インフラ業界に転職しても大丈夫?ビジネスモデル、現状の動向、将来性まとめ
安定性が高い仕事を探している人に人気の「インフラ業界」。私たちの元にも多くの方がインフラ業界への転職を希望して相談に訪れます。
しかし、一言でインフラ業界といっても、そのビジネスモデルや業務などはさまざまです。本当に転職して大丈夫なのでしょうか。
本記事ではインフラ業界について、ビジネスモデルや現状の動向などをご紹介します。インフラ業界に興味のある人は、ぜひ一読ください。
インフラ業界とは?
「インフラ業界とは?」と質問を受けたとき、どのような業界や職種を想像しますか。私どもに相談する多くの方は公共事業をイメージすることが多いようです。
インフラ(インフラストラクチャー、infrastructure、基盤設備)とは、国民福祉あるいは国民経済の発展に欠かせない、社会で共有する施設を指します。
そのため、「インフラ業界とは?」と問われたなら、その答えは「社会の基盤を支える社会的・経済的なインフラストラクチャーを提供・運営する業界」となるでしょう。
もしインフラ業界が提供するサービスがなくなってしまったら、便利で快適な生活はできなくなります。インフラ業界は社会にとって重要で欠かせない業界だといえます。
インフラ業界の仕組み
インフラ業界は「人々の生活に役立つ」「安定した仕事である」などの理由から、転職希望者が少なくありません。しかし、インフラ業界の仕組みについて詳しく理解している人はそれほど多くないものです。
転職活動において業界の仕組みを知ることは大切なことです。企業の特徴や業界での立ち位置などを理解し、企業のニーズと自分がマッチしているかを客観的に確認できるようになるからです。
一般的にインフラ業界は、業務の分野や目的によって4種類(生活インフラ・エネルギーインフラ・交通インフラ・空間インフラ)に分類されており、それぞれのインフラ業界において用いられるビジネスモデルが異なります。
ビジネスモデルとは、収益を得られるようにするためのビジネスの仕組みのことです。インフラ業界の仕組みを知るには、4種類のインフラ業界でそれぞれどのようなビジネスモデルが用いられているかを理解することが大切です。
以下において、それぞれのインフラ業界におけるビジネスモデルと、その業界における代表的な仕事について見ていきましょう。
生活インフラ業界のビジネスモデル
生活インフラ業界とは、「上下水道業」「情報通信業」「一般廃棄物収集運搬業」など、エネルギーを除く、日常生活を支えるにおいて欠かせない基盤となる仕事に携わる業界です。
上下水道の公営企業・インターネット通信事業者・ゴミ収集事業者といったものが、生活インフラ業界に含まれる代表的な仕事です。
生活インフラ業界のビジネスモデルは、以下の要素から成り立つケースが多いです。最初にインフラ整備をします。生活インフラを構築、あるいは整備するための開発や準備プロセスです。
次に、完成したインフラ設備あるいはシステムを運営あるいは管理します。生活インフラが整備され運用が開始されたなら、それらを生活に提供することで料金収入を獲得します。
エネルギーインフラ業界のビジネスモデル
エネルギーインフラ業界には「電気業」「ガス業」「石油・石炭業」といったものが含まれます。
エネルギーインフラ業界は、名前のとおり、電力・ガス・石油といったエネルギーに関する社会基盤に関わる仕事です。
エネルギーあるいは燃料の調達・生成・供給が代表的な仕事で、社会や人々のライフラインを支えます。インフラ業界の中でも、安定性に優れた企業が多いです。
エネルギーインフラ業界のビジネスモデルは、「エネルギーの生産」「エネルギーの供給」「エネルギーの販売」という3つの要素が基本です。
発電やガソリンの精製などによって、エネルギーや燃料を生産し、それを消費先に効率的に供給・販売することで利益を得ます。近年では供給や販売を担う事業者とのエネルギー取引によって利益を確保することも増えています。
交通インフラ業界のビジネスモデル
交通インフラ業界は、主に公共交通機関を運営する企業や、道路・橋・トンネルといった交通に必要なインフラを建設あるいは整備する企業などが集まる業界です。
例えば「鉄道業」や「航空業」「建設業」「海運業」などが含まれます。鉄道や航空による人や物資の運搬、あるいは交通インフラ設備の設営や管理が代表的な仕事です。
交通インフラ業界のビジネスモデルの基本は、道路交通など人員や物資の運搬に用いるためのインフラ設備の運営にあり、交通インフラを利用する者から料金収入を得ます。
