期間で精神状態をリセットできない人には心理的負担が大きい可能性があります。

また、モノづくりにこだわればこだわるほど自分の意見を通すことができなかったり、相手の意見を尊重するためにこちらが折れなければならないストレスもあります。

たとえばメーカーとの部品選定で、どうしても採用したい部品があるのにコストの都合上それが叶わずメーカーとの協議が煮詰まってしまうこともあります。

機械設計の仕事はただ機器の設計を行うだけではなく、あらゆる可能性と限られた条件のもとで業務を進めなければならないものなのです。なお、機械設計の仕事は残業が多い傾向にあります。

機械設計に向いている人ってどんな人？

中には機械設計を仕事選びの選択肢としてお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、どのような仕事にも向き不向きがあります。

就･転職に失敗しないためにも、本当に自分に合った仕事を選ぶことが大切です。そこでここからは、機械設計の仕事に向いている人とそうでない人の特徴についてそれぞれ見ていきたいと思います。

コミュニケーションが得意な人

設計の仕事と聞くと一人で黙々と作業を行い、周りの人とはあまり話さないイメージがありますが、機械設計の仕事では関係各所との連携が必要になります。

そのため、コミュニケーションが得意だったり、仲間と連携しながら働きたいという方に向いています。

体力がある人

機械設計の仕事は常に作業を繰り返す仕事であり、また残業も多い傾向があります。体力面を理由に退職する方も決して少なくない仕事です。

そのため、体力がある人や集中力を保てる人が機械設計の仕事に向いています。

気持ちの切り替えが早い人

また機械設計の仕事は体力面のみならず、精神面へのストレスも少なからずかかる仕事です。

自分の意見がなかなか通らなかったり、クライアントの意志を尊重して不本意なままに業務を進めなければならないことは多くあります。

時にはチーム内で衝突しいてしまったり、馬が合わないメンバーがいることもあるでしょう。そのため、機械設計の仕事には気持ちの切り替えが早い人や、自分なりのストレス発散のコツを知っている人が向いています。

