製造の仕事内容とは?平均年収や活かせる資格、向いている人を調査!
「製造」というと、工場で機械や自動車を作っている作業着の従業員を思い浮かべるかもしれません。
しかし実のところ、よくイメージされるような機械だけではなく、食品や医薬品など様々な「製品を生産する」仕事全般を指すのが製造職であり、働く環境は様々です。
本記事では、製造の仕事内容や、どのような人が向いているのかについてをご紹介していきます。
製造の仕事内容徹底リサーチ!
下記の動画では製造の仕事内容の他、やりがい、向いている人の特徴、目指せるキャリアアップについてまとめていますので、文章が苦手だという方はぜひこちらをご覧ください。
製造の仕事内容とは?
働く環境や扱うものは企業規模や業種によって様々ですが、大まかな業務内容で言えば「製造職」には似通った点が多々あります。
本項目では、そんな製造に関わるお仕事の業務内容を紹介していきます。
仕分け、梱包
製品になる前の部品や原材料を受け取って管理したり、あるいは出来上がった製品を工場から出荷したりと、工場を出入りするものに携わるのも製造職の大切な仕事のひとつです。
そうした業務は大まかには「仕分け」と「梱包」の2種に分けられますが、工場に届いた部品を種類ごとに分け、収納したり作業場に運んだりと次の工程に向けた準備をするのが仕分けの仕事。
反対に出荷するものを梱包し、出荷の支度を整えるのが梱包の仕事です。
どちらであっても、部品や商品の種類を混同してしまったり、数が合わなければ問題となってしまいます。
正確さを求められる製造職の中でも特に、こうした数字や分類に関わる責任が発生するといえるのが仕分け・梱包作業といえるでしょう。
組み立て・加工
次にご紹介するのが、部品を組み立てたり、素材を加工したりと直接製品を形づくる事に携わる「組み立て・加工」のお仕事です。
組み立ては文字通りパーツを組み合わせて製品を形にするお仕事ですが、加工のお仕事には様々なものがあります。
例えば、金属などを加工する場合には、圧力をかけて加工するプレス加工や、削って加工する切削加工といった手法が用いられます。
そして機械や家具を扱う工場以外、例えば食品工場でも「加工」は行われており、その場合は食肉を切ったり、出来合いのサラダの盛り付けなどが加工に含まれます。
点検
工場内では、安全のために機械や設備について定期的な点検が行われています。
この点検は「保守点検」と呼ばれる場合が多く、工場内で動く機械が正常に動作するかどうか、また環境の安全性などを確認します。
大型の機械など、不具合が出ると危険があるものも少なくないため、保守点検は工場の運営にも関わる責任重大な仕事と言えます。
品質管理
「品質管理」とは、工場で製造した製品に異常がないか検査し、結果のフィードバックを行う仕事です。
多くの場合、行われるのは会社独自の基準での検査ですが、安全な商品をお客様へ提供できるよう細心の注意が払われ、数回にわたって実施される事が多いようです。
品質管理では、商品そのものの動作や形状に不具合がないかだけではなく、生産現場の環境についても(例えば食品であれば、衛生についてなど)チェックを行います。
製造の平均年収
製造職の年収は、取り扱うものや作業内容によっても変わってきます。
例えば金属加工であれば365万円(出典:求人ボックス)、食品製造であれば376万円(出典:求人ボックス)。
いずれも日本の平均年収(国税庁『平成30年分民間給与実態統計調査結果』より))は下回っていますが、生産管理などに転向すれば439万円(出典:求人ボックス)と一気に平均年収以上までステップアップする事が可能です。
生産管理は販売計画を立てたり、進捗管理を行ったりと、製品の生産に関連する工程を統括してマネジメントする職種です。
未経験からの挑戦も不可能ではありませんが、製造職から生産管理へ挑戦する事で現場の環境もよく把握できるためキャリアアップの道として選択する製造従事者も多いようです。
製造のやりがいは?
