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中卒は専門学校に通える?専門学校の選び方と高等専修学校について

高校を卒業後専門学校に進む方は一定数いらっしゃいますが、中には中学校を卒業して専門学校に通いたいと考えている方もいらっしゃると思います。

中卒で通える学校があるのか、あるならどんな条件を満たせばいいのかということを押さえておけば、自分の進路を考える上で大きなヒントになるはずです。

そこで本記事では、中卒から専門学校に通えるかどうかや、高等専修学校や中卒の専門学校選びのポイントについてご紹介いたします。

中卒は専門学校に通える?

専門学校への進学を考えているなら、まず通う資格があるか確認する必要があります。専門学校は職業に直結した技能を学ぶことができる学校で、その名の通り専門的な知識や技術を習得することができます。

理論はもちろん実習が充実しているところが多いので、本格的に技能を身につけ、卒業後すぐその業界で活躍することを目指すことができるのです。

すでになりたい職業が決まっていて遠回りしたくない、一旦学校を離れたけれどやっぱりもう少し勉強したいという人にとって非常に魅力的な学校と言えるでしょう。

一般的な専門学校は、高校卒業資格を取得していないと進学することができません。しかし「高等専修学校」なら、中卒であっても入学することが可能です。

高等専修学校は、高校を卒業した後に進学する一般的な専門学校とは異なりますが、国に認められた正規の学校です。

文部科学省の学校教育法124条で定められており、実際の職業に関する実務的なスキルと教養を学ぶことができます。

専門学校に通うには?

専門学校にはいろいろな種類があります。特に安定した仕事に就ける資格取得を目指せる学校で、公務員や保育士、看護師、栄養管理士などが人気です。

こうした学校の多くは、高卒以上、あるいは高卒認定の学歴がなければ入学することができません。そのため、中卒から専門学校入学を目指す場合は、高卒認定試験を経由するのが基本となります。

高卒認定試験とは、「高卒の人と同程度の学力があることを認定する」ためのもので、中卒、高校中退の人であっても合格すれば専門学校の受験資格を得ることができます。

高卒認定試験の注意点として、あくまで認定資格のため、高卒資格が得られる訳ではないことが挙げられます。せっかく専門学校に入学しても、何らかの事情で卒業できなければ最終学歴は中卒になってしまいます。

こうしたリスクを避けたい人におすすめのが、通信制高校に入学するという方法です。

通信制高校は通学ではなく通信で高校卒業を目指す学校で、スクーリングと呼ばれる登校日の他に、レポート提出やテストを受けることで単位を取得していきます。

通信制高校の中には専門コースが設定されているところもあるため、そうした学校を選べば、学びたいことを学びながら高校卒業資格を得ることができます。そして高校を卒業した後、専門学校に進学する流れになるでしょう。

「高等専修学校」とは?

中卒でも通える専門学校「高等専修学校」に通うという選択肢もあります。高等専修学校は、有資格の教職員数、設備など一定の基準を満たした上で、都道府県知事の許可を受けて設立される教育機関です。

職業に関する実践的な教育を受けながら、3年通って所定の基準を満たせば高校卒業と同等の扱いになります。

大学入学資格付与の指定を受けている専修学校を出れば、一般的な高等学校卒業者と同じように大学受験資格を得ることができるのです。

就職に関しても同様で、一般企業や公務員への応募、初任給の設定についても、高等学校卒業者と同等の基準が適用されることになります。都道府県によって異なるものの、通学定期や奨学金制度も利用することができます。

高等専修学校の大きな特徴として、各校それぞれに特色があるという点が挙げられます。

不登校生や高校中退者の受け入れを積極的に行っていたり、資格取得を推奨しそのためのサポートを密に行っているなど、いろいろな学校があるのです。

また、単に職業技術を学ぶための場というだけではなく、部活動や生活指導を実施し、各学校が充実した教育を行えるよう取り組んでいるのです。

専修学校では、8分野の専門知識を修得することができます。「工業」「農業」「医療」「衛生」「養育・福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」の8つです。

