女性の平均年収

私たちの生活の中で明確に給料の額面を話す機会はそう多くありません。では、何を基準に「給料がいい仕事」を定義すればよいのでしょうか。

基準を定義するために私たちが着目したのは、国税庁｢令和2年分 民間給与実態統計調査｣によれば、令和2年度の女性の平均年収は以下の通りです。

令和2年度の女性全体の平均年収は293万円です。年齢別に見ていくと、平均年収のピークは45歳から49歳の321万円で、その後は緩やかに平均年収は下がっていきます。

女性の平均年収には、20代後半からあまり収入の変化がないという特徴があります。これは女性のライフイベントの変化が理由です。

女性は、20代後半から30代前半に結婚や出産をきっかけとして、正社員の仕事を離れることが少なくありません。

派遣やパートといった仕事にシフトする人や、仕事そのものを辞めてしまう人もいます。そのため、20代後半から平均年収は、ほぼ横這いを示しています。

以上のことを参考にして、本記事においては給料がいい仕事を「すべての雇用形態を対象にした平均年収で、女性の世代別平均年収のピークとなる321万円を超えている仕事」と定義します。

以下ではこの定義に沿って「女性編 給料がいい仕事」を紹介します。

【女性編】給料がいい仕事10選

この項では給料がいい仕事を職種別に紹介します。しかし、給料がいい仕事のなかには政治家のように特別な手続きの下でしか就くことのできない就職難易度の高い仕事もあります。

そのような仕事を紹介されても、就職や転職の役にはたちません。そこで本記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を参考に、一般的に採用可能性が高いと考えられる職種を選び、その中から「給料がいい仕事」をピックアップし「女性編 給料がいい仕事10選」としました。

なお、平均年収などの数値は、国税庁｢令和2年分 民間給与実態統計調査｣を元に算出しています。

介護職（医療・福祉施設等）

介護職員（医療・福祉施設）・介護福祉士・ケアワーカー・生活支援員（障害者施設）などの介護職は、女性にとって給料がいい仕事の1つと言えます。

近年の日本は高齢化が進み、介護職の需要は急速な高まりをみせています。私どもの求人においても介護職は要注目の仕事です。

事業所人数10人以上の介護施設で働く女性介護職員の平均年収は約340万円となっています。

介護職を選ぶメリットはスタートのハードルが高くないことです。介護職の職場には、未経験からスタートできる制度や、働きながら資格が取れる制度が充実していることが少なくありません。

そのため、資格がなくとも転職が可能です。ただし、介護職は医療や福祉の現場と密接に関わるため、担当している方の最後を看取るなど、悲しい現場と出会うことも多い仕事のため、働くと決めたなら相応の覚悟はいります。

一方で、感謝の気持ちを直接伝えてもらえる心温まる感動が多い仕事でもあります。

美容サービス（美容師を除く）従事者

美容にかかわる仕事は、女性にとって働きやすい職場ではないでしょうか。私どもへの相談でも美容サービスに関わりたいと希望を述べる女性は少なくありません。

美容サービスは働きながらスキルを身に付け、将来的には独立を考えられるというメリットがある職種です。もし、起業に憧れを持っているなら、転職先に美容サービスを選ぶのは良い選択であるといえるでしょう。

美容サービスは、仕事内容の多くが専門的な技術を伴うので、国家資格が必要と考えられがちです。しかし、実際にはほとんどの業務で資格は不要です。これは大きなメリットといえます。

美容サービスの技術は専門学校に通うか、もしくは現場で学べます。

美容サービスは立ち仕事なので体力が必要です。また、女性ばかりの職場なので人間関係に悩む方も少なくありません。

日ごろから体力維持と周囲への気配りを大切にしましょう。美容サービスの仕事の平均年収例は、ネイリストで約337万円、エステティシャンでは約342万円となっています。

保険営業職業従事者（保険契約外交員など）

保険営業職業従事者とは、保険セールス員や保険契約外交員などのことです。お客様や企業に対して、保険サービスの提案と販売をする仕事です。おおよその平均年収は436万円です。

保険営業職業従事者の仕事に就くメリットは、保険や税金に詳しくなるという点です。保険や税金の知識は仕事だけでなく私生活においても役立ちます。

デメリットとしては、保険営業職業従事者になって働くには、登録者資格が必要であることです。試験に合格して登録しなければなりません。

ただし、資格の取得は一般的に入社が決まった後です。保険営業職業従事者として働くことが決定してからなので、急いで取得する必要はありません。

金融営業職業従事者（銀行外務員、有価証券勧誘員）

金融営業職業従事者とは、金融商品の販売あるいは融資獲得のために勧誘や契約締結を担う職種です。平均年収は約570万円です。

この職種で働くと、金融商品の知識や税金についての知識が身に付くので、資産形成に役立てられるでしょう。仕事の結果がでない場合はノルマクリアのプレッシャーとの戦いが続きます。