製造職のやりがいはいくつか挙げられますが、まずは「街で見かける製品に携われる」事が第一ではないでしょうか。
例えば機械や自動車であれば、自分が関わっているのが一部品だったとしても、製品には欠かす事のできないものです。
自分の手がけるパーツがあるからこそ、良い製品として世に出回っているという感覚が得られるでしょう。
この実感は、他職種ではなかなか得られないものといえます。
そして、単純作業であるように見えても、実は成長を実感できるのが製造業。
毎日同じ仕事であるように見えて、「昨日よりも1つでも多く、早く作るには?」「不良パーツを少なくするには?」という進歩の追求に夢中になる人も少なくないといいます。
また、期間工と呼ばれる有期契約の形態で働いている場合は、一定の条件を満たせば任期満了後に数十万円~の満了報奨金(満了慰労金)を受け取る事ができます。
これは正社員におけるボーナスのようなものですが、零細企業の正社員よりも多い金額を得る事ができる場合が多いため、
趣味や貯金にお金を回したい人にとっては仕事の大きな励みにもなります。
製造のメリット&デメリット
やりがいや年収については前項目まででご紹介しましたが、どんな仕事にも存在するメリット・デメリットを知っておく事で、より適切な仕事選びに繋げる事ができます。
本項目では、製造職のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
製造の仕事に就くメリット
製造職に就いて実感するメリットで、まず一番大きいものは「お金が貯まりやすい」事ではないでしょうか。
求人情報を見ていると、年収の額面が一般企業の社員と変わらない募集も数多くあります。
しかし、製造職に就くメリットはお金を「得る時」ではなく、「使う時」に発揮されるのです。
製造職に従事する人のほとんどは、寮の入居費や光熱費が殆どかからない、格安の食堂が利用できるなどの福利厚生により、必要経費を大幅に軽減した生活を送る事が可能です。
一般企業では住宅手当などの補助金が出る場合があるものの、「半径〇km以内に居住の場合」「何年目まで」「1~3割会社負担」など、ハードルの高い規定がある場合が大半です。
一方、製造職の場合はあまり厳しい規定もなく、むしろ自己負担額の方が少ない寮が数多く存在しています。
そのため、製造業において生活費は「ごく少額」である事が基本です。
浮いたお金で旅行に行く、趣味に使う、貯金をする…など、自由度の高い生活スタイルを構築する事が可能です。
また、製造の仕事は年間休日が多い傾向にある事も特徴です。
しかし、装置産業(生産工程のほとんどが装置で行われるもの)など、大規模な設備を動かし続けなければいけない工場の場合にはその限りではありません。
機械を動かし続けるには人の管理が不可欠であるため、工場が止まらない限りは人も働かなければならないのです。
そのため、装置産業に該当する製造業の場合は土日祝含むシフト制の仕事になる事が多いようです。
また、納期などによっては休日に設定した日に出勤の予定が入る事もあるようですが、休日出勤には手当がつくため収入が更に増えます。
製造の仕事に就くデメリット
製造職に携わるデメリットとして挙げられる事はいくつかありますが、まず第一にはケガを負うリスクがある事が挙げられるでしょう。
気をつけていないと、機械と接触してしまう可能性があるだけでなく部品の重量や尖った部分でケガをしてしまう事もあります。
入社しばらくして作業に慣れてくると油断してしまいがちになり、事故を起こしてしまう確率が高くなりやすい傾向があります。
ケガをしなかったとしても、場合によっては工場の稼働を止めてしまい損害を出す可能性もありますので、十分に注意を払いましょう。
また、手荒れしやすい人が薬品を取り扱う業務に従事した結果、手荒れの症状がひどくなってしまうケースもあります。
きちんと自分の健康状態を把握した上で、企業と相談してどういった仕事に就くかを決められると良いでしょう。
また、日勤と夜勤どちらでの勤務もありえる「交代制」での業務の場合、生活リズムに慣れるまで生活が不規則になりつらいと感じる人もいるようです。
生活習慣が乱れる事をあまり好まない場合には、できるだけ交代制ではない仕事を選ぶべきといえます。
製造に向いている人ってどんな人?
製造職に向いているのは、まず単調な作業が好きな人が挙げられます。
多くの製造職では、作業そのものは複雑な内容でない場合が多く、コツコツ取り組む事ができます。
事務職などにも同じ事が言えますが、反対に内容の決まったルーチンワークが苦手な人にはあまり向かない環境です。
しかし、地道な作業に真摯に取り組む事ができる人にとっては、気楽に仕事をする事ができるため天職であるともいえるでしょう。
また、仕事の他にお金のかかりがちな趣味を持っていたり、夢を追っていたり…という場合にも製造職をおすすめできます。
前述の通り、製造職に就き寮で生活していれば生活費はほぼかかりません。
貯まったお金は好きなように使え、年間休日が多いため旅行に行く事もできます。
加えて、製造職では髪型・髪色が自由であったりと身だしなみに関する規定がほぼない場合があります。
仕事内容は地味に思えますが、ファッションにこだわりを持ちたい人も製造職には混じっており、「同僚が帽子を取ると、髪の毛がピンクだった…!」という事も少なからずあるようです。
製造の仕事を選ばない方がいい人ってどんな人?