このうち工業は土木・建築だけではなくコンピューターや放送技術なども含みます。専修学校で人気の職業は看護師と美容師です。

美容師の場合はスタイリストやヘアメイクの分野がある専修学校に入学して技能を学んで実習をこなせば、卒業時に無事美容師免許を取得することができます。

看護師の場合、高等専修学校では准看護師の資格しか得られません。准看護師は中卒でも受験可能な都道府県知事が発行する免許のことで、准看護師は医師や正看護師の指示でなければ業務を行うことができません。

正看護師として働きたいなら、専修学校を卒業した後資格試験に合格し看護専門学校に入学、看護師試験に合格する必要があります。

ただ正看護師になるには高卒以上の学歴が必要になるので、中卒から看護師を目指す場合、高等専修学校に入学するのは有効といえるでしょう。看護の知識や技術を学びながら高卒資格取得を目指せるからです。

高等専修学校は社会で通用する技術や知識を学ぶことができるのが特徴です。そのため、卒業後は多くの人が就職しています。

卒業後多くの生徒が就職することは学校側も当然分かっているので、より実践に即した教育を行うため、企業や団体と連携した実習が行われているのも特徴です。

企業内実習はもちろんのこと、職場体験や職場見学、企業からの講師派遣なども積極的に行われています。

一般的な専門学校との違いに目を向けると、専門学校が高卒の人を対象にしているのに対し、高等専修学校は中卒の人を対象にしていると言う点です。

高等専修学校と専門学校が併設され、校名が「〇〇専門学校」になっているところが多いです。高等専修学校の入学試験は、面接、作文、書類選考というところが多く、入学難易度は高くありません。

中には国語・数学・英語・社会の中から2科目選択する学科試験を行っている学校もあります。

中卒が高等専修学校に通うメリット

中卒が高等専修学校に通うメリットはいろいろありますが、まず就職に直結する知識や技術を身につけることができるという点が挙げられます。高等専修学校は就職率が高いですが、その理由は実践的な授業内容にあります。

また専修学校は業界企業と連携して教育を行い、かつ積極的に就職指導を行っているため、学歴を問わず高い就職率を誇っているのです。特に就職を目標にしている人なら、嬉しいメリットではないでしょうか。

メリットの二つ目は、学習に対する興味が持続しやすいという点です。高校に進学しなかった、あるいは中退した人の中には、授業内容に興味が持てなかったり、勉強に意義を見いだせなかったという人が多くいます。

一般的な学校では生徒個人の興味関心に関係なく、幅広い範囲を総合的に学習するためです。それに対して高等専修学校では、自分に興味のある分野を専門的に学ぶことができます。

座学ばかりでは飽きてしまう可能性もありますが、実習もあるので興味が持続しやすく、かつ学習効率が高まることが期待できるのです。

高校生として扱ってもらえる点も、高等専修学校に通うメリットの一つです。通学定期券も発行してもらえますし、在学中はいろいろな企業の学割制度を利用できるようになるので、生活がある程度楽になるのではないでしょうか。

また、奨学金などの公的支援も受けることができます。高等専修学校は実習などが豊富な分、一般的な公立高校より学費が高いケースが多いです。

その点を気にして進学を迷う人もいるかもしれませんが、都道府県の給付金などが活用できるため、学費についてはしっかり調べるようにしましょう。

中卒が高等専修学校に通うデメリット

一方で、高等専修学校へのデメリットとしては数年間ずっと同じことだけ学ばなければならないという点が挙げられます。

一つの分野について深く学習していくというのが高等専修学校の教育スタイルなのですが、見ようによってはそれがデメリットになってしまうのです。

途中で飽きてしまうかもしれませんし、他のことに興味が移ってしまう可能性もあります。そうなると毎日の勉強が苦痛になることが考えられます。

また、専門分野を深く掘り下げていくため、分野を選んだ段階で就職の選択肢がある程度確定することは避けられません。

選んだ分野に関する仕事には高い確率で就くことができますが、それ外の求人に関しては圧倒的に不利になってしまいます。学んだ分野以外の知識がほとんどない状態になってしまうからです。