しかし、営業職ではノルマ達成できないことは珍しくありません。あまり深く悩まないことが大切です。営業スタイルが決まるまでは、のんびりと腰を据えて働きましょう。

営業職業従事者（不動産販売員など）

営業職業従事者とは、商品やサービスの販売や受注を目的に、取引の勧誘・交渉・受注・契約締結といった業務を担う者のうち、食料品ルートセールス員・不動産セールス員・医薬品販売外交員・広告取りなどを指す職種です。

平均年収は約545万円です。営業職業従事者の仕事は実力本位の世界といえます。成績を上げればあげるほどに年収は増えていくでしょう。自分の努力が収入に直結することが、最大のメリットといえる仕事です。

不動産営業の仕事をしている女性のなかには、年収1,000万円を越える方もいます。デメリットとしては、成績が出せない人にとっては厳しい仕事であることです。すぐに成果がでないときでも、努力は必ず給料という形で身を結びます。

もし成果がでないときは、短期で成果が上がることを期待せず、長期で営業成績を上げていくように考えをシフトするとよいでしょう。

ソフトウエア作成者（社内SE、プログラマー）

ソフトウエア作成者は、自社のITシステムの運用・開発・保守などを行う社内SEや、プログラム言語を用いてアプリケーションやソフトウエアを作成するプログラマーなどが含まれる職種です。

小・中規模の会社では社内SEとプログラマーが同じ仕事を兼任していることもあります。そのような会社ではソフトウエア作成者が、社内システムの導入からインターネット環境の整備まで、広くIT業務を担当します。

物を作る喜びを重視している人は、ソフトウエア作成者としての仕事に大きなメリットを感じるでしょう。頭の中で想像したとおりにソフトウエアが動く様子が楽しくて仕事がやめられない人は少なくないようです。

また、働いた実績がそのまま評価へとつながるので、将来的にフリーランスとして働くことを考えている人には大変おすすめの仕事といえます。デメリットは知識がすぐに陳腐化してしまうことです。

ソフトウエア開発者として働くなら、常に最新の知識を得られるように、情報のアンテナを張り巡らせておかなければなりません。ソフトウエア作成者の仕事の平均年収は約511万円です。

看護師（看護師、看護師長、訪問看護師）

看護師は、傷病者の看護や療養中のケア、あるいは医師の診断の補助を行う仕事です。働き方が多様になった現在においても、女性が多く働いている職種です。

看護師は女性の仕事のなかで高い年収が期待できる仕事としてよく知られています。女性看護師の平均年収は約490万となっています。看護師として働くメリットは平日に休みがとりやすいことです。

看護師の現場の多くはシフト制が導入されています。休みが土日や祝日に限定されません。平日の日中にでかけられるので、どこに行ってもあまり混雑しません。

看護師になるためには資格がいります。学習期間や費用がかかるのは大きなデメリットです。

一度資格を取得してしまうと、仕事が合わないときに方向転換がしづらいので、看護師になるかどうかは慎重に確かめるようにしてください。特に、就業時間が不安定で、家庭とのバランスが取りにくい点には注意するようにしましょう。

しかし、看護師は常に人員が足りておらず、将来においても売り手市場が続くと予想されています。そのため、一度資格を取得すれば転職や再就職も難しくありません。

例えば、子育てのライフステージが変わり、もう一度働きたいと思った時でも、看護師なら復職がしやすいでしょう。

高等学校教員 （高等学校および中等教育学校の校長・教頭・教諭・講師）

学校教育法によると、高等学校教員とは高等学校において生徒の教育をつかさどる仕事です。中等教育学校の校長・教頭・教諭・講師もこの職種枠に含まれます。高等学校教員の平均年収は約681万円です。

あまり成果についてうるさく言われないのが高等学校教員として働くメリットといえます。対してデメリットは、仕事の拘束時間が長くなりやすいことです。平日の有給取得も非常に難しいです。

学校行事などで休みがつぶれることもあります。ただし、産休・育休などの福利厚生は比較的受けやすいです。

高等学校教員となるには免状を取得しなければなりません。教職課程がある大学などで必須単位を取得して免状を手に入れるのが一般的です。

薬剤師

薬剤師は、主に病院や薬局などで働き、調剤や薬の管理をする職種です。比較的女性が働く人数が多い職種の1つです。

医師とは違った形で患者とのコミュニケーションがとれ、地域医療に貢献できる仕事として人気があります。医療的な仕事でありながら、夜勤はほとんどなく、比較的有給申請もしやすい仕事です。