インフラ設備には、道路・橋・トンネルといった交通網だけではなく、車両・鉄道・航空機あるいは駅や空港といったものも含まれます。
また、近年における交通インフラのビジネスモデルでは、不動産事業や広告事業など「交通」とは関係のないものが組み合わされることが増えました。例えば、東京急行電鉄は事業の多角化を進めている企業の1つです。
従来のコアビジネスであった鉄道による運輸事業は、全体の収益の2割ほどにとどまっています。
転職先として交通インフラ業界を検討する場合は、企業がどのような業務に対応した人材を求めているのかについて、注意深く研究しなければなりません。
空間インフラ業界のビジネスモデル
空間インフラ業界は、公共施設や湾岸施設といった設備を維持管理することに携わる企業が集まる業界です。地方自治体や国とのかかわりが深い仕事が多いため、安定的な業界であるといえます。
市役所・図書館・港湾設備などの管理、橋梁や水門といった設備の整備などが主な仕事です。近年では公共施設のバリアフリー化に伴い、リフォーム事業を営む企業なども、空間インフラ業界の1つとみなされることが増えています。
不動産のリースや賃貸あるいは保守や管理によって利益を得ることが、空間インフラ業界における基本的なビジネスモデルです。
不動産開発や都市開発がベースとなった場合には、その規模に応じて土地利用や不動産開発が伴うため、莫大な額面の事業規模となる場合があります。
また、不動産売買や投資などによって利益を得ることがビジネスモデルに含まれることも多いです。
インフラ業界の現状の動向
近年では、ときおりインフラ事業の縮小の話題が報道などで上ることがあります。私たちに相談に来る方の中にも、転職を考えるにあたって「インフラ業界は安泰なのか?」とインフラ業界の現状の動向を気にする人が増えています。
従来のインフラ業界は揺らぐことのない業界であると信じられてきました。なぜなら、官民共同出資の事業が多いため、インフラ事業は市場規模が大きくなりやすいという特徴があったからです。
交通インフラを例に挙げるなら、
しかし、近年においてインフラ業界には避けられない課題が登場したため、新たな成長戦略が求められるようになりました。以下ではインフラ業界の現状の動向について、解決すべき課題とその対策の面から解説します。
インフラ業界において現状の大きな課題は2つあるといえます。
1つ目は国内インフラ需要の低下です。日本は基本的なインフラが行き届いた国のため、現状において大規模なインフラが新しく設営される機会はそれほど多くありません。
それゆえに、国内の公共事業に頼らない、新しい利益確保の手段を求める必要性が、インフラ業界には生まれました。
2つ目が少子化問題に伴う収益の低下です。インフラ業界は社会経済の基礎を支える反面、多くの人々の利用によって、そのビジネスモデルが成り立っています。
少子化に伴うインフラの利用人口減少は、従来のビジネスモデルを崩壊させかねません。そのため、インフラ業界に属する企業の多くは、課題に対して何らかの対策を行うようになりました。
海外進出企業が増えている
国内インフラ需要の低下に対応すべく、新興国や発展途上国に進出する、インフラ関連企業が増えました。転職を希望する方は、海外勤務があるかの確認をした方が良いでしょう。
日本自体もインフラの輸出を推奨しており「インフラ海外展開の推進」を経済外交の1つとして捉え、インフラプロジェクト専門官やインフラアドバイザーによる支援を行っています。
また、内閣官房もインフラ海外展開に着目し、2025年には34兆円のインフラシステムの受注を獲得することを目標に掲げ「インフラシステム海外展開戦略2025」を発出しました。
日本はかつてより高い技術とノウハウに定評がありましたが、中国などの新興国が提供する廉価なインフラに対して、価格競争の面で後手にまわっていました。
「インフラシステム海外展開戦略2025」によって、ODA(政府開発援助)や円借款などによる発展途上国や新興国への援助や支援が進めば、価格的な競争において優位に立てるでしょう。
そのため、海外進出を進めているインフラ企業は転職先として将来性が高いと言えるでしょう。
デジタル化や多角経営化が進んだ
国内おける交通インフラは、国内市場の縮小に伴う業務縮小の動きがあります。例えば、少子高齢化に伴う利用者の激減の影響を受け、鉄道運営会社やバス会社などが過疎地域から撤退しています。
国土交通省が発表している「近年廃止された鉄軌道路線(平成12年度以降の全国廃止路線一覧)」によれば、2000年度に50kmの鉄軌道路線が廃止されたのを皮切りに、20年間でその距離は約1,100kmまで伸びました。