機械設計を選ばない方がいい人ってどんな人？

一方で、機会設計を選ばない方がいい人、向いていない人にはどのような特徴があるのでしょうか？こちらも簡単に見ていきましょう。

対人が苦手な人

たとえば、営業が受けた案件にどうしても実現不可能な部分がある場合には、通常、代案を営業に伝えてクライアントへ代弁してもらうことになります。

しかし、場合によっては機械設計エンジニア自らがクライアントのもとへ赴き、説明しなければならないこともあるのです。

そのため、対人が苦手で外部の人と関わることに大きなストレスを感じる方は機械設計の仕事に向いていません。

定時で帰りたい人

本記事の冒頭でもお伝えした通り、機械設計の業務は手間のかかる複数のステップを踏みながら進めていかなければなりません。

その他、クライアントや関係各所との調整がスムーズに進まないこともあり、機械設計の仕事は残業が多い傾向にあります。

そのため、平日のプライベートも充実させたい人や、定時で帰宅したい人にはあまり向いていません。

革新的なアイデアを活かしたい人

職場によって革新的なアイデアや技術を積極的に取り入れようとするところもありますが、そうでないところも多くあります。

それまでにない斬新なアイデアを活かしたいと考える場合には、なかなかうまくいかないことが多いです。

従来のやり方でコツコツ進めて行くことになる職場が多いため、革新的なアイデアを活かしたい方は職場選びの際に情報を細かくチェックしましょう。

機械設計に活かせる資格･スキル･経験

さて、ここからは機械設計の仕事に活かせる資格やスキル、経験についてご紹介いたします。

機械設計に活かせる資格

機械設計の仕事には、大学や大学院の理工学部や機械工学などを経て就くことが多く、特に資格の取得を求められることはあまりありません。

ただ、取得しておくと実務や就･転職に役立つ資格もあります。そこでここでは、それぞれの概要をご紹介していきたいと思います。

機械設計技術者試験とは、機械設計技術者の技術力を計る試験で、安全で効率的な機械設計を行えるスキルがあることを認めてもらうことができるものです。

1級、2級、3級と用意されていますが、1級や2級は3級に合格してからでなければ受験することができないため、未経験者の方は3級から受験しましょう。

3級では機械設計の基礎についてマークシート方式で出題されます。実務経験は必要なく、特に受験資格は定められていません。受験料は8,800円となっています。

CAD利用技術者試験には2次元CAD試験と3次元CAD試験が用意されています。

まず2次元CAD試験は、CADにまつわる知識、そしてCADを使用して、2次元図面の作成を効率的に行えるスキルを証明可能な試験です。1級、2級が用意されており、まずは2級から受験することになります。

試験は60分間で、CADのシステムや製図についてを問われる選択式の筆記試験となり、受験料は5,500円です。

そして3次元CAD試験は、3次元CADを扱う技術者が学んでおくべき知識とスキルを証明できるものです。

1級、準1級、2級と用紙されており、併願受験も可能ですが、未経験者はまず2級を受験することをおすすめします。

試験は60分間、3次元CADの概念や機能、モデリング手法などについてマークシート方式で出題されます。受験料は7,000円です。

CAD実務キャリア認定とは、CADの利用にまつわる実務的なスキルや成果を認定してもらうことができる試験です。

3次元CADトレーサー認定試験、3次元CADアドミニストレーター認定試験、CADアドミニストレーター認定試験、TCADs(Test of CAD for skill)の4つの試験が用意されています。

中でもTCADsは、合否判定ではなくスコアで評価してもらうことができるため、現時点での自分のレベルを就･転職時にアピールすることに利用できます。

機械部門と建築部門の2つが用意されており、それぞれ図面にまつわる知識について問われる学科試験と、CADを用いた図面作成スキルが問われる実技試験が行われます。

受験資格は特に定められておらず、受験料は11,550円となっています。

機械設計に活かせるスキル･経験

機械設計の仕事に活かせるのは、コミュニケーションスキル、そしてロジカルシンキングです。

本記事の中盤でもご紹介した通り、機械設計の仕事では関係各所との連携が不可欠となるため、コミュニケーションスキルが欠かせません。

直接クライアントに説明を行うことになった時でもスムーズに話すことができれば、より強みになるでしょう。

そして、設計にはロジカルシンキングが備わっていることが重要になります。設計そのものを理解する場合にはもちろんですが、試作をテストした時になぜうまくいかないのかを論理的に考えることが必要となるためです。

技術者としての感覚がものを言うこともゼロではありませんが、とはいえ数値をもとにした論理的な分析も求められる仕事なのです。

理想の転職を実現させたいなら

さて、本記事では機械設計の仕事についてお伝えして参りましたが、いかがでしたか？少しでも仕事選びのお役に立てていましたら幸いです。

しかし、中には機械設計の仕事が自分に合わないかもと感じた方や、もっと他の仕事について知りたいという方もいらっしゃるでしょう。そこでぜひ知っておいていただきたいのが転職エージェントの存在です。

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おわりに、｢仕事探し｣って実は難しくないんです

新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず｢不安｣と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での｢想像とのギャップ｣はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。

｢仕事探し｣というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか？

でも、｢仕事探し｣って実は難しくないんです！

仕事を決めるときに必要なのは｢自分の良いところを武器に前向きにぶつかること｣、言ってしまえばこれだけなんです。

｢でも自分に良いところなんてないよ～…｣なんて嘆いているそこのあなた！長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。

しかしどうしても自分の良いところや強みがわからないときにはぜひ、私たち第二新卒エージェントneoに頼ってください。これまで多数の内定者を輩出した確かな実力を持ってあなたの性格を分析、そして安心して働ける求人をご紹介致します。共に楽しい仕事探しを成功させましょう！

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