「この分野を深く勉強して将来は〇〇になりたい」と進路がある程度はっきりしている人はいいのですが、就職率が良いからとりあえず進学すると、思わぬ壁にぶつかってしまうかもしれません。

認知率が低いことも人によってはデメリットと感じるかもしれません。文部科学省の調査によると、高等専修学校に通う生徒は全国で3~4万人程度。

こう聞くと多いと感じるかもしれませんが、一般的な普通か高校生が全国で200万人程度いることを考えると、「高等専修学校」自体を知っている人があまりいないのは容易に想像が付くでしょう。

中卒の専門学校選びのポイント

では、高等専修学校に通う際はどのように学校を決めればいいのか考えていきましょう。まず大切になるのが、将来就職したい業種や会社を考えることです。

高等専修学校は就職に直結する知識が技術を学習する場なので、入学してからゆっくり考えるのではなく、学校選びの段階で将来就きたい業種や会社を具体的に決める必要があります。

高等専修学校には「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾」「文化・教養」の分野があるため、それを参考に決めるのもいいでしょう。

例えば自動車整備の仕事に就きたい場合は、「工業」分野の学校を選ぶことになります。憧れの会社があるなら、その会社がどの分野に属しているのか調べ、その分野を学べる学校に行くといいでしょう。

やりたい仕事、入りたい会社が明確になったら、必要な資格を調べ、それが取得できる学校かどうかを確認することも大切です。特に国家資格の取得を目指しているときは、サポートの充実度をよくチェックしましょう。

調理師は卒業と同時に国家資格がもえますが、それ以外は試験を受けて合格しなければなりません。

授業中の指導はもちろんのこと、補習などの授業外指導が行われているか、授業時間以外でも実習室や教室は使えるか、外部講師や模擬試験など外部のサービスを積極的に取り入れているかなど、確認すべき項目はたくさんあります。

近年、入社後に期待と現実の乖離が激しく、ミスマッチを起こして仕事を離れてしまうというケースが問題になっています。これは企業側、従業員側どちらにとっても不幸な事態です。

こうした事態を避けるには企業内実習が非常に有効なため、それが充実しているかどうかも高等専修学校選びの大きなポイントになります。

在学中に企業内実習に参加することができれば、いち早く実際の業務や会社の空気を知ることができ、ミスマッチを事前に防ぐことができるからです。

学校に通う上で大きなモチベーションになるのが部活動です。実は部活動と学力には関係があることが分かっており、「1時間以上、2時間未満」の適切な部活動は、学習成績を押し上げると言われています。

就職のため、技術や知識の習得のために通う学校と考えがちですが、勉強だけの場所になってしまうと学習意欲が続きません。

部活動は適度な息抜き、いろいろな種類の人間関係構築を図ることができる場であるため、積極的に参加すると良いでしょう。

高等専修学校の中には、専門技能の全国大会に参加している学校もあります。数自体が少ないのでそれを主軸に学校を選ぶのは難しいかもしれませんが、頭の隅に置いておきましょう。

調理、美容、デザインなどいろいろな大会がありますが、参加することで学習のモチベーションがアップします。また、学外の人達と技術を競うことで自分のレベルを知ることもできるのです。

できるだけ早く就職したいなら

就職したいものの、中卒であるという理由で仕事の選択肢が限られるのではないか、理想の仕事に就けなかったり待遇が不利になってしまうのではないか、という懸念から専門学校への進学を考える人は多いのではないでしょうか。

一般的な専門学校は高卒でなければ進学できませんが、高等専修学校なら中卒でも入学でき、就職に直結する知識や技術を習得することができます。

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