少子高齢化が経営に影響を与え、交通サービスそのものが縮小した結果だと言えるでしょう。
交通インフラ業界では、電子マネーによる決済や駅ナカの商業施設の誘致など、交通インフラとは異なる周辺事業を開拓することで、少子化による減益の流れを乗り切ろうとしています。
将来における電車や車の自動運転化などを見越しての、システムのIT化にも積極的です。従来の交通インフラではあまり問われなかったITスキルを持つ人材が、これからの交通インフラ業界には向くかもしれません。
新たなサービスの提供や新しい設備の導入を始める企業が増えた
エネルギーインフラ業界では、エネルギー設備が行き届いた結果、国内需要の大きな伸びは望めません。
例えば、
加えて少子化が今後進めば、エネルギー消費自体も少なくなることが考えられます。さらに、2016年から開始された「電力の小売全面自由化」によって大手電力会社の収益力は悪化しました。
近年ではエネルギー分野以外にも、規制緩和の波が押し寄せています。老舗の大手インフラ企業は新規参入企業への対策が必要です。
既存のエネルギーインフラ企業は、お得な料金プランの設定や、ほかのエネルギーとの共同利用による契約の一本化といった、新たなサービス提供によって、現状を打開しようとしています。
そのため、マーケティングの知識や営業スキルといったものが役立つ現場が増えているといえるでしょう。
また、新エネルギーへの参入や、より環境に優しい設備の設営など、新しいインフラ設備の受注を呼び込む動きも高まっています。建築や設営の経験を持つ人は、エネルギーインフラ業界を検討してみるのもよいでしょう。
インフラ業界の将来性
インフラ業界の現状の動向を見るに、インフラ業界の将来性に不安を持つ人もいるかもしれません。しかし、インフラ業界の需要がなくなることはまずないでしょう。
インフラ業界は社会のライフラインを支えている重要な仕事です。万が一経営に問題が起きた場合にも、政府や他企業からの支援や援助が期待できます。
以上のことから、現状の課題の解決が必要であるとはいえ、インフラ業界の将来性はこれまでと変わらず高いといえます。
インフラ業界で働くには?
インフラ業界で働くには、しっかりとした志望動機の作成が必要です。インフラ業界は社会を支える使命の元に活動している企業が多いため、その社会目的を理解した人を好んで採用する傾向が高いからです。
希望する企業が社会においてどのような重要性を担っているのか、自分の言葉で説明できるように準備しておかなければなりません。そのうえで、その業界で働きたい理由を明確にしておくことが大切です。
また、インフラ業界には同業他社が数多く存在しているため、志望動機の作成では「なぜほかの会社ではダメなのか?」という点が明らかにできていなければ、内定を得ることは難しいでしょう。
同業他社ではダメな理由を明らかにするには、企業分析が必要です。しかし、企業分析を一人の力で行うのは簡単ではありません。働きながらの転職活動の場合は、なおさら困難なものとなるでしょう。
そのため、インフラ業界で働くには転職エージェンの利用がおすすめです。
転職エージェントの利用にはさまざまなメリットがあります。1つ目は、企業の情報をたくさん把握していることです。入社後の働き方などの情報が得やすくなります。企業の情報は志望動機を作成するのにも役立つでしょう。
2つ目は、履歴書や職務経歴書など、応募書類の添削がしてもらえることです。自分ひとりで書類を作成すると意外なほどにミスがでるものです。書類審査を通過するのに転職エージェントの利用は大変有効といえます。
3つ目は面接対策が受けられることです。面接では企業や業界への理解を確認する質問が多く問われます。転職エージェントを利用すれば、模擬面接などで対策がしっかりできるでしょう。
4つ目は条件交渉を代行してくれる点です。自分では口にしづらい、休日や給料についての交渉も気軽にできます。
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おわりに、「仕事探し」って実は難しくないんです
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本当に自分のやりたいことができるのか、よくない意味での「想像とのギャップ」はないだろうか、自分で務まる業務内容なのだろうか...。
「仕事探し」というものがとてつもなく難しいものに思え、孤独を感じている人もいるのではないでしょうか?
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