管理薬剤師として活躍できるようになれば、さらなる高年収も狙えるでしょう。一般的な調剤薬局に就職した場合、平均年収は約488万円です。

なお、薬剤師の職場は人間関係が閉鎖的になりやすいです。苦手な人にとっては息苦しく感じるかもしれません。

しかし、狭い人間関係というものは、慣れてしまえば家族同様の親しい関係にもなれます。少しずつ人間関係を形成していくように心がけましょう。

記者・編集者

記者・編集者は、取材を元に新聞や雑誌などに掲載する記事を作成する仕事です。一般的には企業内記者や編集者を指します。記者や編集者は1枚の名詞を渡すだけで、たいていの人と会ってもらえます。

普通では会えないような人と出会うチャンスが生まれるかもしれません。一方で、拘束時間が非常に長く、仕事とプライベートの区別が付けにくいというデメリットがあります。仕事のオン・オフを切り替える意識づけが大切です。

記者・編集者の仕事の平均年収は674万円。ただし、地方メディアと大手メディアでは給料に大きな差があります。

また、担当するメディアによっても給料に違いが出てくるので、就職・転職先を探す場合には条件をよく確認してください。

給料がいい仕事を選ぶ際の注意点

仕事を決める際に給料が高いかどうかは重要な要素です。私たちも就職先を紹介する際には、給料に注視しています。

しかし、給料ばかりを就職・転職先探しの基準にしていては、自分にとって最高の仕事にめぐり合うことはできません。以下で給料がいい仕事を選ぶ際の注意点を見ていきましょう。

自分の性格に合っているか

どれだけ給料が高い仕事であっても、自分の性格に合わない仕事を長く続けるのは、とてもつらいことです。私たちの誰もがそうなのではないでしょうか。合わない仕事を無理に続けると心身に不調をきたす恐れがあります。

なにより、自分に向かない仕事はモチベーションが上がらないため、成果を出すことも難しいでしょう。

仕事の成果がでなければ、入社時よりも雇用条件が悪くなってしまうかもしれません。就職・転職を考える際は、仕事が自分の性格に合っているかどうかを、必ず検討するようにしましょう。

ライフステージの変化に対応可能か

結婚や出産といった特有の事情から、女性は生活スタイルを大きく変化しなければならない場合があります。就職・転職先を探すときは、このライフステージの変化に対応できる仕事がおすすめです。

ライフステージの変化に対応できるかどうか見極めるポイントは、福利厚生や社内制度の充実度です。育休制度・産休制度は整っているか、妊娠時の時短勤務や業務変更ができるか、といったポイントを確認しましょう。

しかし、充実した制度があっても実際には使われていない会社は少なくありません。会社の実体が知りたいときは、私たち転職のプロに相談するのもよい方法です。

給与以外の条件が許容範囲内か

就職や転職の目的は何なのでしょうか。もしかすると、今検討している就職や転職は、給料のアップを求めていないかもしれません。「福利厚生の充実」「定時帰宅」「ワークライフバランスの改善」など、仕事に求める条件は人それぞれです。

しかし、給料だけを就職や転職の条件としている人は、私たちの経験上でもあまり多くありません。

就職や転職を考える際は、自分の目的を明確にし、目的達成に必須な条件を書き出してください。次にその条件を「譲れないもの」と「妥協できるもの」に分けてください。そのうえで、就職・転職を考えている仕事をチェックします。

給与以外の条件が許容範囲内にあるかどうかを確かめましょう。このようにすれば、就職や転職のミスマッチが起こる確率が低減します。

女性が配慮された職場環境か

給料がいい仕事を検討する場合は、なるべく多角的に情報を集めることが大切です。例えば、職場環境は女性向けに配慮されているでしょうか。魅力的な仕事であっても、女性の入職に対応ができていない職場かもしれないからです。

例えば、トイレやロッカー設備は女性用のものがあるでしょうか。男性が多く、女性向けの配慮がなされていない環境の職場は、女性向けの制度が軽視されている場合があるので注意しなければなりません。

また、同業種で給料のいい仕事へと転職する場合、希望の転職先では現在の仕事よりも高いスキルや資格を求めている場合があるので注意してください。

希望に近い仕事に転職したいなら

誰もができる限り自分の希望に沿った仕事に就きたいものです。しかし、実際に就職・転職活動を始めると、希望する給料の水準に沿った仕事すらなかなか見つかりません。

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おわりに、｢仕事探し｣って実は難しくないんです

新たな環境に身を置こうと考えたとき、誰しも必ず｢不安｣と出遭うことになります。
本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での｢想像とのギャップ｣はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。

｢仕事探し｣というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか？

でも、｢仕事探し｣って実は難しくないんです！

仕事を決めるときに必要なのは｢自分の良いところを武器に前向きにぶつかること｣、言ってしまえばこれだけなんです。

｢でも自分に良いところなんてないよ～…｣なんて嘆いているそこのあなた！長所や強みは誰しも絶対にあります。可能性のある存在を否定するほどもったいないことはありませんよ。

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