環境ごとに異なりますが、製造職は基本的に人と話す機会があまりありません。
機械の稼働を見守ったり、部品の製造に集中したりと、喋っていてはむしろ業務が滞ってしまう仕事が多いためです。
コミュニケーション能力そのものは製造職を含む多くの職場で活かす事ができますが、人と話していないとストレスが溜まってしまうタイプの方は、一般的にはあまり向いていないと言えるかもしれません。
営業など、どちらかといえばざっくりとした感性で行う仕事のほうが得意な方も、あまり製造職に従事するタイプとはいえないでしょう。
工場内では大きな機械が動いており、取り扱いによっては危険な薬品のやりとりもあります。
して、それらを適切に扱うためにはある程度の注意力と知識が必要です。
また、体力勝負の側面を持つ仕事であるため、体力がない、もしくはなにか健康上で懸念があるといった場合にはかなり絞った仕事選びをするべきでしょう。
簡単な作業がメインであったり、多くの常駐先を取り扱っていたりといった企業を選び、選考時に相談する事で快適に働く事ができるはずです。
製造職に活かせる資格・スキル・経験
製造職は未経験からでも挑戦しやすい仕事ですが、持っていると仕事に活かせるスキルや資格も存在します。
本項目では、どのようなスキルが製造の仕事に活かせるのかをご紹介します。
製造業に活かせる資格
これから製造職の仕事を探す!という場合は、まず「アーク溶接作業者」の資格を取得する事をおすすめします。
アーク溶接とは金属をつなぎ合わせる溶接技術の一つで、電気を使った接合を行います。
この資格を持っている作業者には溶接を任せる事ができるため、活躍できる職場の幅は確実に広がります。
取得に関しても、座学・実技併せて21時間の講習を修了する事で取得可能と、非常に取得しやすい資格であるためコストパフォーマンスは抜群です。
次に挙げる「QC検定」は、1~4級までの等級が存在する資格です。
品質管理業務を行うための資格であり、持っていると採用時に優遇される場合が多いほか、3級以上の合格者には資格手当を出している企業もあります。
1級の合格率はかなり低い部類に入る難関資格ではありますが、受験資格も必要ないため自信があれば1級へいきなり挑戦する事も可能です。
また、製造業界では「技術士」の取得を推薦する企業が3割程度あるとの調査結果が出ています。
(出典:日経クロステック)
技術士は合格率が10%前後と、国家資格の中でも難関に分類される資格ではありますが、関東圏での技術士の平均年収は551万円と、日本の平均年収と比較しても100万円以上高い収入を得られます。
高額の資格手当を出す企業はさほど多くないようですが、より良い待遇での転職の足がかりにする事ができるでしょう。
製造の仕事に活かせるスキル・経験
製造職に就くにあたっては、やはりある程度の体力がある事が望ましいといえます。
勤務時間中は立ち仕事となる場合も多いため、飲食業界や接客業からの転向も歓迎されるでしょう。
接客業で「ちょっと人と話す仕事に疲れてしまった…」という人が、製造職へ転職する事もよくあります。
元接客業というスタッフを見つけたら、「接客業あるある」などの話題で盛り上がる事もできるかもしれません。
次に、工場では注意力のある人材が必要とされています。
前述の通り、工場内では少しの油断が事故に繋がってしまうためです。
「よく気がつく」など周りに評された事がある人は製造の仕事においても活躍できるでしょう。
最後に、一番大切なのはやはり「ものづくりへの関心」だと言えます。
好きこそものの上手なれという言葉もあるように、ものづくりが好きな人こそ、単調な作業になりがちな工場でも楽しんで仕事をしやすいのではないでしょうか。
そして、そういった人がいち早く仕事にやりがいを見出し、真剣に取り組み邁進していけるはずです。
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IT化が進む社会において、特に精密部品を扱う製造職は需要が高くなっているといえます。
だからこそ就職のハードルもそこまで高くはないのですが、選考を受ける際にはやはり緊張してしまうものです。
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